13日午前0時40分という段階で、原子力危険・隠蔽院が、今回の事故はレベル4などという間抜けな発表をしていた。これから事故がどうなるか全くわからない段階で、こんな評価をやってみせるくらい、奴らは暇なのである。
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福島原発事故、JCOレベル=国際評価の暫定値―保安院
時事通信 3月13日(日)0時40分配信
福島第1原発1号機で起きた水素爆発事故について、経済産業省原子力安全・保安院は12日、国際原子力事故評価尺度(INES)の暫定値で、「局所的な影響を伴う事故」とするレベル4に当たることを明らかにした。
INESは事故レベルを最も軽い「0」から最も重い「7」までの8段階で評価。保安院によると、今回の「4」は、1999年9月の茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)の臨界事故と並ぶ過去最悪のケース。
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これに対して私は、既に事態はスリーマイルを越えて、チェルノブイリさえ越えつつある、と指摘した。既に紹介した小出裕章氏は、以下のように「スリーマイルは遥かに超えている」と指摘している。同感である。
スリーマイル×4 := チェルノブイリ
というのが私の算式で、私の中では現時点でレベル7である。今後、東電の失態によって2号機がメルトダウンしたら、チェルノブイリを越えてしまう。更に、メルトダウンが起きれば、ヘタをすると1号機と3号機も連鎖爆発する。また、6基の原子炉に蓄積されている使用済燃料も、かなりの部分が撒き散らされる。そうなると、
チェルノブイリ×3
くらいにはなって、
レベル8
とされるだろう。日本全体に(というか地球上に)、チェルノブイリの何倍かの放射性物質がばらまかれる。人類と全生命に対する、恐るべき犯罪である。
そうならぬよう、政府は全力を挙げねばならない。東電まかせにせず、日本中の、いや、世界中の原発技術者を集めて、対策を練り、あらゆる資源を動員して原子炉を冷却せねばならない。一刻の猶予もない。
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東日本大震災:福島1、3号機も危険 専門家指摘
高濃度の放射能が漏れた今回の事故の影響はどこまで及ぶのか。京都大原子炉実験所の小出裕章助教(原子核工学)は「既に米スリーマイル島の事故(79年)をはるかに超えている。もし福島第1原発2号機の炉心が溶け落ちてしまえば、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)になりかねない。1、3号機もその危険を抱えている」と指摘する。
スリーマイル島の事故では、半径80キロ圏内の住民約200万人が被ばくしたが、健康への影響は小さかったとされる。一方、史上最悪とされるチェルノブイリ原発事故では、北半球全体で放射能が検出され、原発従業員や半径30キロの範囲内の住民ら数百万人が被ばくした。世界保健機関(WHO)によると、事故に起因するがんで約9000人が死亡したほか、ウクライナでは甲状腺がんを発症する人が出るなど、現在も被害が続いている。
小出さんは「風向きや地形も考慮しないといけないが、チェルノブイリの場合で想定すると、放射性物質が日本列島をほぼ覆ってしまうことになる。住民は被ばくをしないように逃げることしかできない。(政府や東京電力は)海水でも、泥水でもとにかく原子炉に入れて燃料棒が溶け落ちることを防ぐ一方、時々刻々知っている情報を国民に開示しないといけない」と話す。
原子力施設の安全に詳しい技術評論家の桜井淳さんによると、米国には70年代、出力100万キロワットの原発が炉心溶融事故を起こした場合の被害想定データがある。放射性物質が上空1500メートルまで上がったとの想定で被害状況を予測した結果、快晴で風速10メートルの場合、約800キロ先まで放射性物質が拡散する恐れがあるとの結果が出たという。
桜井さんはこのデータを踏まえ、2号機で炉心が完全に溶けてしまうような事故が起きた場合について、「半径20キロは多数の死者が出るなど致命的な被害が出る。50~100キロでは健康面の被害は少ないかもしれないが、交通制限などさまざまな障害が生じ、社会的機能は損なわれる。放射性物質は100キロ以上先にも飛ぶので社会は大混乱し、何兆円という規模の損害が出るのでは」と指摘する。
