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少しだけ優しさの削れた表情を浮かべたアルファ。
思わずタツヤは息をのむ。
ただ動けずに立ちつくす。
櫻井がゆっくり立ち上がる。
「……タツヤ。俺には知っての通り、もう……番がいる」
空気が固まる。
身体の自由がきかない。
「は……? 今さらそれを言うかよ」
そんな自分を誤魔化そうと、わざと邪険に言ってみる。
タツヤは笑おうとするが、うまくいかない。
怒りでも驚きでもなく、まるで胸の奥に空風が吹き抜けるような、よく分からない感覚に眉を寄せる。
「ふ……ん。だから、俺の挑発に乗らねえってわけ?」
櫻井はただ静かに首を横に振る。
タツヤは顔しかめて、櫻井を見つめるしかない。
その目の奥に、かすかな傷が滲む。
櫻井はそっと続ける。
「だからって、おまえを拒むんじゃない。おまえに、……誰かと同じ孤独を背負わせたくないだけだ」
タツヤの手が震える。
「……そんな優しさ、いらねえよ」
声は強がっているのに、響きはどこか弱い。
噛みしめた奥歯の音が聞こえるほど、タツヤは唇を強く結ぶ。
「だったら……。だったら、なんで俺を誘うような、試すようなことを言った?」
「誘ったつもりも試すつもりもないよ。ただ、おまえの“選びたい”って言葉が本気かどうか、知りたかった」
櫻井は穏やかなまなざしを向ける。
「番に頼らず生きるって言葉……それ、本当の意味で、他の誰にも今まで言えなかったんだろう?」
その問いかけに、タツヤの肩がわずかに震える。
けれど、泣きはしない。
ただ、目を伏せて拳を握るだけ。
櫻井には十分泣き顔に見えてしまう。そっと側に寄ると、そっとハンカチを差し出す。
「落ち着くまで、ここにいればいい。俺になんかに固執しないでいいからさ」
タツヤはその手を払いのける。差し出されたハンカチが床に落ちた。
顔を上げ、眼差しに力を込めた。
「俺は番なんていらねえ!いらねえんだよ!」
「……わかった。でも、今のおまえを一人にはしない」
その言葉の意味を理解する前に、櫻井ははっとするような優しい笑顔浮かべて見せる。
「俺の番は、彼は、おまえとは違うタイプだよ。だけど、不思議と似てる。限界まで強がって、誰にも頼らないところがね」
「……は?惚気かよ」
「だから放っておけないんだ、おまえも」
その嘘のない声音に、不意に達也の強がりや自信が脆くも崩れて行くのだった。
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2、2月も終わっちゃいますねえ!
いよいよ、いよいよ、3月です!
ど、どうしよう?どうしたらいい?
未だに、気持ちが取っ散らかっています。
そう言えば、明日、Sho radio ゲスト相葉くんですよね!
生ですよ!生!!
ふわあ~、これまた心が落ち着かないよう!!