初めての精油(加筆あり) | 男のアロマテラピー道〜Taka’s House

男のアロマテラピー道〜Taka’s House

私は男でありながらアロマテラピーを嗜んでおります。
アロマサロンと、香水や石けんなどのアロマクラフト作りの工房などをやっております。
男のアロマテラピー道を楽しくご紹介していきます。

【加筆


この記事でご紹介している精油は2019年3月現在のものです。

地球の環境変化、中国人の爆買い、そして新型コロナの世界的流行により、2023年1月現在の精油の状況は当時とは大きく異なります。

こちらに掲載した精油は、それぞれのメーカー毎に、現在の状況をよくご確認の上お求め下さるようにお願いいたします。】



すっかり春らしくなりましたね。

東京では桜の開花も早そうです。

さて、今日は精油のお話をしたいと思います。
その前に、
公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)では5月12日(日)アロマテラピー検定が行われます。
その申込受付の宣伝をするつもりでしたが、3月14日で締め切ってしまいましたΣ(゚д゚lll)
毎年5月と11月に行われますので、アロマテラピーに興味のある方は是非挑戦してみて下さいね。

それで、
アロマを始めたいという方に、お薦めの精油メーカーをよく聞かれるのですが、私はやはり、ご自分がいいな〜と思うメーカーさんの精油を使うのが1番だと思いますので、最初はショップで色々香りを試してみるのが良いと思います。
とは言え、
アロマ専門店は、なかなかお近くに無い場合が多いと思いますので、そう簡単ではありませんね。

一番買いやすいといったら、やはり『無印良品』かな〜。日本各地にお店がありますしね。
無印良品の精油は、売り方やお値段から大衆精油というイメージですが、品質は良いと思いますよ。無印良品の精油をプラナロムの瓶に入れたら、皆さんプラナロムだと思うんじゃないですかね?
最近は取り扱っているシングル精油も増えましたね。アロマ検定の香りテストの勉強にも対応出来そうです。あ、カモミール・ローマンが無いか〜
でもカモミール・ローマン、多分出ないと思いますよ。
ブレンド精油も、昔はホーウッドばかり入っていて、う〜〜ん…というレベルでしたが、今は良さそうな物もあります。使った事はありませんが、ローズブレンドなんか良いかも。ベルガモット、クラリセージ、ゼラニウム、ローズ Abs、パチュリと、ちゃんと揮発のバランスも考えていますし、アルコールで希釈したらなかなかのコロンになるかも知れません。
アロマの勉強を進めていく内に、多分無印良品の精油では物足りなくなってくると思います。
アロマ専門店ではないので、アロマの材料や用品も十分に揃わないというのもありますし。
そうしたら、今まで使っていた精油の香りを基準として、専門メーカーの精油を試してみるのも良いと思います。

私の初めての精油は『生活の木』でした。
これは家のすぐ近くに生活の木のショップがあったからです。
スタッフさんも大変親切な方で、色々アドバイスもしていただきました。
そして、私の精油の「立ち嗅ぎ」も黙ってニコニコ見ていて下さいました。
それで、私は帰りがけに生活の木に寄っては精油の立ち嗅ぎをしていたので、当時の生活の木の殆どの精油の香りを体で覚えてしまったのです。
なので、以降の精油選びは、当時の生活の木の精油の香りが私の基準となりました。
恩のある生活の木さんには大変申し訳ないのですが、良いと思う精油は違うメーカーに変えましたし、変わらない物は大体が生活の木の精油の方が安いので、敢えて高い方にする必要はありません。精油の価格については、また後程申し上げたいと思います。

私は現在は、5カ国の5社のメーカーの精油をメインに使っております。
後は、国産のご当地精油と、香水作りの時は特別な精油も使用しております。

私の精油選びの基本は勿論"香り"です。
メーカーさんや販売会社さんのサイトでは、色々なセールストークも載っておりますが、それに心が動かされる事は私はありません。それを全部真に受けていたら、世界最高の精油は『ドテラ社』の精油という事になってしまいます。
オーガニックであるかという事は重要ですが、様々な認証は、民間機関又はメーカー創業者個人が作った物ですし、またメディカルグレードとか食品添加物グレードという言葉も良く使われますが、それは造語であって、その様な言葉はありません。それに、本物の精油であれば、それは当たり前の事ですので、わざわざグレード付けする必要も無いと思います。

