比喩表現の練習【怒り】 | 夢は小説家ですと本気で宣ふブログ

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文章の世界に魅入られた小娘が、妄想を書籍化しようと奮闘する日記。

 このテーマは1週間ぶりです。
 今日は怒りを、怒りという言葉を使わないで表現する練習をしたいと思います。

 比喩表現の練習【怒り】

 雷が鳴っていた。容赦ない罵声のように雷鳴を轟かせて、空には幾重もの閃光が落ちている。窓ガラスの向こう側の嵐のようなヒューヒューという音と、雷を聞きながら、ガラスに映るリビングにいる両親の姿を眺める。
 修羅のような形相をした母親の顔がストロボライトに照らされているように、チカチカと映っている。父親の雷鳴にも負けない声が耳の奥に重い音を投げつけてくる。
 雨は止まない。
 早く、雲間から覗く太陽を拝みたいと願いながら真っ暗な部屋で膝を抱えた。

・・・

 限界まで膨らんだ風船のようだと思った。
 一針でも鋭利な物を押しつけられたら、大きな爆発音を響かせて破裂してしまいそうであった。
 ギリギリの緊張感の中、空気が震えているのが分かった。胸の前に手を押しあてて、心をガードする。そうでもしていないと自分を抑えきれる自信がなかった。
「だから、お前は何やってもダメなんだよ! クズ!」
 おっさんの目が俺を蔑むように歪んでいる。分厚い頬の肉が持ち上げられて、俺を笑っている。醜い顔に、気持ちが悪いと胸に押し当てた手を外してしまった。
 ああ、破裂音が聞こえた。

・・・
 怒りを見守る話と、怒りを体感している話でした。表現の練習なので比喩表現を用いるのですが、最近真にやりたい表現は選ぶ比喩をもっと厳選したいのです。
 隠した秘密を本に挟んだ押し花に見立てた中村うさぎさんのように、美しい表現や美しいものを用いて説きたいのです。精進します。