さらに、今回は隣接した複数の原発で事故が起きていることから「86年のチェルノブイリ原発事故は一つの原子炉の事故だったが、今回は複数の原子炉で連鎖的に起きている。今後2号機に加えて1~6号機に保管された使用済み核燃料でも問題が起きると、悲惨な事態になりかねない」と話す。【樋岡徹也、堀智行、福永方人】
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福島原発事故、JCOレベル=国際評価の暫定値―保安院
時事通信 3月13日(日)0時40分配信
福島第1原発1号機で起きた水素爆発事故について、経済産業省原子力安全・保安院は12日、国際原子力事故評価尺度(INES)の暫定値で、「局所的な影響を伴う事故」とするレベル4に当たることを明らかにした。
INESは事故レベルを最も軽い「0」から最も重い「7」までの8段階で評価。保安院によると、今回の「4」は、1999年9月の茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)の臨界事故と並ぶ過去最悪のケース。
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これに対して私は、既に事態はスリーマイルを越えて、チェルノブイリさえ越えつつある、と指摘した。既に紹介した小出裕章氏は、以下のように「スリーマイルは遥かに超えている」と指摘している。同感である。
スリーマイル×4 := チェルノブイリ
というのが私の算式で、私の中では現時点でレベル7である。今後、東電の失態によって2号機がメルトダウンしたら、チェルノブイリを越えてしまう。更に、メルトダウンが起きれば、ヘタをすると1号機と3号機も連鎖爆発する。また、6基の原子炉に蓄積されている使用済燃料も、かなりの部分が撒き散らされる。そうなると、
チェルノブイリ×3
くらいにはなって、
レベル8
とされるだろう。日本全体に(というか地球上に)、チェルノブイリの何倍かの放射性物質がばらまかれる。人類と全生命に対する、恐るべき犯罪である。
そうならぬよう、政府は全力を挙げねばならない。東電まかせにせず、日本中の、いや、世界中の原発技術者を集めて、対策を練り、あらゆる資源を動員して原子炉を冷却せねばならない。一刻の猶予もない。
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東日本大震災:福島1、3号機も危険 専門家指摘
高濃度の放射能が漏れた今回の事故の影響はどこまで及ぶのか。京都大原子炉実験所の小出裕章助教(原子核工学)は「既に米スリーマイル島の事故(79年)をはるかに超えている。もし福島第1原発2号機の炉心が溶け落ちてしまえば、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)になりかねない。1、3号機もその危険を抱えている」と指摘する。
スリーマイル島の事故では、半径80キロ圏内の住民約200万人が被ばくしたが、健康への影響は小さかったとされる。一方、史上最悪とされるチェルノブイリ原発事故では、北半球全体で放射能が検出され、原発従業員や半径30キロの範囲内の住民ら数百万人が被ばくした。世界保健機関(WHO)によると、事故に起因するがんで約9000人が死亡したほか、ウクライナでは甲状腺がんを発症する人が出るなど、現在も被害が続いている。
小出さんは「風向きや地形も考慮しないといけないが、チェルノブイリの場合で想定すると、放射性物質が日本列島をほぼ覆ってしまうことになる。住民は被ばくをしないように逃げることしかできない。(政府や東京電力は)海水でも、泥水でもとにかく原子炉に入れて燃料棒が溶け落ちることを防ぐ一方、時々刻々知っている情報を国民に開示しないといけない」と話す。
原子力施設の安全に詳しい技術評論家の桜井淳さんによると、米国には70年代、出力100万キロワットの原発が炉心溶融事故を起こした場合の被害想定データがある。放射性物質が上空1500メートルまで上がったとの想定で被害状況を予測した結果、快晴で風速10メートルの場合、約800キロ先まで放射性物質が拡散する恐れがあるとの結果が出たという。
桜井さんはこのデータを踏まえ、2号機で炉心が完全に溶けてしまうような事故が起きた場合について、「半径20キロは多数の死者が出るなど致命的な被害が出る。50~100キロでは健康面の被害は少ないかもしれないが、交通制限などさまざまな障害が生じ、社会的機能は損なわれる。放射性物質は100キロ以上先にも飛ぶので社会は大混乱し、何兆円という規模の損害が出るのでは」と指摘する。