それでは、私が現在主に使用している精油をご紹介したいと思いますので、少しでも精油選びの参考になれば幸いです。
同じメーカーの精油をお使いの方が、気を悪くする様な少々辛口な表現もあるかも知れませんが、私も気に入っているメーカーの精油の、あくまでも自分が使った感想ですので、何卒ご容赦頂きたいと存じます。また、遅ればせながら、メーカーさんや販売会社さんの敬称は略させて頂きます。


メイン精油

生活の木(日本代表)


生活の木との出会いは先程申し上げた通り、家の近くにショップがあったからですが、日本全国に直営店又はハーブギャラリーがあり、イオンなどでも精油を販売しておりますので、日本のアロマ専門店では一番購入しやすいメーカーだと思います。
精油の種類も100種類以上で、特徴的なのは花精油が多い事です。
ローズやジャスミンのアブソリュートは勿論、カーネーション、ロータス、チュベローズ、バイオレットリーフなど、香水でも使える花精油が豊富です。
アロマクラフトの材料や道具も揃うので、アロマを始めるには良いメーカーだと思います。
精油の品質も良いし、お値段も手頃です。
3mlの容量が主力商品ですので、購入しやすいですね。
ただ、ブルガリア産のローズは、オットーもアブソリュートも大変高くなりました。値上がりの理由は後で申しますが、今までの倍近いお値段で、プラナロムのローズオットーより高いです。ならばと、これを機会に、ローズオットーは生活の木からプラナロムに変える方も増えるかも知れません。
精油の品質は、サロンでも使えるレベルだと思いますが、やはり無印良品同様に大衆精油的なイメージがありますので、品質以外の面でサロンでは使いづらいかな〜?まあ私は、良いと思う精油はサロンでも使ってますけどね。
成分分析表も付いております。あ、今は添付ではなくて、ネットで閲覧する様に変更になりました。調べる手間は増えましたが、ロット毎の成分分析表が見れますので、これはこれで楽しいです。
成分分析表は簡単な物で、メディカルアロマをされている方には使えるレベルではありませんが、香りの傾向を見る分にはこれで十分だと思います。
成分分析表の話をしましたが、
ロット毎の成分の変化が割と大きいメーカーかな?とも思います。ですので、当然ロット毎の香りの揺らぎも大きいので、ちょっと今回の精油は使えないな〜という場合もあります。
極端な例ですが、一例としてローズマリーのお話をします。
生活の木では、以前はローズマリー・カンファーの取り扱いは無く、シネオールとベルベノンのみでした。
元々カンファータイプは殆ど使う用途のない精油で、私は個人的には筋肉痛緩和の為のオイルで使っておりますが、サロンでは使いません。香りもカンファー独特の重さがありますし、カンファーの神経毒性を嫌うセラピストさんも多いのではないかと思います。
ですが、あの『みんなの家庭の医学』の「認知症とアロマテラピー」で、ローズマリー・カンファーが脚光を浴びてから、ローズマリー事情がすっかり変わってしまったのです。
生活の木でも、急にカンファータイプの取り扱いを始めました。勿論これはビジネスとしても、顧客の需要に応えるためにも当然の事なのですが、同時にシネオールタイプやベルベノンタイプの品質も急に変わってしまったのです。
それまでの生活の木のローズマリーは、シネオールはカンファーが10%未満で、ユーカリに似たスッキリとした香りで、ベルベノンはカンファーが5%前後で、ハーブというより樹木系の様なピュアな香りで、私はとても好きだったのですが、「認知症とアロマテラピー」直後に仕入れた物は、シネオールはカンファーが15%以上、ベルベノンはカンファーが17%以上と、カンファー臭が鼻に付いてしまって、とても使える物ではありません。
勿論、カンファー自体がダメだという事ではなくて、ローズマリーにはそれぞれタイプ別の特徴があるわけですからね。
私は、今はサロン専用のホールセールクラブを使って仕入れておりますので、購入前に試香する事は出来ません。仕入れる前にネットで公開されている成分分析表は見ましたが、それは今まで通りの成分でした。勿論それはサンプルであって、販売中のロットの物では無い事は承知の上ですが、ここまで成分が激変するとは考えられないですからね。
恩義がある生活の木ですが、私この時はかなりカチン💢ときました。精油は農産物ですので、生育環境によって当然成分は変わります。ですので、ロットが違えば成分も違うのは勿論理解しておりますが、私は生活の木が意図的にカンファーの含有量が多いローズマリーを仕入れたのではないか?という疑念を持ったのです。
「認知症とアロマテラピー」で推奨されたのは、あくまでもローズマリー・カンファーですが、シネオールもベルベノンも、当時であればカンファーが多い方が売りやすいですからね。でも、それをされたらアロマに携わっている者としてはたまったものではありません。
で、私
生活の木にその事を問い合わせしました。まあ、返答は予想通り『精油は農産物ですので云々』という物でしたので、『公開している成分分析表とあまりにも違い過ぎるのはちょっと酷いのではないか?』とご意見申し上げたところ、『今後はなるべく最新に近い物を掲載する様にいたします』との回答を頂戴しました。
私がご意見申し上げたからかどうかは分かりませんが、以後はサンプルで掲載されている成分分析表が頻繁に更新される様になりました。勿論、今販売しているロットの物の掲載は不可能だと思いますので、あまり意味はないのですが、でも精油に携わるメーカーとして、こういう姿勢は大変好感が持てますね。
やはり、生活の木は素敵なメーカーだなと思います。
他のメーカーの方とも話をしましたが、やはり地球環境の変化やローズマリーの生産量の減少も、成分の変化に影響がある様です。なので、何も生活の木だけではなく、今は他のメーカーのローズマリーのカンファーの含有量も多くなってきております。ですので、良いローズマリーを仕入れるのに、今は大変苦労しております。
生活の木は大変信頼出来るメーカーですが、生活の木に限らず、同じメーカーの精油を使い続ける難しさというのもありますね。


