この場さえ、やり過ごせば……。
そう思うのは間違いじゃない。
相葉の頭の中は、櫻井の放つ磁力から逃げることしかなかった。
愛の無い拘束なんか欲しくないし、ぼろぼろの身体と心は、これ以上の痛手には耐えられない。
櫻井は情熱をこめて、抱きしめもしてくれなかったのだから。
愛されていると思ってたのは、錯覚だった。
愛されていれば、捨てられやしなかった。
……そんな単純なことも分かってなかった俺は、本当に馬鹿だ!
しかし、傷心の相葉が目指した先には、もう一人の男。
向井がドアの前に立ち塞がる。
「相葉くん!」
まるで罠に嵌るみたいに、その胸の絡め取られた。
「離して!」
「よくも、私を騙したね。番に捨てられたなんて嘘までついて!相手が櫻井くんだと知っていれば、君に手なんか出さなかったものを!私を陥れるつもりだったのか!?」
向井の激しい怒りに、身の覚えのない相葉は戸惑い、呆気なく傷つく。
僅かに残っていた勇気さえも、吹き消される。
「陥れるなんて……」
「櫻井くんは大事な仲間だ。経済界に置いての地位は……」
途中から、意味をなさなくなる言葉の羅列。
あえて言われなくても、分かっていることだった。
アルファ中心の社会のルール。
強力なアルファがピラミッドの頂点。
格差を隠さない社会において、序列を乱す行為は許されるものではない。
上位のモノに手を出すのはご法度。
相葉が意図したことじゃないが、状況としてそうなってしまったのは明らかだ。
自分の意思に関係のないところで、こんな軋轢を生んでしまうなんて……。
相葉の身体から力が抜ける。
膝から崩れ落ちそうになった相葉を、後ろから支えるように抱きかかえる腕があった。
途端に、身体中に歓喜の電流が走る。
「向井さん、ホテルの従業員用の出入り口は使えるようにして頂けましたか?」
乱れた髪を搔きあげ、櫻井が冷たい空気を纏いながらそう告げれば、向井の表情に緊張が浮かんだ。
「大丈夫だ。奥にあるエレベーターを使えば、人目に付かずに地下駐車場に降りれる」
「そうですか、分かりました。では、この借りはいつか必ず……」
「今日の事は……」
焦りの滲んだ声で、向井は言い淀む。
「不慮の事故ですよ。出会いがしらの……。忘れてください。あなたが抱いた男は、ここには存在していなかった……」
自分の事をビジネスライクに語られ、相葉は小さく身震いした。
櫻井の存在が、もっと遠くなる。
「失くしたモノを取り戻せたみたいで、……よろしかったですね」
「ええ、もう手放しません……」
腰に回った腕に力が入ったのを、相葉はまるで他人事のように感じていたのだった。
*****
先が見えてきたのか、見えてないのか。。。
もう、みなさん、飽き飽きじゃないかなあ……。
さて、今日はVSですねえ!
んっ?今夜から、相葉くんのnew hairでしょうか?
御前様みが無くなるのは、悲しいし断腸の思いですけど、相葉くんが可愛けりゃ問題なし!
だって、そこまでの変化じゃないみたいですもんね!
あ~、でも、やっぱ、御前様に会いたいなあ。。。