さらに、今回は隣接した複数の原発で事故が起きていることから「86年のチェルノブイリ原発事故は一つの原子炉の事故だったが、今回は複数の原子炉で連鎖的に起きている。今後2号機に加えて1~6号機に保管された使用済み核燃料でも問題が起きると、悲惨な事態になりかねない」と話す。【樋岡徹也、堀智行、福永方人】
下に添付した読売新聞の記事のように、東電の職員は、とんでもなく危険な状態で作業を強いられている。ある水準を超えてしまえば、全員、撤退せざるを得なくなり、原子炉はやがて再臨界を迎え、メルトダウンする。
毎日新聞(2011年3月15日 20時41分)に以下のような意見が出ていた。前者の言うように、燃料棒の発熱が本当に下がるなら、福音である。しかし本当にそうなのだろうか?「責任」をもってやれば何とかなる、というように読めるのも不気味である。
後者の方が合理的に聞こえる。東電のみならず、全国の原発の技術者を投入して、被ばくを防護できる部屋から何とか操作できるようにする作業を並行して行わないと、原子炉との長期戦を戦えるとは思えない。今のようなマッチポンプでは、原子炉がおとなしくしてくれるような気がしない。
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住田健二・大阪大名誉教授(原子炉工学)は「とにかく水を入れ続けなければならない。あと1~2日も注水すれば、燃料棒からの発熱も減って、今よりも条件が改善される。これ以上の燃料の溶解を防ぎ高い放射線レベルの核分裂生成物も出なくなる。事業者が責任を持って取り組むべき問題だ」と話す。
一方、吉川栄和・京都大名誉教授(原子炉工学)は「原子炉圧力容器に海水を注入する作業は近づいてしなければならない分、(遠隔操作で対応した)米スリーマイル島原発の事故より状況は悪い。作業員の被ばくを防ぐためにも、圧力容器内の水を自動的に循環させるなどの経路を人為的に構築すべきではないか」と話している
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被曝の恐怖、余震…真っ暗な建屋で決死の作業
高濃度の放射性物質の放出が続く福島第一原発。
放射能汚染の恐怖と闘いながら、決死の作業が続く。15日朝に大きな爆発が起きた2号機。東電や協力企業の作業員ら800人が水の注入作業を行っていたが、爆発に伴い、「必要最小限」という50人を残し、750人が一時、現場から離れた。被曝ひばくを避けるため、放射線量が高くなると作業を中断しなければならない。15日午前、隣接する3号機付近で観測された400ミリ・シーベルトの環境下で作業できる時間は15分が限度。津波による被害で、停電も続く。照明がつかないため真っ暗な建屋内で、作業効率はあがらない。余震が続く中、津波警報で作業の中断を余儀なくされることもある。400ミリ・シーベルトを記録したのは、作業員が携帯する放射線監視装置だった。
12日午後、高圧になった1号機の格納容器内の蒸気を逃がすための弁が開放された。格納容器に亀裂が入る最悪の事態はまぬがれた。その弁を開ける作業にあたった男性は、100ミリ・シーベルト以上の放射線を浴び、吐き気やだるさを訴えて病院へ搬送された。
もともと、この作業では、大量の放射線を浴びる危険があった。このため、1号機の構造に詳しいベテラン社員である当直長が作業を担当。「タイベック」と呼ばれる特殊な全身つなぎ服とマスクを身につけ、手早く弁を開けたが、10分超で一般人が1年に浴びてもいい放射線量の100倍にあたる放射線を浴びた。
経済産業省原子力安全・保安院によると、同原発で注水作業に当たる東電職員らは約70人。緊急時対策室でポンプなどを制御しつつ交代しながら格納容器付近の現場で活動している。
中央制御室で監視できる計器も、被災後、故障し計測不能なものがある。遠隔制御も不能で、原子炉冷却のために弁を開く作業も手作業するしかない。福島第一原発は1971年に1号機が稼働した古い原発で、通路などが狭く作業しにくいことも足を引っ張る。
注水が進めば原子炉内の圧力が上昇し、炉の崩壊の危険性が高まるため、弁を開いてガスを外部に放出しながら進めなければならない。ガスは放射性物質を含むため、放出自体は最小限に抑えなければならない。東電の担当者は「バランスをみながらぎりぎりの選択の連続だ」とため息をつく。