ニールズヤードレメディーズ(英国代表)


こちらは、ホリスティックアロマの本場と言われる英国のメーカーです。
出会いは、とあるアロマフェアでした。
香りの確かさと安定感があります。
直営店も北海道から九州までありますし、東急ハンズやLOHACOでも一部取り扱っておりますので、結構お目にする機会もあるかと思います。
お値段も生活の木よりは高いですが、割とお手頃な価格です。
青い遮光瓶も素敵ですね。
よく…
メディカルで使う精油は品質が高くて、ホリスティックで使う精油は品質が悪いという声を聞きますが、それは有り得ない事です。
私自身は、ホリスティックとかメディカルという区別はしておりませんが、アロマに携わる者であれば、高品質の精油を求めるのは当然の事で、ホリスティックもメディカルも関係ありません。
プロフェッショナルになっても十分使える精油ですので、初心者の方にもお薦めのメーカーですが、ちょっと取り扱い精油の種類が少ないかな〜と思います。なので、アロマをより深く勉強していく内に、違うメーカーにも目がいってしまうかな?とは感じます。


プラナロム(ベルギー代表)


こちらのメーカーとの出会いは、あまりにも評判が良いので、オンラインショップで購入したのが始まりです。
一部のイオンなどでも販売している様ですが、私は見た事はありません。都内のイオンにもある様ですけどね。
あとはアロマスクールなどでの販売になりますので、普通にショップで試香してという購入方法は難しいかも知れません。
ですので、初心者の方にはちょっと敷居が高いメーカーだと思います。
お値段も高いとは言われてますが、まあ標準的ではないですかね。ローズオットーなんかは、生活の木が値上がりしましたので、私が使っているメーカーの中では一番安いと思います。
こちらは、メディカルアロマではシンボル的なメーカーとなっておりますが、確かに良い精油だと思います。
日本に輸入時の成分分析もしておりますし、高品質の精油を提供しようとする販売会社の姿勢も評価出来ますね。
ただ私、
こちらの精油は、プラナロムというよりケンソーの精油というイメージを持っています。ケンソーとは日本における販売代理店の健草医学舎のことですが、ですのでベルギーやフランスのメディカル専門のメーカーというより、日本のメーカーと言う雰囲気を感じます。
日本では人気も評価も高いけど、フランスではどうなのかと思います。
頑張っているのはプラナロムではなくて、健草医学舎の様な気がしますね。
フランスはメディカルアロマの本場と言われますが、実際はアロマはそれ程普及はしていない様です。フランスだけではなく、ヨーロッパはアロマよりもハーブやホメオパシーの方が人気が高い様ですね。
実際、フランスではプラナロム精油は日本の半額以下で買える様ですし、日本輸入時に残留農薬があったり、また香りが似ている違う精油だったりという事であれば、それ程高品質とは思えません。なので本当にフランスではその様な精油を治療に使っているとしたら、フランスの医学のレベルを疑問視せざるを得ません。
まあこれは、私が直に確かめたわけではないので、もしフランスへ行く機会があれば、フランスのアロマ事情を是非確かめてみたいと思います。
あと、健草医学舎への注文ですが、
生活の木とは比較にならない位詳細な成分分析表を添付してあるのですから、ネットで公開している成分分析表のサンプルも是非更新して欲しいですね。
