はじめは【小さな種】でした。


七色に光る その不思議な種は、

 

特定の色を持たず

そばに居るものの【心】を映して
自在に色を変える種でした。

 



種の願いは、

大きく太く、育った幹に 動物たちが遊び、

キラキラと光る葉を繁らせた 豊かな枝葉に

小鳥たちが憩い、

涼しい木陰に 誰もが安らぐ
美しい大樹になることでした。




生まれたての種は、

そんな《愛しい木陰》をつくるには
どこに根をおろせばいいかしら?
 と、


風に運ばれたり、
水に運ばれたり、

ふさふさとした動物たちの毛や、胃袋に

こっそり隠れて移動したり、

ときに、
誰かに拾われて 

ポケットの中で 小さく跳ねたりしながら

行き先のわからない旅を続けました。




さまざまな命の音や色を聴き、

 

愛したすべての時間の 匂いや記憶を

体いっぱいに染み込ませながら、

『想像以上に長い間

 旅してしまったのでは・・・?』

と、

我に帰ったある日のこと。



少し、心もとない気持ちで
水辺に映った姿を見たら・・・

旅を続けている 小さな『種』

だと思っていた私は

たくさんの花と【Yesの実】をつけた
7色に光る大樹に育っていました。




                                       artist 山口浩子 http://blue-hiroyan.com

 


この木を探し出し、

この木のもとを訪れてくださる すべての人に

大切な【Yesの実】が見つかる『特別な時間』を

心を込めて贈ります。



ALOHA Seed
私という種のものがたり

'ano'ano HP http://anoano.jp