【雲取山②】良景色と良縁の待つ山へ。往路【10/28-30】 | 世界の道の曲がり角 The Bend in the Road around the World

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山と旅と写真の記録
2019.1.7~2020.3.11世界一周旅行 完
山を求めて長野県に移住。

10月29日(日)


8:00 登山口三峯神社

9:25 地蔵峠

11:25 白岩小屋(崩壊してる)

12:50 雲取山荘

13:30 雲取山頂上


雲取山荘泊。素泊まり6800円。



さて神社参拝も済ませていよいよ目的の登山へ。



神社は駐車場近くの本殿のほかに、奥宮が山道の先にある。往復1時間半程度。雲取山もそちら方向。奥宮には帰りに参拝しよう。



歩きやすい登山道。朝日が眩しい。静かで気温もちょうど良くて最高に気持ち良いが、やはり熊が怖い。熊鈴をチャリンチャリンならしながら歩く。



紅葉も見頃。どうも写真ではうまく撮れない。実物はもっと美しい。



サクサク登って地蔵峠。ここ、最高に気持ちの良い場所だった。ピクニックとかしたかった。



地蔵峠から少し行ったところで景色が開けた。

ほあああ!なんて美しいんだ!!

眼下には錦に色づく山肌と、遠くには深く広がる奥秩父の山並み。アルプスとは違って特段高い山はなく、とにかく広く遠くまで見通せる景色だ。他のどことも違う。これが奥秩父ってやつか〜。もっと色んな箇所を歩いてみたいものだ。



霧藻ヶ峰休憩所。小屋のおじさんが挽きたて珈琲を入れてくれる小屋だ。翌日月曜日には閉まっていたので休日のみ営業なのかも。



紅葉が紅葉で紅葉なのよ。



さてここで今回導入した登山新アイテム。
練乳。
先日山旅友Yが教えてくれた。
いちごにかける以外の使い道を知らなかったが、山ではどう使うのかといえば、

そのまま飲む。

激甘の練乳が膨大なエネルギーを使う登山ではちょうどいいのだ。ミルキーはママの味〜のミルキーを舐めているような感じ。噛むという無駄なエネルギーを使わなくてもいいのもポイント。ただしこれを口の中に垂らしている姿はあまり人には見られたくない。



途中で通り過ぎた白岩小屋。廃屋である。今年買った地図では避難小屋として記されているが、実際は半壊した状態であった。台所らしき場所にグラスが残されていたり、埃まみれの布団が積まれていたりとつい最近まで人がいたように見えるので、今年の台風か何かで打撃を受けたのかと思えば、今調べると使用されていたのは2005年ごろまでらしい。20年近くも前じゃないか。怖い。怖すぎる。その布団の隙間から足が見えたりしたらどうしようと思ってそそくさと先を急いだ。



雲取山荘はまだかと思い始めたころ、また建物が見える。



今度こそ雲取山荘だ。登山口から4時間半。お疲れ様でした。
時刻は13時前。宿泊受付は14時からと書いてあるので小屋前で一息ついてから頂上へ向かう。




いよいよ


30分ほど登って登頂。今度こそお疲れ様でしたー!
2017m。登山口の三峯神社は1102mなので標高差900mだが実際はいくつかの峠や峰を越えてくるので累計標高差は1000mは超えるかも。

ここまでずっと埼玉県だったが、埼玉、山梨、東京の3都県にまたがる雲取山の頂上は東京都に属するらしい。なんかずるいと思ってしまうのは私だけか。ちなみにここ雲取山が東京都の最高峰だ。



頂上からは関東平野が見渡せる。東京方面から来るならこちら側の鴨沢ルートの方がアクセスがいいし見晴らしもいいようだ。



頂上には避難小屋がある。とても立派で綺麗。見てないけど近くに簡易トイレもある。
ぶっちゃけここで夜を明かすことも考えたけど、流石に女ひとりで無人小屋泊はどうかと思ったので素直に30分下った雲取山荘に宿をとった。そもそも避難小屋は緊急時に使用する物であって計画的に使用してはならない。



登頂できたので一服。最高。


存分にゆっくりしてから山荘へ。広くて清潔。トイレや洗面台は外だが水洗だしどういうわけか沢沿いでもないのに水がじゃばじゃば流れ続けていて水に不自由しない。


部屋に入ると先に入っていた方々がこたつでくつろいでいらっしゃった。同室は全員ソロハイカーの女性6名。全員ソロと聞いてちょっとホッとする。一人で小屋泊はどうも輪に入って行きづらく苦手だ。だからソロの時はテント泊が多いけど、この時期はもう寒いかもと思って小屋泊とした。荷物が軽いだけで足取りも全然違う。


豆炭こたつに入りこんで各々お菓子やお酒を持ち寄って誰からともなくおしゃべりに花が咲く。どこから来たのか、今日はどのルートで来て明日はどこへ下るのか、他にどんな山へ登ったか。30代〜60代と年齢層は幅広くそれぞれ生活環境も違うし経歴も様々だが、登山が好きで一人でもここまで来ちゃうという共通点で全然隔たりなく話せる。これだから共通の趣味同士の会話は楽しい。


中でも「あなたの登山はどこから?」の話題が最高に楽しかった。順番に登山が好きになったきっかけを発表していくのだ。東京在住の人がほとんどだったのでやはり高尾山が始まりという人が多い。よくきくハイヒールでも行けるコースの他にも色んなマイナールートがあって趣深い山なのだそうだ。東京の山好きと話すには高尾山を知っておいた方がいいのでそのうち高尾山に行ってみようと思う。


ちなみに私の最初の登山は記憶にある限りでは富士山だ。学生時代に「日本人なら一度は富士山に登っとかないと」というありがちなノリで1泊2日の弾丸ツアーに参加し、無事登頂したものの今でも記憶に深く刻まれているツライ山行だった。その後の屋久島縄文杉ツアーで登山に覚醒し、気がついたら世界のトレイルを巡り、長野県に移り住むまでになっていた。人生分からないものだね。


部屋でぬくぬくと談笑していると小屋スタッフさんが呼びに来た。



促されるままに窓から外を見ると、これはまた見事な満月と東京の夜景。なんという贅沢だろう。写真じゃ全く伝わらないが。
よく分からんがスカイツリーが見えているらしい。



夕食タイム。節約のため当然のように自炊なのだが、自炊は私だけだった。雲取山荘では母屋のすぐ横に小さな自炊棟があり、なんと私一人のためにストーブをつけてくれた。ぬっくぬくである。てっきり半外みたいな場所だろうと思ってたっぷり防寒着を持ってきたけど不要だったな。
写真を撮り忘れたが今夜はアルファ白米にレトルトカレー。アルファ米は1袋は一食には少し多いので、半分だけ食べて残りは翌朝の朝食とする。

食事を終えて部屋に再集合。豆炭こたつがぬくぬくなので、正方形のこたつ2つそれぞれに三方向から足を突っ込む形で布団を敷き、20時半ごろ就寝。遠赤外線だかなんだか知らないが物凄く心地よい温かさ。幸せ。

続く