掲載されているのは、殆どが使用期限ギリギリか、もう既に使用期限を過ぎている物もあります。
アロマに携わっている者であれば、それが現在販売しているロットの物ではないという事は分かりますが、初心者の方でしたら、こんなに古い精油を売っているの⁉️と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
まあ実際、5年以上前の成分分析表で、産地も変更になっている物もあったら、アロマに携わっている者でも、参考にもなりませんけどね。
折角、綿密な成分分析を売りにしている精油なのに勿体ないと思いますね。
精油を取り扱う企業としてのセンスを疑ってしまいます。
それと、精油の産地が安定していないのかな?とも感じます。今回仕入れたティートゥリーはジンバブエ産でした。別にジンバブエがどうだというわけではありませんが、ジンバブエってどこよ⁉️ってなりますよね。健草医学舎のサイトにも掲載されていない産地でした。調べたら、南アフリカやザンビアとは隣接している国なので、似た様な環境で生育されたのだろうとは思いますけどね。
産地の急な変更はどこのメーカーでもあり得る事ですし、不作の年もあるでしょうから、必ずしもオーストラリアのティートゥリーやブルガリアのローズだけが上質とは言えませんが、産地は安定していてくれた方が私は好きです。
プラナロム精油、香りはとても良いと思いますので、今後も使わせて頂くつもりですが、何かちょっと最近は…という感もあります。


パナセアファルマ(フランス代表)


メーカー自体はモーリシャスにございますが、創業者がフランス人で、フランスにて精油の検査も行っているとの事で、フランス代表とさせて頂きました。
フランスには他にも、フロリハナやフィトサンアロームといった、私が以前使っていたメーカーがあります。
フロリハナはまた使うかも知れませんが、最近はちょっと勢いが…という感があります。
フィトサンアロームもとても良い精油だと思いますが、いかんせん欠品中の精油が多いので、それで使うのをやめました。
こちらのパナセアファルマとの出会いは、ローズマリーです。
生活の木のローズマリーが使えなくなったので、カンファーの少ないローズマリーを探したところ、このパナセアファルマを見つけました。
こちらは、完全にメディカル向けの精油です。
成分分析表は、ネットでロット番号を入力して閲覧する事が出来ます。プラナロムより更に詳細で、精油によって異なりますが、成分の解析率は99%を超え、100種類以上のほんの微量成分まで分析しております。フランス語表記なので見づらいですが、アロマに携わっている方であれば、成分はわかると思います。
こちらは多分、日本ではショップでは買えないと思います。取り扱い精油も30種類程度と少なく、アブソリュートもありません。お値段もプラナロムより高いです。
パナセアファルマは、アロマの初心者向けではありません。初心者の方でしたら、フランスの精油では、品質が良くてお値段も手頃なフロリハナの方をお薦めします。
こちらのメーカーには、特に不満もございません。香りの安定感もあるし、品質の良さを感じます。ただプラナロムと違って、日本に輸入後の成分分析はしておりません。あと、しいて上げればお値段が高い事と、取り扱い精油の種類が少ない事ですね。 


プリマヴェーラ(ドイツ代表)


