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「人は分かり合えない」
私は基本的に、
そう考えています。
ただ、分かり合えないからこそ
相手を受けとめ
理解しようとするのが
人間の社会だ
と
私は信じています。
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今回ご紹介する絵本は、こちら。
『戦争をやめた人たち -1914年のクリスマス休戦-』
鈴木まもる
あすなろ書房
第一次世界大戦中
イギリス軍とドイツ軍が
敵対している最前線で
ある日の夜、
歌声が聞こえてきました。
それは、ドイツ軍の
塹壕（ざんごう）から流れてきた
「きよしこの夜」でした…
1914年の12月24日、
クリスマス・イブの夜に
戦場で生まれた実話が
元になっています。
ドイツ語の歌と
英語の歌では
ことばは分かりませんが
讃美歌のメロディーは同じ。
ドイツ軍とイギリス軍は
それぞれの塹壕の中で
お互いに拍手をし合いながら
何曲も讃美歌を歌いました。
次の日
ドイツ軍の兵士が一人、
塹壕を出て、両手を上げて
２つの軍を隔てる鉄条網のほうに
歩いてきました。
その姿を見て
イギリス軍からも、若い兵士が
武器も何も持たずに出ていき
鉄条網のところで出会った2人は
がっちりと握手をするのです。
敵として
戦っていた兵士たちが
一緒にクリスマスを祝う
そんな、おとぎ話のようなことが
実際にあった
それは
1か所だけではなかった
この事実は
とても大切なことを
今の私たちに
伝えてくれていると思います。
戦争をはじめるのは、人間。
そして
戦争をやめるのもまた、
人間なのです。
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