ドルトムントが抱えるジレンマ ー補強か育成かー | セネカのブログ

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補強か育成か。
今、ドルトムントが抱えているジレンマだと思う。

ドルトムントは2005年の破産危機をきっかけにクラブは方針を
育成重視へと切り替えた。
無名の若手を獲得、あるいはセカンドから引き上げて育成。
その方針が実を結んだのが10/11シーズンだ。
そこから2連覇、そしてCLの決勝にまで駒を進めた。
大躍進した10/11から12/13で行った補強の中で、誰から見ても
「「大型」補強」といえるのはロイスぐらいではないだろうか。
後は移籍市場を騒然とさせるほどではなかった。
香川は極東の2部チームからやってきた無名の存在だったし、
レヴァンドフスキは今でこそブンデスの得点王を獲った欧州でも
屈指のFWだが、移籍当初は控えでしかなかった。

それで、ここまで成功を納めた。


しかし。
のらりくらりとやっていたバイエルンが大して大型補強をしないチームに2年連続でシャーレをかっさらわれてカチンと来たのか血相を
変えて大型補強をし、グアルディオラを招聘してまで文字通り
すべてを奪いにきた。

おかげさまで2連覇の後はずっとバイエルンの後塵を拝することに
なってしまった。去年も、今年もドイツ杯を逃した。

そういう状況から、1つの疑念が湧き出てきた。
リーグ戦では2位までは問題なくいける。CLもグループステージは
突破できる。
ただし、その先へ行けるかどうかは選手層次第なのではないか、
ということ。
つまり、「大型」補強をしているか、していないか。
もはや認めざるを得ないのだろうか。

しかるべき補強を。
ロイスがフロントに言ったそうだ。
「アンダードッグ」を卒業し、正々堂々と真正面からバイエルンと
タイトルを争い、CLで躍進するためには補強するほかないという
ことだろう。

確かに、バイエルンが大型補強を毎年行いタイトルを獲っていく
一方で、ドルトムントは超主力級の選手を毎年引き抜かれ、リーグ戦でもドイツ杯でも2位に甘んじることになった。
手塩にかけて育てて、これだけいい選手に育てば来季はタイトルも
十分狙える、と心を躍らせた矢先に引き抜かれる。また若手が
超主力レベルになるまで育てて、と毎シーズン振り出しに戻されるようにさえ感じてしまう。

だからといって、メガクラブのように大型補強をすればいいのか。


「うん」と首を縦に振れない自分がいる。


愛着を持っている選手が覚醒し、「アンダードッグ」が
金にものをいわして補強したチームを打ち砕くところを見るという
快感は、ドルトムントでしか味わえない。
10/11からの3シーズンを見たサポーターの多くはその快感に
酔いしれたことだろう。

また、獲得した選手がすぐに活躍しなければとっとと売り払い、
別の選手を獲得すればいいと思って見ているわけではない。
今くすぶっていても、いつか覚醒する時が来ると願って応援するのだ。
自然と選手には愛着が湧く。心から応援したいと思う。
そして別れは悲しい。
ああ、もちろんユダとイタリア製の“動けない”FWは別だ。

毎シーズン、必ずと言っていいほど誰かの覚醒ストーリーがある。
そういうクラブだ。
だからドルトムントは愛すべきクラブなのだ。
べらぼうに高い給料を貰い、口先ではクラブへの愛を語りながら
本心はタイトルが獲れて給料さえ良ければどこでもいいと思っている選手の寄せ集めではないのだ。
そう思っている。

ドルトムントがタイトルを獲るところを見たい。切に願っている。
だが、タイトルを獲るためには補強が必要で、そうすると長い目で
見て応援している選手がプレーするところを見れなくなる可能性
がある。それは悲しい。

この相反するような思いがサポーターの胸につっかえているような
気がする。

そして、クラブの経営方針としても、金を湯水のごとく使い大型補強をしまくるということはまずないだろう。一度は破産の危機に陥ったのだ。
若手の育成方針を確立させ優秀な選手を何人も生み出した。
その選手を引き抜くチームから高額の移籍金を受け取り、
補強と育成に活かすという「加工貿易」は成功している。
しかし、ここにきて「本気で優勝を狙う」ことを迫られている。

サポーターも、フロントも、補強か育成か、というジレンマに直面している。

16/17シーズンに向けてトゥヘルとフロントがどういう動きをするのかはまだ分からない。
フンメルスは去った。ムヒタリアンは、ギュンドアンは去るのか。
他の選手は。去った場合どうするのか。

ドルトムントがこのジレンマとどう向き合うのか、
ファンはただ見守ることしかできない。
いずれにせよ新体制2年目のドルトムントを応援するのみだ。