卒業式のシーズンですね

 

新しい世界に行きたいと思うと、

別れなければならないこともある。

それはちょっと切ない事。

 

出会いを大事にするべきか、

別れを大事にするべきか

私にとって、大事にすべきなのは

別れだ。

出会いはいつも素敵で、

そして楽しい。

でも別れは、

大なり小なり、いつも寂しく

ときにはすごく悲しい。

だから別れの方を大事にせざるおえない。

 

全然関係ないけど、

だいぶ昔の話。

 

結婚したての頃、私は父方の祖母に会いに行った。

祖母は東京からはすごく遠いところ、広島の田舎に住んでいた。

そこへ旦那さんと二人で、結婚の報告をするために訪ねていった。

 

ひさしぶりにあう祖母は、もともと痩せていた人だったけど、

さらにやせ細り、ホントに生きているのが不思議に思えるほどだった。

 

確か、その前に会ったのは、そこからさらに20年前の、

私が小学3年生の時で、

その時は、両親、姉と私の家族4人で夏休みに遊びに行ったのだった。

 

当時、祖母は、心臓が悪いからと、

家事一切をお嫁さんに任せて(叔父5人家族が同居)

一日を部屋の中で過ごし、

食事の時だけ部屋から出てくる、

というような生活だった。

 

私はというと、

従妹のお兄ちゃんやお姉ちゃんと遊ぶのが忙しかった。

だから祖母との間に、ほとんど会話はなかった。

 

そして、帰る前の日だったかに、

一緒に写真を撮った時の事。

 

祖母は、もうこれで私達と会うのは最後になるだろうから、

紋付の羽織を着ると言い、

父は、「お母さん、何を言ってるの」と苦笑していた。

 

そこから20年、私は学校に通い、仕事をし、恋愛をし、結婚したが、

おなじ20年を、祖母はひたすらに、

部屋の中で生きていたわけだ。

ちょっと面白い。

 

でも、お嫁さんだった叔母は大変だったろうなと思う。

 

痩せて生きる化石のような祖母を見て、私は、

「いや、人間というのは、すごい生命力だな」と思い、

 

祖母が夕食時に、必ず赤ワイン赤ワイン

小さなグラスで1杯飲むのをみて

「あれが長寿の秘訣に違いない」と考えたりした。

 

その頃は、まだわかってなかったけどね。

ポリフェノール恐るべし

 

赤ワインのグラス

 

 

2度目の別れの日。

 

旦那さんと私は、叔父夫婦と祖母に別れを告げて、

従妹のお兄ちゃん(というか、すでにおじさんだったけど)に、

車で駅まで送ってもらった。

(駅までは1時間以上あったと思う。)

 

その車中、

今回は本当にこれで会うのが最後だろうなと思うと、

なぜか、涙があふれて仕方がなかった。

祖母と、ほとんど会話らしい会話もしたことがなかったのに。

 

なんだかわからないけど、

これが血のつながりというものかと、

涙をぬぐいながら考えていた。

 

ちなみに祖母は、

そこからもさらに何年か(多分5.6年くらいかな?)

生きてくれていた。

心臓が悪いから、いつ死んでもおかしくないと言ってたけど、

本当は、むしろ心臓が強かった?と思ったりして。

 

その間に、元気に歩いていた人との

永遠の別れがいくつもやってきた。

 

本当に人の生死というものは分からない。

 

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