鈴木おさむと秋元康の対談本。
「天職」を読み終えた。
おいおい、お前が読んでいたのはよりよい飲食人になるための礎となる本で、なにを脱線しているのだと思った方もいるであろう。それは、目的が違うのである。
わたしは自分をよくするために本を読み始めたのであって、それは飲食業に限った話ではない。
わたしが将来どの職業に落ち着くかは別として、先人の教えからわたしを高めてくれる本を図書館の膨大な本の中から【興味、感心】のある本を引き抜いては読んでいるのだ。今回はふたりの放送作家の対談本である。成功者はなにを語るのか、わたしは喜々としてページを捲った。
楽しいからやっているのだ。「大変でしょう? 忙しいんだからそれは他人に任せては?」と言われても自分でやりたいから汗をかいているのだ。ふたりの放送作家は自分の楽しいこと、面白いことを優先して仕事に向き合っている姿が印象的だった。儲けよう、視聴率をとろうということも大切なことではあるが、何よりも大切なのは自分が楽しいと思えるかで、それで成功しているから運が味方したと声を揃えた。
長い対談だというのに盛り下がることも間延びすることもせず、ふたりがとことん自分たちの仕事を語り合うのである。その姿は生き生きとして、周りを巻き込んでいく。
わたしは読み進めながら幾度自分を叱咤したであろう。考え方ひとつですべての行動は変わったであろうに、わたしは怠惰を選び自分を信じぬくことができないのだ。周りの意見のために生きているのではない。自分の人生を生きている。自分に失望していたのでは、だれがわたしの未来に期待しようか。
反省は意識を変え、行動を変えた。わたしは文章を書かせてもらえる仕事はないか探した。簡単に見つかった。 わたしは文章を書き、そうして時間のあいたときには本を読んだ。
文章を書き、お金をもらった。わたしはライターになったのだ。
まだまだそれだけで食べていくことはできない駆け出しのライターだ。
それでも、わたしの生活は変わり始めている。一冊の本を読み終えること、わたしにとって読書は人生の分岐点のようなものだ。