こちらのメーカーとの出会いは、以前『ルールブルー』を作った時でした。
アイリス精油を探していたところ、何と濃度95%のアイリスがあったのです。そのメーカーがこちらのプリマヴェーラでした。
プリマヴェーラは、案外と珍しい精油もあるのですよね。植物のムスクと言われるアンブレットシード精油もございます。これは香水作りには嬉しいですね。
アロマは、イギリス式アロマとフランス式アロマに分かれる様に言われますが、その様な分け方をするのであれば、ドイツ式アロマというのもあります。
プリマヴェーラはドイツのメーカーですが、私はもしかしたら、ドイツの精油が一番品質が良いのではないかとも思っております。それは、ドイツでは精油を公に治療としても使えるからです。
ドイツには、ハイルプラクティカー(女性はハイルプラクティカリン)という国家資格があります。
これは日本語で言うと、直訳ではありませんが、“自然療法士”というニュアンスになりますかね。国家資格ですから、この資格を取れば、医師でなくても開業して、ある程度の診療をする事が出来ます。例えば血液検査や尿検査などをして病気を診断して、その治療もする事が出来ます。ただ、レントゲン検査は駄目、感染症も扱えないという事ですので、いわゆる難病と言われる患者さんへの対応は難しいかも知れません。
この資格制度が創設されたのは、ナチス・ドイツの時代です。
ナチス・ドイツの時代と言うと、戦争の為とかホロコーストに使う為とか想像してしまいますが、単に当時のナチスの幹部達が、こういう自然療法的な事が好きだったというだけの様です。多分、主にホメオパシーだったと思いますけどね。
ですが、ユダヤ人強制収容所において、何らかの人体実験は行われた様ですので、そういう歴史は心に刻んでおく必要があると思います。
ハイルプラクティカーは、先程申し上げた様に、ある程度の病気の診断と治療が出来ますが、医師ではありませんので、西洋医学的な治療は出来ません。処方箋を発行して、薬を使用させる事も出来ない様です。
出来る治療とは、いわゆる“自然療法”で、アロマテラピー、アーユルヴェーダ、ハーブ療法、ヨガ、ホメオパシーなどです。
アロマは治療の主流ではない様ですが、しかし治療に使う精油ですので、勿論それは本物で高品質の物だと想像出来ますね。
プリマヴェーラの直営店は、東京渋谷の神宮前だけですので、香りを試してから購入するというのはなかなか難しいと思いますし、お値段も結構高いので、初めてのアロマとして使う精油には不向きかも知れません。ただ、プリマヴェーラを使っているアロマ教室なども全国的にありますので、そちらでアロマを勉強しながら、使ってみるのも良いかなと思います。
ドイツ式アロマは、精油の吸入が主ですので、多分日本で販売している精油は、日本向けにアレンジした物で、ドイツでも同じ精油が使われているとは限らないと思いますが、精油は香りも良いし種類も豊富で、とてもワクワクする様なメーカーです。
ボトルのロゴも素敵ですね。春の女神だそうですよ。



ご当地精油

ファーム冨田(北海道)


すみません💦
私の方が現在欠品中でございまして、写真はファーム冨田さんのをお借りしました。
北海道富良野のラベンダーで有名な、ファーム冨田のラベンダー精油です。
精油の取り扱いはラベンダーのみですが、香水が色々ありますね。コロン、トワレ、オードパルファン、パルファンと一式揃っております。
ラベンダー精油は、日本産のラベンダーと言うだけで感動しますし、滋味深く心に滲み透る様な香りです。


ゆいか(岐阜県)


アロマ界では既に有名なメーカーですが、飛騨高山の野生の樹木から抽出された精油がメインです。
スギやヒノキは勿論、ニオイコブシ、ヒメコマツ、ミズメザクラなど珍しい精油もあります。
私の一押しは、何と言ってもクロモジ精油です。
こちらのクロモジ精油の香りに初めて触れた時、この世にこんな香りがあるのか‼︎と大変感動いたしました。
今は私には絶対欠かせない精油の1つになっております。


六月八日(大分県)


こちらのローズゼラニウムはこの前ご紹介いたしましたが、大分県産の樹木の精油がメインとなっております。
クロモジ精油は、yuicaの物とは少し香りが違って、甘さ控え目な爽やかなクロモジです。
クロモジは、産地の緯度が高いほど甘くなるとも言われておりますが、同じ国産和精油でも、産地によってこれだけ香りが違うのかと、これも感動物ですね。作るアロマクラフトの香りの傾向によって、yuicaのクロモジと使い分けが出来るので、こちらのクロモジも欠かせない精油です。
あと大分県といえばカボスですね。カボス精油も素晴らしいです。
ローズゼラニウムは、少々お値段は張りますが、私が使ってきたゼラニウム精油の中でもピカイチです。国産のゼラニウム精油ってやはり凄いですよね。
こちらの精油は、ネットで成分分析表の閲覧が出来ます。分析した日付けも入っております。
久恒山林さんの精油に対する愛情と気合いも伝わってきますね。


