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Anon.のブログ

いずれ闇に消えるものなら
夢や記憶の欠片を拾い集めて
その色彩をガラス玉にどろりと流して
トンボ玉をいくつもつくろう

なかなか手の届かない女を幾年も求め続け、ようやく男はその女を手に入れた。

男は女を暗がりに連れ出した。

芥川という川沿いを女の手を曳いて歩いてゆく。

草の葉に降りた露の玉を見て、女が「あれはなに」と男に問いかけた。

行く手の道のりは遠い。夜も更けた。

鬼が棲むところとも知らず、雷がはげしく鳴り、雨も土砂降りになったので、荒れ果てた蔵に女を入らせ、男は弓を手に、矢なぐいを背に負って戸口にかまえた。

はやく夜が明ければよいと思いつついると、鬼が女を食い殺してしまった。女の悲鳴は雷鳴にかき消され、男には聞こえなかった。

ようやく夜が明けてみると、女の姿はなくなっていた。

地団太を踏んでもどうにもならない。

 

“あれは真珠?”

“いいえ、それは草の葉に降りた露の玉”

そうこたえて、わたしもまた、その草の露のように消えてしまいたい。

 

鬼というのは女の兄とその息子であった。二人は女の泣く声を聞きつけて、女を取り戻して帰ったのだった。