半年ごとに定期健診へ行ってます。
 私の場合はAクリニックとBクリニックをその時どきの都合によって使い分けながら足を運ぶことにしています。
病院
 基本はAクリニックのほうが場所的に都合がいいのですが、ここは予約制で、かなり前からその旨を伝えておかないと受けつけてくれないことがあります。でもBクリニックは予約不要なので、いきなり行っても問題なく受けつけてくれるんです。
 
 ここ数年はAクリニックで受けてたのですが、その間にBクリニックのあやしげな情報を耳にするようになりました。
 なんでもBクリニックでは、ある時期に突然、それまで勤めていた女性職員全員が辞めてしまったそうなのです。代わりに、なぜか中国人の看護婦さんばっかりを見るようになったのだとか。
 
 理由は謎です。
 
 べつに日本人じゃないからダメだとか、そういうふうには思わないです。ですが聞くところによると、そこの看護婦さんは採血の際の注射の打ち方がおぼつかなくて、見かねた老院長が交代して注射を打ったことがあったのだとか。💉
 
 おもしろい。おもしろそうなものなら見てみたいと思ってしまうチアーさんですが、しかし最近はAクリニックで難なく受診できてたので、なかなかBクリニックまで足を運ぶ機会は訪れないままでいました。
 それが先日、Aクリニックでの予約が定員超えのため不可となりまして、ようやくAクリニックへ行ってみる必然性ができたのです。期待と、その2倍くらいの不安を抱きつつ行ってきましたのよ。
 
 その日、見かけた看護婦さんは2名でした。彼女たちが「採血の際の注射の打ち方がおぼつかない」方々だったのかはわかりません。もちろん訊くこともしませんでしたが。
 ですがそのうちのひとりは、やはり中国の出身らしい。その旨が名札に書かれてありましたので。
 ただ、その名札には自己紹介文も添えられておられまして。
ジブリ映画が好きです
ドキドキ」的な一文が。
 たぶん、まだ20代くらいの方のようです。この文言にしろ、いかにも若い女子がやりたがりそうな・・・いや、上司に「やれ」って言われた可能性もあるな。でも、そうやって日本に馴染もうとしてる想いがあるのなら酌んであげたいとは思うのです。
 
 
 そこでアンケート。こんな女子に、もっと日本に馴染んでもらうためにオススメしたい日本映画は何ですか? 次のなかから選んでください。
 

1『あゝ決戦航空隊』
1974年/東映
監督:山下耕作
脚本:笠原和夫、野上龍雄、相良俊輔

主演:鶴田浩二
 
「天皇陛下みずからが戦地に赴き、陣頭に立つべきではないのですか?」
「こんなかたちで敗戦していいんですか? 敗戦というのは国民が決めることだ。天皇陛下も首相も閣僚も幕僚もすべて戦死してからの話ではないのですか? 敗戦かどうかは国民がそれから決めればいい」
 かなり直球な台詞が胸をえぐる。天皇の戦争責任を徹底的に追及した、存在自体が奇跡のような作品。
 戦時中に海軍軍人で、出撃する特攻機を見送る職にいたという鶴田浩二が、特別攻撃隊生みの親にあたる大西瀧治郎役を熱演。
 最終的に特攻を止めようとしなかった大西のやり方は報われず、死んでいった部下たちへの申しわけなさから「出来るだけ長く苦しんで死んだほうがいい」と介錯なしの切腹(実際に15時間あまり苦しんで死んだらしい)! これが、ちょっと正視に耐えかねるほど凄絶かつ生々しいものであった。
 あまりにもストレートな主張でアブナい内容なため、「よく、こんなの作れたな~!」と圧倒されてしまいます。逆に言えば、それだけこの作品には作り手側の切実な想いが込められているということ。そして相当な覚悟で世に出したことだろう。観る者の腰を抜かし、立ち上がれなくさすほどの破壊力がある映画。ジブリ好きにはオススメです。
 