媛香蔵(愛媛県)


こちらは、愛媛県産の柑橘の精油です。
紅まどんな、伊予柑などの食べても美味しいタンゴールの精油の香りは、本当に美味しそう♫
こちらの精油は、柑橘でも圧搾ではなくて低温蒸留で抽出されております。レモンやライムは、圧搾法よりも香りの鋭さはありませんが、とても円やかな香りです。これも香りによって使い分けが出来ますね。 
また蒸留した精油には、柑橘類特有のフロクマリン類が殆ど含まれませんので、光毒性の心配もあまり必要ないのも嬉しいです。


エコロギー四万十(高知県)


高知県と言えば、何と言っても“しょうが”ですね。スーパーに行っても、大抵中国産と高知県産のしょうがが売られてますが、高知県産のしょうがは小さいけどお値段は倍以上。そしてその香りとお味は、中国産の物とは比較になりません。 
そんな高知県産のしょうがが、精油として楽しめるのですから嬉しいですよね。
あと、高知県産のヒノキは、建築資材としてもとても品質が良いそうです。
さる高知県出身の弁護士さんとお会いする機会があってお話を伺いましたが、その時とても立派な楷書体のヒノキの名刺を頂戴しました。弁護士さんなのに稼業も兼ねているのか⁉️と、ちょっとびっくりいたしましたが、何でも高知県産のヒノキは品質は良いのに、安価な外来材に押されて需要がかなり減っているそうです。なので、高知のヒノキを全国に広める活動をなさっているそうです。
精油も、その様な活動の一端を担えるかも知れませんね。


私が現在主に使用している精油は以上ですが、あとは個人レベルで世界各地を飛び回って素晴らしい精油を提供されている方もいらっしゃいます。
香水作りの時はその様な精油も使っておりますが、素敵な精油との感動の出会いもあれば、インチキ精油との悲しい出会いもあります。


高価な精油は高品質か?

安い精油の品質はやはりそれなりだと思います。
格安と言われる精油をいくつか試してみましたが、全体的に香りが古いです。つまり劣化しているという事ですね。
では高い精油が高品質かと言われると、必ずしもそうではないと思います。
精油のお値段は、精油の希少性+企業の事情です。販売者がいくらで精油を仕入れられるかです。
生活の木のブルガリアローズが値上がりしたと言いましたが、これは中国のアロマブームでローズが品薄となり、仕入価格が上がったからです。生活の木のローズ精油の品質が上がったからではありません。中国の方は爆買いしますのでね。
勿論どこの国でも、アロマテラピーが普及するのは良い事ですが、中国は人口が日本の10倍以上ですから、やはり精油の安定供給という事を考えると、中国のアロマブームは驚異でもありますね。
あとは市場の原理もあります。
例えば私のメイン精油の中で一番安いのは生活の木で、ラベンダー精油は10mlで2160円です。一番高いのはパナセアファルマで、4104円と生活の木の約2倍です。
ですが、生活の木は世界中にあるパートナーファームから精油を直接仕入れているそうですが、パナセアファルマは日本では代理店が販売しています。当然、精油の価格にはメーカーの利益だけではなく、代理店の利益も乗せられますので、全く同じ精油を販売する場合でも、生活の木よりパナセアファルマの方が高くなるのは当たり前ですね。プラナロムやプリマヴェーラも日本では代理店が販売しておりますので、販売価格の中には精油の品質以外の物が含まれているはずです。
あと私は、ご当地精油を除く精油メーカーで、ローズのシングル精油を扱っていないメーカーの精油は使いません。これはあくまでも私のイメージですが、精油のスターともいえるローズ精油が無いという事は、安定して販売出来るローズ精油の仕入れ力が無いのだと思います。だからローズ以外の精油の品質も、言わずもがな…というイメージになってしまいますね。
ただ私は、高価な精油を否定はしません。
アロマはイメージも大事ですので、高価=高品質と思えば香りも良く感じるかも知れません。
サロンの場合、今はお客様も結構詳しい方が多いですので、無印良品なんかを使っていたら「はぁ〜?」と思われるでしょうし、生活の木でも同じでしょう。両方共良い精油なんですけどね。
やはりお金を使う以上、高価なメーカーの精油を使うサロンの方が、お客様の満足度は高いと思います。
私がお客だったらどう思うか?
まあ別に気にしませんけどね。逆に無印良品を使っていたら、「むむっ、こちらのセラピストさんはできる!」と思いますね。
プラナロムは当たり前、パナセアファルマやプリマヴェーラだったら「おおっ‼︎」って感じ。ニールズヤードはセラピストさんの腕の良さを感じるし、フィトサンアロームなんか使っていたら、「ただ者ではない」と思うかも。
私はサロンでは、さすがに無印良品は使いませんが、生活の木は一部使ってますよ。良い精油ですからね。


