国立西洋美術館『ルーベンス展-バロックの誕生』と旧岩崎邸庭園 | ANNEX324

ANNEX324

都内在住30代。買いものや観劇の記録など

 

先日、中野京子先生のルーベンスに関する講演をきいてきたこともあって、西洋美術館のルーベンス展に行ってきました。

さほど展示点数は多くない?という気がしましたが、ルーベンスが人体を描く時に参考にしたギリシャ彫刻や、そのスケッチ等と比較しやすいように構成されていて興味深かったです。

オーディオガイド借りましたが、絵の説明書きが割と充実してたような気もします。

 

 

中野先生も触れていた「パエトンの墜落」。

イタリア修行で身に着けた馬を描く技術を使いたかったのでは、とのことでした。

とてもドラマチックで、色の深みや濃淡がとても華やかでいかにもバロック絵画。

 

 

ロマンチックで素敵だなと思ったのがローマ建国神話を描いた、「マルスとレア・シュウェリア」。

男性の筋骨隆々とした肉体、女性の柔らかさ、擬人像を駆使しているところがとてもルーベンスらしくて素敵な絵です。

擬人像といえば、中野先生が「日本人は『美』や『自由』なんかの抽象名詞(民衆を率いる自由の女神とかもそうです)が人として絵の中に出てくるのを解釈するのが苦手」とぼやいてらっしゃいました。

 

女性のヌードを描く口実として人気の題材だった「スザンナと長老たち」、娘が牢獄の父親に母乳を与える「ローマの慈愛」をルーベンスが描いたものもあるんですけど、これはあんまり見ていて気持ちのいいものではないですね。特に後者は周りで見てる方も割とドン引きな感じでした。

 

 

来日してないルーベンスの絵では、「すいかずらの下のルーベンス夫妻」(夫婦の自画像は珍しいのだそう。ルーベンス夫妻の仲の良さと豊かな生活ぶりがよく出てます)、ブルボン家から依頼された17枚の大作、「マリー・ド・メディシスのマルセイユ到着」もいつか本物を見たいなと思います。

 

マリーの絵は、平凡な女を劇的に描くためにものすごい工夫をしている、と中野先生が講演の中でマリーdisしてたのがちょっと面白かった。笑

 

 

 

美術展の後は、少し時間があったので旧岩崎邸庭園まで足を伸ばしました。

ジョサイア・コンドル設計の重要文化財です。

 

木の彫りものが美しい柱に、

 

 

イスラム様式も取り入れ、東洋~西洋をつないだデザイン、

 

可愛いベランダのタイル、

 

 

復刻されたもので当時そのままではないですが、

金唐革紙の壁紙が美しい。ランプも素敵!