(2011年3月15日20時01分 読売新聞)
毎日新聞(2011年3月15日 20時41分)に以下のような意見が出ていた。前者の言うように、燃料棒の発熱が本当に下がるなら、福音である。しかし本当にそうなのだろうか?「責任」をもってやれば何とかなる、というように読めるのも不気味である。
後者の方が合理的に聞こえる。東電のみならず、全国の原発の技術者を投入して、被ばくを防護できる部屋から何とか操作できるようにする作業を並行して行わないと、原子炉との長期戦を戦えるとは思えない。今のようなマッチポンプでは、原子炉がおとなしくしてくれるような気がしない。
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住田健二・大阪大名誉教授(原子炉工学)は「とにかく水を入れ続けなければならない。あと1~2日も注水すれば、燃料棒からの発熱も減って、今よりも条件が改善される。これ以上の燃料の溶解を防ぎ高い放射線レベルの核分裂生成物も出なくなる。事業者が責任を持って取り組むべき問題だ」と話す。
一方、吉川栄和・京都大名誉教授(原子炉工学)は「原子炉圧力容器に海水を注入する作業は近づいてしなければならない分、(遠隔操作で対応した)米スリーマイル島原発の事故より状況は悪い。作業員の被ばくを防ぐためにも、圧力容器内の水を自動的に循環させるなどの経路を人為的に構築すべきではないか」と話している
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被曝の恐怖、余震…真っ暗な建屋で決死の作業
高濃度の放射性物質の放出が続く福島第一原発。
放射能汚染の恐怖と闘いながら、決死の作業が続く。15日朝に大きな爆発が起きた2号機。東電や協力企業の作業員ら800人が水の注入作業を行っていたが、爆発に伴い、「必要最小限」という50人を残し、750人が一時、現場から離れた。被曝ひばくを避けるため、放射線量が高くなると作業を中断しなければならない。15日午前、隣接する3号機付近で観測された400ミリ・シーベルトの環境下で作業できる時間は15分が限度。津波による被害で、停電も続く。照明がつかないため真っ暗な建屋内で、作業効率はあがらない。余震が続く中、津波警報で作業の中断を余儀なくされることもある。400ミリ・シーベルトを記録したのは、作業員が携帯する放射線監視装置だった。
12日午後、高圧になった1号機の格納容器内の蒸気を逃がすための弁が開放された。格納容器に亀裂が入る最悪の事態はまぬがれた。その弁を開ける作業にあたった男性は、100ミリ・シーベルト以上の放射線を浴び、吐き気やだるさを訴えて病院へ搬送された。
もともと、この作業では、大量の放射線を浴びる危険があった。このため、1号機の構造に詳しいベテラン社員である当直長が作業を担当。「タイベック」と呼ばれる特殊な全身つなぎ服とマスクを身につけ、手早く弁を開けたが、10分超で一般人が1年に浴びてもいい放射線量の100倍にあたる放射線を浴びた。
経済産業省原子力安全・保安院によると、同原発で注水作業に当たる東電職員らは約70人。緊急時対策室でポンプなどを制御しつつ交代しながら格納容器付近の現場で活動している。
中央制御室で監視できる計器も、被災後、故障し計測不能なものがある。遠隔制御も不能で、原子炉冷却のために弁を開く作業も手作業するしかない。福島第一原発は1971年に1号機が稼働した古い原発で、通路などが狭く作業しにくいことも足を引っ張る。
注水が進めば原子炉内の圧力が上昇し、炉の崩壊の危険性が高まるため、弁を開いてガスを外部に放出しながら進めなければならない。ガスは放射性物質を含むため、放出自体は最小限に抑えなければならない。東電の担当者は「バランスをみながらぎりぎりの選択の連続だ」とため息をつく。
(2011年3月15日20時01分 読売新聞)
放射線影響研究所という財団がある。これは、原爆の被爆者を長期観察するための機関である。これだけ大量の放射能を、これだけ大量の人が浴びたケースはほかに存在しないので、彼らの長期観察が、人類が知る放射線の影響の信頼に値する唯一のデータである。
この財団から放射線の影響に関する一般向けパンフレットが出ている。
http://www.rerf.or.jp/library/archives/libetc.html
その一部を下にアップしておいた。この右の図が、人体への影響があるかないか、についての基本になっていると考えてよいであろう。
