Tokyo Dome City Hall ミュージカル『刀剣乱舞』 ~花影ゆれる砥水~ | ANNEX324

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都内在住30代。買いものや観劇の記録など

 

GWはミュージカル刀剣乱舞の新作公演、花影ゆれる砥水を見てきました。

 

 

ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズは、名だたる刀剣が戦士の姿になった刀剣男士を収集・育成・強化し、歴史改変を目論む敵を討伐するPCブラウザ・スマホアプリゲーム『刀剣乱舞ONLINE』(DMM GAMES/Nitroplus)が原案。ミュージカル本公演10作目となるミュージカル『刀剣乱舞』 ~花影ゆれる砥水~では、初登場となる刀剣男士が新たに5振り加わり、鬼丸国綱、一期一振、大般若長光、小竜景光、へし切長谷部、山姥切長義の6振りが出陣する。

 

 

前回怪我で途中から演出を変えての出演になった、長田光平さん演じる小竜景光のみが再登板で、他は新顔5振り。

刀ミュやそれ以前に舞台キャリアの長さでいえば前回の江水散花雪の時と同じような構成に見えるけれど、あの時は刀ミュ歴の長い有澤さんの存在が大きかった。

長田さんが江水では思うように演じられなかった経緯を思えば、実質全振りフレッシュな顔ぶれですね。

 

今までは歴史上の事件に翻弄される人間の悲哀や、歴史は生き残った強者が作るものという現実を描いてきた印象の刀ミュでしたが、歴史上の人物キャストとして唐橋充さん演じる本阿弥光徳がいることから、今回は「刀」そのものあり方を中心に据え、優しい観賞後感のある作品でした。

 

劇中で秀吉が庶民に身をやつした「瓜畑遊び」という仮装大会のような催しが出てくるのですが、これが前回公演の江おんすていじと繋がりを感じさせたり、物語上の本物と偽物という対比に繋がってきたりと、脚本に仕込まれた対比の工夫も面白かったです。

 

ただ江水が「誤った歴史が行き着く先の残酷さ」、パライソが「正しい歴史を貫く残酷さ」をこちらの胸をえぐるような描き方でずばり見せてきたのと比べると、今回の出陣って何が軸だったのか、何をさせるための出陣だったのか…?と疑問に思ったりはしました。

やりたいことはなんとなくわかるのですが、劇場を出たときに「すごいものを見た…!」というう重量級の感想はないというか。

 

キャストについて。

へし切長谷部を演じた木原瑠生さんは刀ミュ版にふさわしく歌唱力が高い!

水江建太さんの山姥切長義はステ版と比べると高慢さやクセ少な目でさらっと品の良い印象ですが、殺陣で時々足が出る荒々しさが良きです。

鬼丸国綱を演じる林光哲さんはビジュアル再現度100点。台詞が少ないから印象に残るシーンがなかったけれど、貫禄もあるしミュにいる天下五剣(三日月、大典太)と並んで全然遜色ないと思う。

一期一振を演じる國島直希さんはまだまだ伸びしろがありそうかな…個人的に私がステの本田礼生さんのファンかつ彼は演技・ダンス・殺陣のレベルがとにかく高いので、今回も礼生くんだったらどう演じたかな、とは正直思ってしまいました(ごめんなさい)

大般若長光役の京典さんは最年少なのにあのいい加減おじさんみたいなキャラの再現性が凄い!去年のロミジュリで上手い子がいるとは聞いていたのですが、役作りとお芝居のセンスは今回一番おおっと思いました。

2回目の出陣になる長田公平さんはお芝居すごくしっかりしてきて、役解釈への自信みたいなものが余裕になって表れてる印象で感慨深かったです。

 

東京凱旋もチケットとってるので、地方公演を経てキャスト皆がどう進化してくるか楽しみです。