まるで、怪物を見るような目だった。
いや、実際、はっきりそうと言われたのだ。
櫻井から浴びせ掛けられた言葉を無意識に反芻すれば、勝手に唇が戦慄く。
相葉は自分をきつく抱きしめる様にして、湧き上がる身震いに堪えた。
もう、こうなったからには、二度と会うことも叶わないだろうと思う。
櫻井は相葉がオメガだから嫌でも抗えず、オメガだから欲しないのだと知れたのだ。
やはり人に頼る生き方は出来ない。しちゃいけない。
多分、自分の中にある甘えがこんな事態を生んだのだと相葉はぼんやりと思う。
「か、帰らないと……」
相葉の体力は限界だった。そして、当然、気力も尽きかけている。
……こんな無様で無慈悲な別れを望みはしなかったのに。
愛されていたという記憶を心と体に残したかっただけなのに。
相葉は壁伝いによろよろと玄関に向かう。
戸締りはしたくても出来ない。だが、セキュリティは万全なマンションだ。玄関の鍵が開いていてもしばらくは大丈夫だろう。
ふらつく足で、ようやくスニーカーを履いて部屋の外に出た。
俯きながらエレベーターに向かおうとして、ふと、目の前の人の気配があることに気が付いた。
眼を凝らせば、ピカピカに磨き上げられた高級靴のつま先が見える。
……櫻井、さん?
「見つけた……」
聞いたことのある特徴的な声。
「灯台下暗しとは良く言ったもんだ。まさか、まだこのマンションに出入りしてたとはね」
逃げ出したいと思うが、足が竦んでしまう。
相葉はゆるゆると顔を上げ、静かに息を飲んだ。
「松本さん……」
そう、櫻井の部下。
最初に自分の存在に牙をむいたアルファ。
「別れたって素振りは、カモフラだったわけか」
相葉はぎゅっと唇を噛み締めると、構わず前に進むもうとした。
しかし、透かさず立ち塞がる松本。
「悪いけど、一緒に来て貰う」
松本はそう言うと、相葉の腕を掴んだ。
「俺は、あなたなんかと何処にも行かない」
相葉は懸命に抗ったが、松本は涼しい表情でせせら笑う。
「相変わらず、大人しそうな顔して鼻っ柱が強いなあ。……でも、あんたにNOと言う選択肢は無いんだよ」
射すくめるような鋭い眼光に相葉は声も出せないまま、松本に引きずられる様にしてエレベーターに乗り込むしかなかった。
*****
明日から「ワク学」の申し込みが始まりますねえ。
相葉くんの「オカルト研究会」これ、絶対、観たいよねえ。
とはいえ、激戦だろうしなあ。
まあ、ノーアタック・ノーチャンス!ですもんね!!
当たって砕けろですよ!(砕けちゃダメじゃん。。。)