問題は、下の方の、白くなった「明らかな症状なし」という部分である。この部分は、正確には、「明らかな症状が観測されない」というべきである。こういう風になめらかな曲線を描いておいて、ある水準を下回ると、「健康に影響がない」などと考えるのは、普通の考え方ではない。単に観測限界を下回っているだけで、よ~く見れば、同じようになめらかに線が延びていると考えるべきであるのに、低レベル放射線の下方を消しているのは適切ではない。
「低レベル放射線なら人体に影響がない」という「閾値」を想定する考え方の危険性を指摘したのは、ジョン・ゴフマン博士である。この人が書いた『人間と放射能』という数百ページもある分厚い本がある。ここで彼が提唱したのが、この、普通の考え方である。彼は
放射線被曝量×人
という方法で考えるべきだと言っている。どういうことか、具体例で説明しよう。たとえば、首都圏で10マイクロシーベルト/時間という被曝が1時間続いたとしよう。これだと
http://www.atomin.go.jp/atomin/high_sch/reference/radiation/jintai/index_06.html
というような表で言えば明らかに「健康には直ちに影響がない」水準である。これはつまり、被曝量が低い場合は無害だという「閾値」仮説である。
しかし、ゴフマンは放射線の影響は上の式で考えねばならない、という。そうすると、首都圏3千万人をかけて
0.01ミリシーベルト×3千万人=300シーベルト人
となる。下の図を見れば、1シーベルトで、一ヶ月以内に死亡する、ということになる。ということは、300シーベルト人は、300人くらいが一ヶ月以内に死ぬ、ということを意味する。(本当は、長期的な影響を考えねばならないから、こういう計算ではいけないのだが、手元に資料がないので、ご勘弁いただきたい。)こういう考え方をすべきだ、というのがゴフマンの主張である。
既に述べたように、遺伝子にランダムに当たる放射線が癌や白血病を惹起するのであるから、ロシアンルーレットのようなものである。多人数が少しづつロシアンルーレットをやろうが、少人数が頻繁にやろうが、弾が出る確率は同じなのだから、死んだり病気になったりする数に大差はないはずである。それゆえ、「ある水準以下であれば安全」というような閾値を放射線について考えることは難しい。
もちろん、細胞には免疫系や遺伝子修復などのさまざまの機能があり、こんな簡単な理屈でガンが生じるわけではないが、かといって、閾値の存在を明確に支持するような証拠もない。こういう場合には、どっちもどっち、になるかというと、そうはいかない。というのも、
(1)放射線が遺伝子の分子をふっとばして病気を引き起こす原因を作る、ということは間違いがない。
(2)それに対して、それを修復する生物の能力の方は、どのように作動しているのか、理解されていない。
からである。(1)が想定するほど事態が単純ではない、という理由では(2)に飛びついてはならない。なぜなら「閾値」仮説を支持する証拠が乏しいからである。また、政策立案などの過程では、より楽観的な(2)ではなく、悲観的な(1)に基づいて見積もりを立てるべきである。
念のため、
佐渡敏彦,福島昭治,甲斐倫明編著『放射線および環境化学物質による発がん─本当に微量でも危険なのか?─』 、医療科学社、2005年12月20日発行。
という本の、「第四章 放射線による発癌」という箇所を見てみた。いろいろな疫学的データを検討した結果、
===============
さまざまな放射線被ばく集団について疫学調査が行われているが、線量反応が議論できる疫学調査は少ない。調査精度、規模、線量推定の観点から最も信頼されている原爆被爆者調査では、白血病と皮膚がんの線量反応は直線ではなく、低線量域での単位線量あたりのリスクはかなり小さい。固形がんの線量反応は直線関係がよくあてはまっている。低線量域でのしきい値の存在の可能性も否定することはできないが(特に白血病と皮膚がん)、全固形がんで見るとしきい値の存在を示す明白な統計的結果は示されていない。(91頁)
===============
と結論している。何のことかというと、「人体に影響が全くない」という閾値は、白血病や皮膚がんではあるかもしれないが、ほかの癌ではない、ということである。放射線が病気を起こす機序から考えて、閾値の存在を明確な証拠なしに想定するのは危険である。また、こういう場合には、閾値の存在を楽観的に期待して、その上に政策を立案したりするのは間違っている。
