二人が再び契った夜から、事は慌ただしく動き出す。
相葉達3人は、とりあえず社宅としていたアパートを退去して、それなりのマンションに入居することとなった。
櫻井としては、もっとグレードをあげたかったらしいが、そこは相葉が首を縦にしなかったのだ。
家族の新しい暮らしが始まる。
贅沢は望まない、温もりだけがあればそれが家になる。それは相葉の願いであり、信念でもあった。
オメガとして、決して望んではならない夢。
それがようやく叶ったのだから、大概のことではたじろがない自信がある。
だから引っ越しは、そんなに大変ではなかった。櫻井はそれこそ、身一つのようなものだったし、相葉も親子3人とはいえ、あまり物を持たないように生きてきたから。
……荷物これだけ!?……
半分呆れたような、それでいて辛そうな叫び声をあげさせてしまった。
浮かぶ複雑な表情に、ちくりと相葉の胸が痛む。
離れていた時間を、単純に負い目のように感じて欲しくはなかったから。
しかし、櫻井の瞳は真っ直ぐ前を見据えていた。
だからだろうか、子供部屋は手を抜かなかった。
「翔さん、勉強机なんて、あの子たちにはまだ早いのに!」
「いいの、いいの、そのうち使うんだからさ」
「でも!」
窓際、日当たりの一番いい部屋に、高級な設えの勉強机が二つ並んでいる。
それぞれにあつらえた本棚も。
「二人には、俺たちが与えられるものは、どんなものも惜しみなく与えたいんだよ。勉強だって習い事だってさ」
「でも、まだ2段ベッドは早くない?」
壁際に置かれたそれを指さし、軽く睨むようにしてそう言えば、櫻井は慌てて視線を逸らし見透かされた胸の内を胡麻化した。
判り易い。そんなところは、やっぱり少し残念でもある。
だけど、たまらなく愛しい。
相葉は許す気持ちを込め、そっと櫻井の手を握りしめた。
今のところ、4人での暮らしは順調だ。
反抗的だったのも猜疑的だったのも最初だけで、双子はあっさり櫻井を父親として認めた。
だって、翔さんだもの……。
優しくて、素敵で、最高にカッコいい……ヒト。
だが、不在だった時間を埋めるには、まだまだ掛かりそうではある。
特に翔紀は、櫻井が相葉に近づこうとするのを許さない。
櫻井が二段ベッドを用意する気持ちも、気が早いと思うが良くわかる。
「二人にずっと添い寝していたいけど、ここで二人が寝てくれる日も楽しみだね」
そう素直に相葉が囁けば、櫻井の体温は一気に上昇してしまうのだった。
*********
罪な男ですね!雅紀くんも!
さて、明日からGWですねえ。
皆様、どうか楽しい休日を!