「絵本の絵は”読む”もの」
「言葉にならない絵はない」

そうおっしゃったのは

絵本出版の礎を築いたとも言われている
編集者・児童文学者の
松居直(まついただし)さん。


確かに、絵本を見ていると

ことばと絵が共に
雄弁に語っている

そう感じることが
少なくありません。


そして

それぞれの読み手の違いや

同じ人でも
読むタイミングによる違いによって

絵から読み取れることばたちは
変わってくるのです。



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今回ご紹介する絵本は、こちら。

楽園のむこうがわ
作/ノリタケ・ユキコ
文/椎名かおる
あすなろ書房




島に上陸した
2人の青年。

2人は、それぞれに
住みたい空間を
少しずつ作り始めます。

そして1年がたって…



すべて見開きで
左右のページが
対比されるように進んでいきます。



読み進めていくうちに

実は、左右とも
同じ場所をあらわしている、
ということに気づくのは

どのタイミングでしょう。



同じ季節の時間の経過が

同じ視点で

同じサイズで展開していくのですが

左右は、全く違います。


1年後の姿を見てから
また表紙に戻ったとき

何を感じるか。



ことばがとても端的で

説明的なものはほとんどありません。



それでも

変化や違いが
絵によって雄弁に語られている。

何度も何度も
すみずみまで
絵を読み込みたくなる作品です。



作者のノリタケ・ユキコさんは
フランス在住のイラストレーター。

この作品は
2020年に『Forêt des frères』の原題で
出版され
仏出版業界メディアlivreshebdo主催の
フランス語圏の書店員によって選ばれる
21年度Libr'à Nous賞(絵本部門)を
受賞しています。



この本を開いたあなたには
どんなことばが
浮かんでくるでしょうね。

 

 

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