それゆえ、ゴフマンの主張するように、「被爆量×人数」で被害者数を想定する必要がある。それをやらずに、勝手に閾値を想定し、
「人体に影響のない水準です」
というのは、
「人体に影響があっても決してバレない水準です」
といっていることになる。
この財団から放射線の影響に関する一般向けパンフレットが出ている。
http://www.rerf.or.jp/library/archives/libetc.html
その一部を下にアップしておいた。この右の図が、人体への影響があるかないか、についての基本になっていると考えてよいであろう。
問題は、下の方の、白くなった「明らかな症状なし」という部分である。この部分は、正確には、「明らかな症状が観測されない」というべきである。こういう風になめらかな曲線を描いておいて、ある水準を下回ると、「健康に影響がない」などと考えるのは、普通の考え方ではない。単に観測限界を下回っているだけで、よ~く見れば、同じようになめらかに線が延びていると考えるべきであるのに、低レベル放射線の下方を消しているのは適切ではない。
「低レベル放射線なら人体に影響がない」という「閾値」を想定する考え方の危険性を指摘したのは、ジョン・ゴフマン博士である。この人が書いた『人間と放射能』という数百ページもある分厚い本がある。ここで彼が提唱したのが、この、普通の考え方である。彼は
放射線被曝量×人
という方法で考えるべきだと言っている。どういうことか、具体例で説明しよう。たとえば、首都圏で10マイクロシーベルト/時間という被曝が1時間続いたとしよう。これだと
http://www.atomin.go.jp/atomin/high_sch/reference/radiation/jintai/index_06.html
というような表で言えば明らかに「健康には直ちに影響がない」水準である。これはつまり、被曝量が低い場合は無害だという「閾値」仮説である。
しかし、ゴフマンは放射線の影響は上の式で考えねばならない、という。そうすると、首都圏3千万人をかけて
0.01ミリシーベルト×3千万人=300シーベルト人
となる。下の図を見れば、1シーベルトで、一ヶ月以内に死亡する、ということになる。ということは、300シーベルト人は、300人くらいが一ヶ月以内に死ぬ、ということを意味する。(本当は、長期的な影響を考えねばならないから、こういう計算ではいけないのだが、手元に資料がないので、ご勘弁いただきたい。)こういう考え方をすべきだ、というのがゴフマンの主張である。
既に述べたように、遺伝子にランダムに当たる放射線が癌や白血病を惹起するのであるから、ロシアンルーレットのようなものである。多人数が少しづつロシアンルーレットをやろうが、少人数が頻繁にやろうが、弾が出る確率は同じなのだから、死んだり病気になったりする数に大差はないはずである。それゆえ、「ある水準以下であれば安全」というような閾値を放射線について考えることは難しい。
もちろん、細胞には免疫系や遺伝子修復などのさまざまの機能があり、こんな簡単な理屈でガンが生じるわけではないが、かといって、閾値の存在を明確に支持するような証拠もない。こういう場合には、どっちもどっち、になるかというと、そうはいかない。というのも、
(1)放射線が遺伝子の分子をふっとばして病気を引き起こす原因を作る、ということは間違いがない。
(2)それに対して、それを修復する生物の能力の方は、どのように作動しているのか、理解されていない。
からである。(1)が想定するほど事態が単純ではない、という理由では(2)に飛びついてはならない。なぜなら「閾値」仮説を支持する証拠が乏しいからである。また、政策立案などの過程では、より楽観的な(2)ではなく、悲観的な(1)に基づいて見積もりを立てるべきである。
念のため、
佐渡敏彦,福島昭治,甲斐倫明編著『放射線および環境化学物質による発がん─本当に微量でも危険なのか?─』 、医療科学社、2005年12月20日発行。
という本の、「第四章 放射線による発癌」という箇所を見てみた。いろいろな疫学的データを検討した結果、
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さまざまな放射線被ばく集団について疫学調査が行われているが、線量反応が議論できる疫学調査は少ない。調査精度、規模、線量推定の観点から最も信頼されている原爆被爆者調査では、白血病と皮膚がんの線量反応は直線ではなく、低線量域での単位線量あたりのリスクはかなり小さい。固形がんの線量反応は直線関係がよくあてはまっている。低線量域でのしきい値の存在の可能性も否定することはできないが(特に白血病と皮膚がん)、全固形がんで見るとしきい値の存在を示す明白な統計的結果は示されていない。(91頁)
