二人は久しぶりにお互いを見つめた。
不思議だと相葉は思う。
不思議と強い渇望を覚えない。
あるのは、相手を冷静に見て取ることの出来る自分。
むしろ自分よりやつれて見える櫻井に胸が痛んだ。
愛しいという思いはそのまま。
縋りつきたいという切羽詰まったものはない。
ただ気持ちが平らかになる。
だが強く愛しいと思う心は胸の奥に確かにあり、図らずも強い絆を意識させるのだ。
……俺は、きっとずっと、ずっと櫻井さんを好きなままだ。
諦めにも似た思いは、相葉をむしろ勇気づける。
「久し振りだね。雅紀、身体は?」
「は、はい。むしろ気遣って頂いて……」
櫻井は相葉の顔をから、視線をゆっくりと腹の辺りに彷徨わせると、唇をきつく噛んだ。
「ごめん」
「櫻井さん……」
頭を下げる櫻井を、相葉は遣る瀬無く見つめた。
「ごめん」
「謝る以外、もっと言うことはねえのかよ!」
苛立った声が二人に割って入る。
「か、和!?」
驚いて振り返れば、そこには二宮、大野、松本の三人が立っていた。
次の瞬間、二宮は相葉の腕を掴んで引き寄せる。
「まーくん、大丈夫?」
「誰、あなた?」
櫻井の母が引きつった表情を浮かべる。
いきなりの乱入者に、少し怯えていた。
「俺?」
二宮は肩で大きく息を吐く。
「二宮和也」
まるで挑むような視線で、二宮は櫻井の両親に詰め寄る。
二人は、みるみる顔色を変え、何故か櫻井の父親は、がっくりとその場に膝を着いた。
「知ってんだろう?」
周りの空気を凍らせる冷たく平坦な声。
「和?初対面の方々に、そんな失礼な態度をしちゃいけないよ」
相葉は慌てて、二宮を引き戻す。
「まーくん、騙されちゃ駄目だ。こいつらは揃いも揃って偉そうにしているけど、人間の皮を被ったケダモノなんだよ!」
「えっ?……ええっ?なんで、おまえがそんなことを言うの?」
「まだ分かんない?」
二宮は櫻井の両親に向き直る。
思わず、櫻井は二人を守るように、一歩二歩と後退さった。
「こいつらは、ずっと前から俺を知っている」
「だから、どうし」
「まーくん。この男は、この男はね、俺の血の繋がった兄なんだ」
二宮は、忌々し気に櫻井の鼻先に人差し指を突きつける。
相葉は薄く唇を開いたまま、その全身が衝撃で固まってしまう。
……和と櫻井さんが、血が繋がっている?
凪いでいた心が、再び、冬の嵐のように乱れ始めるのだった。
********
はあ~っ、昨日のVSの抱き着きマー君は、何処に行けば買えますか?