標高3000m級の山々はすっかり冬に移行して簡単には行けなくなってしまったが、ここからは2000m以下のちょうどよい山々の最盛期だ。紅葉登山第一弾は入笠山(にゅうかさやま)1955mへ。
10月26日(木)
9:55 沢入登山口駐車場(無料、トイレあり、水洗・ペーパーあり)
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11:10 山彦荘(トイレあり、少し行ったマナスル山荘前にもあり)
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11:45 入笠山頂上
13:05 出発
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13:30 大阿原湿原
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13:50 テイ沢
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14:45 入笠牧場
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15:20 山彦荘
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16:00 沢入登山口
紅葉が美しすぎてコースタイム長め。
各地でクマが出没している。登山者少なめで空いているのはいいけど代わりにクマさんとこんにちはしそうでビビる。熊鈴をチャリンチャリン鳴らして歩く。
それにしても紅葉がきれいなんですわ。
上見て横見て下見て忙しい。写真を撮る手も止まらない。
天気も最高に良い登山日和。出発が遅れたけど急ぐ行程じゃないので存分に楽しむ。ついゴールにたどり着く事を急いでしまいがちなのでこうやって道中をゆっくり楽しむのはなんだか新鮮。
紅葉ってこんなにきれいやっけ…。ちょっと忘れてたわ。
朝は布団が気持ち良すぎてこのまま家でだらだらしていたいという誘惑と戦っていて出遅れたのだが、えいやっと出てきてやっぱりよかった。短い紅葉シーズンの晴れた休日に家に引きこもっているわけにはいかない。いや、私は登山好きの一方でインドア人間でもあるので晴れた休日に家で過ごす醍醐味も知っているのだが、今日はやっぱり出てくるのが正解だった。
登山者数名と会うぐらいで静かな山道だったが、遠くで「ヤッホー!」と叫ぶお子様の声がする。楽しそうだね。あまりに何度も「ヤッホー!」言っているのでつい返事をしたくなる。なんだか賑やかだし熊鈴はもうしまっとくか。
開けた入笠湿原に出た。ん、
「ヤッホー!」のお子様が列をなして歩いている。
遠足小学生の列だった。これには山のクマさんもびっくり、平日休みの社会人もびっくり。
遠足でこんないい山に登れるなんて羨ましい。
小休止した小学生の隊列を追い越し、先へ進む。どういう組み分けか分からないが上からも小学生の小隊が下ってきて次々に挨拶をしてくれる。いい子たちじゃないか。
いよいよ頂上へ。
登頂。お疲れ様でした!
登山口の標高は1450mだそうなので標高差500mほど。
入笠山頂上は360度の眺望が楽しめる。東には八ヶ岳連峰。八ヶ岳のこのすぅーっと伸びた美しい裾野がたまらなく良くていつも惚れ惚れと眺めてしまう。登っても眺めてもよき山だ。
南には南アルプスの険しい山容。かっちょいい。その手前は黄色く色づいた木々。
北には諏訪湖と、5月に登った守屋山。守屋山も1631mとちょうど良い山で、頂上からの長めも360度抜群なのでおすすめだ。
その奥の北アルプスはあいにく雲で霞んでいた。
さっきの小学生隊列も登頂してお弁当タイムが始まった。私も昼食としよう。本日はインスタントラーメン。日が出ると暖かいが少しだけ風があって陰ると寒い。
ラーメンが出来上がるのを待っていると「お隣いいですか」とご婦人が話しかけてきてくれてご一緒した。神奈川県川崎市から日帰りで来られたそうだ。なんとなく近隣の人が登る山だと思っていたのでびっくり。これまで登ってよかった山とか、おすすめの山、おすすめじゃない山などの話に花が咲く。ご婦人は尾瀬で登山にハマったのだそうだ。いいな尾瀬。憧れの尾瀬。おすすめルートを教えてもらったので近年中に行こう。
またどこかの山で会えるといいですねと言ってお別れ。思いがけず楽しいランチタイムとなった。
大阿原湿原へ向かう。頂上と打って変わって誰もおらずうっかりクマさんが熊笹の茂みから顔を覗かせそうで、また熊鈴をチャリンチャリン鳴らす。風で笹がガサガサと鳴るだけでビビる。
無人の大阿原湿原に出た。おお〜!色づいた草とキラキラ輝くせせらぎが美しや!
木道を進む。ここは別の駐車場から車いすでも行けると書いてあった。
湿原に沿って進む。静かだしなんだか日本じゃないみたいな景色。
湿原からテイ沢沿いに進む。
おおーっと、道が笹に覆われてしまっているではないか!一瞬先へ進むか迷ったが…突き進む!足元の道を見失わないようガサガサと笹をかき分ける。
いやしかしこれはやばい。クマ出る。これは完全に出るやつ。熊鈴じゃ気づいてもらえないかもということでスマホで音楽を最大音量で流す。
木漏れ日が美しい川のせせらぎ。小鳥が水浴びをしている。でもこのマイナスイオン溢れる癒し写真撮ってるスマホから最高にジャカジャカした音楽が大音量で流れてるという状況。人は他に誰もいないから許して。
本当に誰にも会わないしよくあるピンクテープの道標もないし、この道で合っているのか不安。まあ間違っていたら沢沿いに戻ればいいわけだしと進む。途中で丸太橋とか人工的なものや足跡をがあると安心する。
ついに車道に出た。
道合ってた〜。
やれやれ。
入笠牧場。歩行者は柵を乗り越えて進んでいいらしい。放牧されていると書いてあったが牛さんおらず。
やがて舗装路を黙々と歩く。疲れたな。でも横を見れば絶景。なんだかネパールのアンナプルナトレッキングでも絶景の中黙々と歩いたのを思い出した。
そろそろトイレに行きたくてしょうがなくなってきた頃、入笠山頂への登り口に戻ってきて公衆トイレに入れた。
小学生隊列に遭遇した入笠湿原。ほとんど誰もいない。夕日を受けて紅葉がさらに輝いている。