ドイツ在住の料理研究家アンナです。
日本より時差8時間離れたドイツよりドイツの食材を使って日本でも簡単に作れるレシピをご紹介しています。
今日もごゆっくりしていってくださいね^^
初めましての方は
アンナのキッチンのプロフィールをご覧ください。
いつも遊びに来てくださっている方、
ドイツ時間でこんにちは!
そして今日初めてお越しくださった方 、
はじめまして!
ドイツ在住の料理研究家 田中杏菜です^^
※今回の記事は【3】「今日も何もできなかった」と、海外生活中の自分を責めていませんか?のつづきです。
ドイツに来てからどんなことに悩んでいたのか
ドイツに来るまでに何を経験し、何を学んだのか
今、どのように海外生活を前向きに過ごせるようになったのか
そしてこれからについて、何回かに分けて書かせていただいています。
これまでの記事はこちら。
【2】留学経験なし・理系大学院卒・社会人歴一年が直面した、海外生活の現実
【3】「今日も何もできなかった」と、海外生活中の自分を責めていませんか?
料理は日本にいる頃から好きだったのですが
料理が好きになったのにはきっかけがありました。
遡ること約10年前、両親が離婚しました。
私の人生における、1つ目の、そして人生で最も大きな壁でした。
父は離婚後すぐに再婚し、新しくできた外国人の奥さんとの間に子供ができたと連絡をもらいました。
(あんなに大好きだったのに、私は父に捨てられたんだ。自分がいたから母と父は離婚してしまったんだ、、)
心の中はそんな気持ちでいっぱいで
自分が生まれてきた意味はなんだろうと自問自答していました。
幼少の頃から自然や動植物が大好きだった私は、
両親の離婚を経験したことでより、自然の摂理はなんてシンプルで美しいんだろう、と感じ、
もっと知りたいと考えるようになりました。
そんな想いから「生物学を学び続けて研究者になろう。そのために生きて行こう。」と決意をし、
この夢をかなえることを生きる理由にしたんです。
中学校三年生のときでした。
大学の進学先を決めるため、どんな生物学研究をしたいかと考えているとき
飼っていたわが家の黒猫のことが頭に浮かびました。
この猫は生後一週間くらいで捨てられていた猫で、人に懐かず臆病で警戒心が強かったんですよね。
果たしてこの性格は
「先天性(生まれ持った性格」なのか「後天性(捨てられた経験が作った性格)」なのかと疑問に思っていたんです。
このことを研究してみたい、と思いました。
もしかすると捨てられていたこの猫と自分を重ねて、
辛い経験が、その後の性格や行動にどのような影響を与えるのかということに潜在的に興味があったのかもしれません。
大学を卒業し、大学院へと進学した私は
「体内時計の乱れとうつ病の関係」をテーマに、その治療法の基礎研究をする研究チームに入りました。
体内時計の研究は、時間に依存して研究を進めていくことが特徴で
時には24時間2時間起きに実験をしなければならないこともありました。
家に帰れない日もあったし週末を返上して研究室に通っていましたが、
「研究者になるための試練の一つなんだ」と思うとやる気がみなぎり
生物に関する知識が増えていく楽しさが勝っていました。
このときは研究に全てを捧げる勢いで食事さえも二の次にし、スーパーやコンビニのお惣菜などを不規則に食べていました。
両親の離婚以来自分が生きてきた意味、研究で成果を出すことが何よりも大切だったのです。
しかしそんな不規則で不健康な生活のツケはすぐに現れ、睡眠不足も相まって体調を崩しました。
さらに研究がうまくいかないストレス、失敗が許されないプレッシャー。
楽しいはずの研究生活は、いつしか自分を責める存在になり、
始めは悔しくて、でも気が付くと私には逆境に抵抗する力がないほど心が病んでいました。
もう中退して修士号を放棄しようかと思ったときもありました。
中学生のころから抱いていた夢を、自ら閉ざした瞬間。人生における2つ目の挫折でした。
そんなとき、当時一人暮らしをしていた私が何気なく始めたことが「規則正しい時間に手作りのごはんを食べる」ということでした。
休日におかずをまとめて作り、たとえ実験が続いても三食決まった時間にお米とともに手作りのごはんを食べる。
たったそれだけのことなのに
体調が少しずつよくなり、理由もなく頭痛や腹痛を感じたり無気力になったりすることがなくなっていきました。
やがて研究室へ復帰すると、周囲の言葉を勘繰ったり被害者意識を持ったりしなくなくなっていました。
他人は他人、自分は自分なんだと、他人と自分を比べなくなっていたんです。
規則正しい食事の習慣が身につけられたことで、
少しずつ自分の生活に自信を持てるようになり、
研究以外に「料理」という打ち込める趣味ができ、
同時に研究室以外に自分を表現できる場所ができていることに気が付きました。
夢を諦めた自分を素直に受け止めて、それでも今の自分ができることをやっていこう。
そんな前向きなマインドへシフトしていっているのを感じました。
さらに、数年間目を背けてきたこと。
大好きだった父、再婚相手、そして異母兄弟と会ってみたいという気持ちがふと心をよぎりました。
私はついに、会いに行く決意をしました。
父に連絡をするのは、約4年ぶりでした。
つづく。
最後までお読みいただいてありがとうございます!
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