相葉が施設に閉じ込められるように放り込まれてから、あっと言う間に2週間が過ぎた。
施設内での行動は自由でも、案外監視は厳しく、外出などもってのほか。
いくら清潔で快適な空間でも、流石に息が詰まる。
数人のオメガと話をしたが、誰も彼も相葉が妊娠しているのに気付くとあからさまな羨望と嫉みしか表さない。
特に女性のオメガの視線には、憎しみに近いものさえ感じて苦しくなる。
それでも、親切だったり、気遣ってくれる同性のオメガもいたが、ただひたすら出会いを求め、子種を求める人達と、相葉はまるで話がかみ合わないのだ。
「みんな、寂しいのかな……」
「子供を授かったオメガは、取りあえず色んな脅威から解放されるからなあ」
病室で食事を摂る気になれず、裏庭の花壇の前のベンチで相葉がランチをしていると、大野がやってきて隣に座った。
相葉の膝の上から、サンドウィッチを一つ掴んで頬張りながら、相葉の話に頷いた。
「そんな簡単じゃないでしょう?」
「いや、無理矢理犯される恐怖が無くなるだけでも、随分、気が楽になるんじゃねえの?」
そんな大野の一言に、相葉は不意に、ヒートの空恐ろしさを思い出す。
番持ちの自分は凌辱の恐怖からは逃れられるが、これから先、自分一人でヒートを耐え忍ばなければならないのだ。
子どもを産み、ある程度、子育てが落ち着いたら……。
愛してくれる人は、もういない。
アルファとしての櫻井を否定したわけじゃなかったのに、何故か、あの人は酷く傷ついていた。
「相葉ちゃんだって、そうだろう?」
相葉は眉を顰めた。
そんな単純ではないのだ。
それとも、自分が難しくしているだけ?
相葉はほっぺたを膨らませながらもぐもぐと口を動かしている大野に尋ねる。
「何故、あの人は、あんなにもアルファであることに囚われてるのでしょうか?」
大野はぎょっとして、食べているものを喉に詰まらせるようにむせた。
「それは、……わしの育て方が悪かったんじゃないかな」
答えは違う方向から帰って来た。
相葉が慌てて振り返れば、そこには思いがけない人物がいた。
自分を強制的にここに入院させた人、櫻井の祖父が立っていたのだ。
相葉は思わずその場で立ち上がり、頭を下げた。
大野が横で、ランチの残りをキャッチする。
「会長、いらっしゃるなら連絡をくださらないと」
「どうだ。元気にしているか?」
大野の言葉を無視をし、櫻井の祖父は相葉をじっと見つめるのだった。
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今夜は久し振りに「グッスポ」ですねえ。
わーい!マスターに会える。
テンションがあがるなあ!