成分分析表

成分分析表は、精油が本物であるという証明書とまでは言えないので、成分分析表が添付又は閲覧出来るからと言って、その精油が本物で高品質だとは限りません。ですが私の経験上、香りは成分分析表通りの香りになっておりますので、無いよりはあった方が信頼度は高いと思います。
私が使っている精油で、成分分析表があるのは、生活の木、プラナロム、パナセアファルマ 、六月八日です。
この中で、一番信頼出来る成分分析表はプラナロムだと思います。成分もある程度詳細ですし、残留農薬が無い点も記載されております。また、蒸留年月や分析表の発行日の記載もありますし、やはり日本で分析している点が大きいですね。
パナセアファルマ は、プラナロムよりさらに一つ小数点の位が違う程詳細ですが、日本で分析したものではないという事と、フランス語なので、成分以外は何が書いてあるのか分からない(・・?)
生活の木は、簡素な分析表で、日付の記載もないので、いつ何処で分析した物なのかが分からない。なので香りの参考程度にしかなりません。
意外とと言っては失礼ですが、ご当地精油の六月八日の成分分析表は良いと思います。分析度は生活の木の同じ位ですが、蒸留場所や年月日の記載もありますので信頼度は高いです。


AEAJ認定精油

AEAJに所属する私が言うのも何ですが…
これは全くあてになりません。
これは、 AEAJの法人正会員ならどこでも認定されますので、消費者の為ではなく、法人正会員の販促の為の制度です。
勿論、会員企業の多くは、企業モラルを守って、ちゃんとした精油を販売しておりますが、インチキ精油を販売している企業もあるのは事実です。まあ私は実際、認定精油のインチキ精油を持っていますしね。
前にも言いましたが、私はこれは悪しき制度だと思っております。 AEAJの決算報告書を見ますと結構お金持ってますので、可能であれば設備を整えて、精油が本物かどうかの認定制度に変えて欲しいと思いますね。
そうしたら、殆どの精油が認定されなかったりして( ゚д゚)


インチキ精油

私はアロマテラピーを始めた頃、高山林太郎先生がお書きになった著書でも勉強させて頂きました。残念ながら既に鬼籍にお入りになりましが、歯に衣着せぬ物言いで、日本のアロマテラピー界に多大な貢献を残された方です。AEAJの顧問もされておりました。
私は高山先生のご意見全てに賛同しているわけではありませんが、大変尊敬させて頂いておりました。
高山先生は、本物の精油は殆ど無いと仰っておりました。この根拠は世界の精油の生産量と消費量を比較すると、消費量の方がはるかに多いという事です。そうだとしたら、確かにこの世は偽和精油だらけという事になりますね。
私が使っている精油は全て本物だと思いますので、まだそこまで悲観する状況では無いと思いますが、先程も申し上げた様に、中国のアロマブームで更に精油の消費量は増えているわけで、これからは本物の精油を提供する困難度は上がっていくとは思いますね。
私は香水をよく作るので、色々珍しい精油を取り寄せます。勿論、素敵な精油との出会いもありますが、その逆で見事インチキ精油だったという事も少なくありません。
インチキ精油は、だいたい次の様に分けられます。

①  全て合成香料
②  本物の精油は僅かで、あとは合成香料
③  半分以上本物の精油で、合成香料か希釈して水増ししている
④  精油は本物だが、他の香りが似ている安い精油を混ぜている

