帰り道、中央線の車窓から虹を見た。
高架線上を走行する列車の南側に空がひらけ、広々とした見通しになる。
八王子方面から調布、世田谷の方角にかけて雨雲が広がり、手前に迫った雨雲の縁のはるか上に、筋雲が張りついた青空が見え、日の光が落ちる。
雨雲の腹のところどころから、紗のような薄い雲の緞帳が下り、そのあたりがスコールになっている。
その東側に、雨雲を背景にして、鋼の刀を立てたような虹が見えた。
赤、緑、黄の色彩が肉眼で確認できるが、背後の雨雲のためか、濁りを帯びた暗い光を放っている。
町並みが近づいて、建物に視界をさえぎられる頃には、ビルの合間に垣間見える虹は、灰色の雲の中に溶け込むように薄くなり、見えなくなった。