 
映画
 
2『兵隊やくざ』
1965年/大映
監督:増村保造
脚本:菊島隆三
主演:勝新太郎/田村高廣
 
 第二次世界大戦中の1943年、舞台はソビエト連邦との国境に近い満州の「孫呉の丘」。4万の兵力を誇る関東軍が駐屯していた。
 そこへ入隊してきたヤクザの用心棒をやっていた男と、彼の指導係に任命された上等兵の珍妙なコンビで描いた痛快活劇。BL好き女子にも支持率が高いらしい。
 勝新の「上等兵どのおおおおお!」という絶叫が、ジブリ好きの乙女心を刺激すること必至です。
 
映画
 

3『薩摩盲僧琵琶』

1984年/岩波映画製作所
監督:諏訪淳
脚本:諏訪淳
 
 鹿児島地方に800年も前から伝えられ、盲僧によって弾じられる薩摩盲僧琵琶。民衆の生活のなかに深く根づき、現代にも生き続ける神秘的な盲僧琵琶の魅力を追い、6年余の歳月をかけて製作されたドキュメンタリー。
 昭和も終わりに近づく時代にありながら、畳や囲炉裏や土間や田畑や藁葺き屋根の家々や・・・が残る鹿児島の地が舞台。とくにストーリーらしいものもないなか、ひたすら盲僧たちの生活ぶりが淡々と映し出される。
 どこが見せ場なのかもわからない。それどころか「これを観に行く客がいるのか?」と心配になるような映像が、たっぷり90分間も続くのだ。これほど動きの少ない映画はジブリ好きには新鮮でたまらないものになるだろう。
 
映画
 

4『典子は、今』

1981年/東宝
監督:松山善三
脚本:松山善三
主演:辻典子
 
 実在のサリドマイド病患者である辻典子の半生を描いたセミ・ドキュメンタリー的な映画で、辻が本人役で主演している。
 身体障害者の社会参加を力強く訴えた作品として当時は大いに注目された。しかし映画化されて以後は誹謗中傷など投書が相次ぐこととなり、やってよかったんだかよくなかったんだかよくわからない結果に。
 当ブログでは“怨歌”歌手として何度も紹介した三上寛が出演、そしてテーマ曲も三上が歌っている。「あの三上寛が、こんなキレイな歌を歌うこともあったのか」と、ちょっとした驚きを覚えた。ジブリ好きにはオススメかと。
 
 
映画
 

5『仁義の墓場』

1975年/東映
監督:深作欣二
脚本:鴨井達比古、松田寛夫、神波史男
主演:渡哲也
 
 戦後ヤクザの語り草ともなった実在のヤクザ石川力夫の型破り、かつ破滅的な生き様を凄惨な暴力描写で描き通した作品で、実録ヤクザ路線の極北と評される。
 容赦ない暴力描写、シャブ打ち、麻薬に溺れゆく者のありさま・・・さらに主人公の支離滅裂なキャラクターの描写は特筆モノ。深作欣二のヤクザ映画といえば『仁義なき戦い』を挙げる向きが多いと思うが、内容の強烈さは本作のほうが数段上かと。
 昨今の映倫に通すと、よくてR15、ヘタすりゃR18の可能性が高いと思われるほど優秀な映画である。石川演ずる渡哲也が、亡き妻(演:多岐川裕美)の遺骨を狂気の表情でかじる場面にはジブリ好きも胸キュン回避不可。
恋の矢

 
注意本記事では、あえて「その他」枠は設けないことにしました。
上記以外の作品でお答えされても却下いたしますので、ご注意ください。
 
映画
 
 今回は映画を題材にした記事なんですが、カテゴリ的には「絶望アンケート」なんだよなー。
 まぁ本当にその看護婦さんに話しかけたり映画をオススメすることはないと思いますけどね。ですので投票自体は無責任にやっていただいても大丈V!チョキ ・・・なのであります。
 
 
 ちなみに、私が行った日に採血はありませんでした。
 ところが後日。実際にBクリニックで採血してもらったという方から、こんな情報を聞かされたのです。
「オレのときは針が皮膚を貫通したからなぁ」
 バイトなのか?
あせる
 採血の回は、なるべく行かないようにしたいと思います・・・。ガーン
 

 

 

 

 

 

 

 

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