だいたいこんなもんですが、
①は原液ですぐわかります。自然の香りではないですからね。ある意味…香りが良過ぎる。
だから意外と香水なら使えるのではないか?という物もあります。ただ、合成香料で精油のお値段というのは酷いですね。
②も原液でわかります。一瞬精油の香りがするので「おっ!」となりますが、すぐ①の様な香りになりますのでね。
③は原液ではわからない場合もあります。ですが、芳香をすればわかると思います。あとは他の精油とブレンドしたら香りの揮発でわかると思います。香りの持続が長いので、ノートのバランスが不自然になります。希釈されている物は、ブレンドしてもわからない場合がありますが、元々原液での香りが悪いので、本物偽物以前にそういう精油は使わないと思います。
④は、メリッサなんかが多いと思います。レモングラスなどのシトラール系の精油と混合されています。ネロリとプチグレインの混合の物もあります。勿論、レモングラスやプチグレインも素晴らしい精油で、メリッサやネロリと比較してどうのという事ではありません。ただお値段が違い過ぎるので、混合の物をメリッサやネロリと称して高く売るのは酷いです。
インチキ精油の特徴は、価格帯にあります。
だいたい3000円〜5000円が多いです。あまり安過ぎると疑われますからね。ただ、メリッサやネロリの5mlの精油が5000円以下で買えるはずがありませんので、安過ぎる精油には手を出さないのが良いと思います。
インチキ精油はどこのメーカーの物も同じ香りがします。なので、インチキ精油専門の卸元があるのではないかと思います。


精油の飲用と原液塗布

私は精油の飲用と原液での使用は反対です。
理由は先程のインチキ精油ではありませんが、その精油が100%本物であるかどうか、私を含めて誰もが証明は出来ないと思うからです。
勿論私は、使っている精油メーカーも信頼しておりますし、自分の嗅覚にも自信はありますが、でも証明は出来ない。
AEAJは、精油の飲用と原液塗布はお薦めは出来ないけど、否定はしないという立場です。
まあ実際、精油は薬として飲用や原液塗布していた歴史がありますので、否定してしまってはジャン・バルネ博士をも否定してしまう事になるので、AEAJとしてはそういう立場を取るしかないのでしょう。
あと…よくこの精油は食品添加物だから飲めるという事を聞きますが、本物の精油は“天然香料”ですので、殆ど全てが食品添加物です。
ウィンターグリーンも食品添加物ですし、その主成分であるサルチル酸メチルも食品添加物です。
あの湿布の様な強い刺激臭も、極々薄めると甘い香りになるので、お菓子の香料としても利用されています。
サルチル酸メチルの致死量は、成人男子で約5gなので、成分の殆どがサルチル酸メチルのウィンターグリーン精油は、10mlで2人の大人を殺せる毒性があるという事です。
クスノキも食品添加物です。高温で蒸留すると毒性成分が抽出されてしまうので、精油として販売されている物は低温時に蒸留した物だけですが、それでもサフロールという非常に発ガン性が高い成分が含まれます。
これらは極端な例で、ウィンターグリーン精油やクスノキ精油を飲用する方はいないと思いますが、実際誰でも買える精油ですし、食品添加物だから飲めるという言葉がどんどん広まってしまうと、どんな精油を飲んでしまうかわかりません。
アロマテラピーでは自己責任という言葉がよく使われます。精油は雑貨ですので、雑貨を飲んで事故があっても誰を責めるわけにはいきません。ですが、その自己責任という事態にならない様に努力し、またその様に導くのも私達アロマのプロフェッショナルの責務だと思っております。
精油は飲んだり、原液をお肌に付けてはいけません。それを推奨するメーカーもある様ですが、そのメーカーの精油を使うのはいいでしょうけど、飲用や原液での使用は断りましょう。


さてさて、
長くなってしまいましたが、少しでも精油選びの参考になって頂けたら幸いです。
アロマ検定では、精油の香りテストで毎回苦労されている様子が聞こえてきますが、アロマのプロとして活動する場合は、同じ精油でもこれだけ香りに拘り神経を使わなくてはいけません。将来アロマテラピーのプロを目指している方は、たかが17種類の香りテスト位で四苦八苦していたらお話になりませんよ。毎日精油に触れて、17種類の精油の香り位は体で覚えて下さいね。

これからアロマテラピーを目指す方を心から応援いたします。
最後までお読み頂いてありがとうございました。