晏名アサミのdraftbox -8ページ目

晏名アサミのdraftbox

他ブログやコラムになる前の下書き置き場。
ライヴ、映画、音楽、美術など触れたものに関する感想、
ふと思いついたことなどを書きなぐる場所。


ゆえに文章整ってないのと、あまり他者意識しないつもり。
その日の気分で人称違ったり、矛盾でてくるけど気にしない。

香り、匂いと呼ばれるもの、
いわゆる嗅覚を刺激されるものは、

目や耳、皮膚などから感じるものと違って
大脳辺縁系とダイレクトにつながっている。



そのため、ある香りを嗅ぐと記憶がよみがえり、
その時自分が何を思っていたのかも同時に思い出すことが多い。



仕事でお客様の車に乗せていただいた。
乗った瞬間に漂ってくる車内の香り。

昔付き合っていた人の香りと同じだった。





香りは残酷だ。


一番好きな香りが

時には

一番大嫌いな香りになる。




最後のあの、雨の夜が明確に思い出される。




大脳辺縁系に直接つながっているせいか、香りはなかなか上書きできない。


彼が好きだった歌。彼が好きだった場所。彼が好きだった物。
それらはそこに行ったり、見たり、聴かなければシャットアウトできる。
だけど香りは、あっ、と思った瞬間にはもう思い出している。


とてもとても危険なものなのだ。




そんなわけで、朝から少しだけ機嫌が悪い。

低い雲。

鮮やかな水色と白とねずみ色

パレットにあるみたいに

混ざりあって、

様々な色が有る。



微かに耳鳴りがして

気圧が低いのだと知る。



幾重にも折り重なった

ミルフィユみたいな雲は

大地にキスするために

どんどん低くなっていた。
カフェが好きだ。

洒落た空間で洒落た感じで紅茶を飲むと、

なんだか自分のセンスがみるみる向上したみたいで、

そのかっこよさに酔えるから。




RPGの勇者が「竜の剣」みたいなめちゃめちゃハイグレードな武器や武具を

装備したみたいな。



アクション映画を見にいって、見終わって帰るときに

なんかすごいことを成し遂げたような。


そんな陶酔に似ている。




地元に戻ってきてもう6年ぐらい経つが、

戻った当初はあまりいい雰囲気のカフェがなくて、いい店さがしてさまよっていた。



私が好きなカフェは、カフェっぽい雰囲気を取り入れたところとか

料理やケーキが美味しくておしゃれなところよりも、

ソファの座り心地、テーブルの高さ、カップの柄、室内温度、照明、

全体的な席の配置…そういうのが心地よいところ。



場、というか空間ぜんぶを満喫できる場所が好き。

しかし、その光景には「相手」が居ない。

一人のときに、そういう空間に浸りきるのがよい。




他人を気にせず、

外向きの私という武装を全部解除して過ごせる空間。

それが私がカフェに求めているものかもしれない。