それまでもなんとなくは観ることがあったプロレスですが、いよいよ夢中になるきっかけとなったものといえば多くの皆さんがそうであったようにタイガーマスク・・・ではありませんで、タイガーのマスクを剥ごうとする小林邦昭選手のおかげなんであります!
 あれね、面白かったんですよ、テレビに映ってるのに公開レ○○してるみたいで。

 思えばアニメ『タイガーマスク』にしろ私が最も好きだったのが、タイガーがマスクを剥がされそうになるシーンでした。
 だってそうでしょ、仮面ライダーが怪人にマスクを取られたら惨めすぎてもう表に出てこれないですよ。ウルトラマンが怪獣にマスク脱がされて、なかからヒゲおやじの顔が出てきたら恥ずかしくて地球にいられません。
 もう、考えただけでワクワクしますね。
 ヒーローが負けることはときどきありますが、顔を晒されて負けるとなると、これほど屈辱的なことはないのですから。『仮面ライダー』にしろ『ウルトラマン』にしろ、いつかそういうことをやってくれないかなぁなんて期待しながら観ていたものですが、ついにそのような描写がなされることはありませんでした。
 じつは初期の『仮面ライダー』ではマスクがボロボロだったため、いまにポコッと外れてしまうのではないかと期待に胸をふくらませてたこともあったのですが、残念ながらライダーのマスクは隙を作りませんでした。じつに思わせぶりです。ただ、期待をさせてくれるほどの「質感」を帯びたライダーのマスクは、とてもとても魅力的だったと思います。

 


 ですが、そういったタブーをやってのけたのが『タイガーマスク』であったのですよー! しかも最終回では完全に剥奪、大観衆の眼前のもとに素顔が晒されるはめになるわけですからねぇ~。

 

 

 さて、そういった素敵な名場面を本物のプロレスでやってのけたのが小林邦昭選手なんであります。したがって今回の記事では、タイガーマスクではなくて小林邦昭選手が主役でございますよ。

 それまでプロレスにはあんまり詳しくなかった私にとって、日本人が悪役で、しかも見た目カッコイイお兄ちゃんがそれをやらかしてるという図(アニメでそれをやるのは常に人相の悪いやつだった)が非常に斬新に映ったものです。
 わかりやすい例を挙げれば・・・そう、アンチヒーローの代名詞=ハカイダーの雰囲気がこれに近かったように思います。しかも小林はタイガーにしか興味がないのか、ことタイガー戦となると、やたらムキになって覆面に手をかけようとするのです。

 そういう一途なところもハカイダーに似てたりするんですよ。

 主役(タイガーマスク)を食ってしまうようなインパクト。小林邦昭なるプロレスラーがどんなに魅力的に映ったかは、ハカイダーが好きな方には理解できるのではないかと思います。

 視聴率20%を超える『ワールドプロレスリング』でこんなのが放送されるのですから、小林の“虎ハンター”ぶりはすっかり浸透してしまいました。少年ジャンプの読者投稿コーナーでは「小林邦昭はタイガーマスクの覆面をしょっちゅう脱がそうとするので、タイガーは小林のパンツを脱がしてもいいことにする」というルールが提案されるほどでありました。

 

マスカラ・コントラ・パンツ」ですね。
 

●覆面を破られたタイガーが怒っております。また、華麗な元祖フィッシャーマンズ・スープレックスは、持ち上げてから叩きつけてるのがわかります(3:10頃)。

 こんな不純(?)
動機で始めたプロレスファンですが、その後はちゃんと真面目に観るようになったんですよ。
 でも、ウルトラマンのマスクが剥がされるところは見てみたいです。

 こんな全温度チアーさんですけど、2014年にはまともな人間になれますでしょうか?