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と結論している。何のことかというと、「人体に影響が全くない」という閾値は、白血病や皮膚がんではあるかもしれないが、ほかの癌ではない、ということである。放射線が病気を起こす機序から考えて、閾値の存在を明確な証拠なしに想定するのは危険である。また、こういう場合には、閾値の存在を楽観的に期待して、その上に政策を立案したりするのは間違っている。
それゆえ、ゴフマンの主張するように、「被爆量×人数」で被害者数を想定する必要がある。それをやらずに、勝手に閾値を想定し、
「人体に影響のない水準です」
というのは、
「人体に影響があっても決してバレない水準です」
といっていることになる。
知らなかったのだが、使用済燃料プールというのは、原子炉の建家の四階部分にあるとのことである。ということは、水素爆発で建家が吹っ飛んだ1号機や3号機はどうなっているんだ、と思ったら、イカのような情報が出ていた。あれだけの爆発があっても、幸いにもプールは残っていたらしい。しかし、屋根が吹き飛んで、むき出しになっている。
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3号機核燃料プール 覆いなし
3月15日 9時12分 NHKニュース
東京電力の記者会見で、15日午前7時5分ごろ、福島第一原子力発電所3号機の原子炉が入っている建物の上部に、蒸気のようなものが漂っていることを明らかにしました。また、福島第一原子力発電所の3号機で、格納容器の中にある使用済みの核燃料を保管するプールが、14日午前に発生した水素爆発によって、格納容器の上にある原子炉建屋の屋根が吹き飛んだことから、プールの上を覆うものがなくなっている状態であることも明らかにしました。
このプールは、原子炉で燃焼させて使い終わった使用済み核燃料を移動させて冷やすために設けられた設備です。通常の状態では、プールの水を循環させて核燃料を冷やしていますが、福島第一原発では停電が起きていることなどから、冷やす機能が失われている可能性も大きいということです。東京電力は記者会見の中で、3号機の原子炉が入っている建物の上部に蒸気のようなものが漂っていることとの関連について、「現時点では明確な答えはできない」としています。
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4号機の使用済燃料については、以下の情報があった。
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福島第1原発4号機、燃料プールの水温上昇
2011.3.15 13:30 産経ニュース
東京電力は15日、福島第1原子力発電所4号機の使用済み燃料プールの水温が、通常の摂氏40度から84度に上昇したことを確認したと発表した。4号機は定期検査中で783体の燃料をプールに入れていたが、水を循環させる装置が被災で動かなくなったため。
水温がさらに上がると蒸発し、燃料が露出する可能性がある。そうなった場合、東電は「燃料が損傷する可能性は否定できない」としている。
4号機は昨年11月に定期検査入り。12月上旬に炉内の燃料をプールに移した。このため他の原子炉内にある燃料と比べると熱は下がっているものの、できるだけ早く冷却する必要があるという。
一方、4号機の原子炉建屋の4階部分での出火は、鎮火したとしている。
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これらは、普通なら信じられないような重大事態であるが、1~3号機の原子炉がメルトダウンするという危機に瀕している現在では、小さく見える。
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3号機核燃料プール 覆いなし
3月15日 9時12分 NHKニュース
東京電力の記者会見で、15日午前7時5分ごろ、福島第一原子力発電所3号機の原子炉が入っている建物の上部に、蒸気のようなものが漂っていることを明らかにしました。また、福島第一原子力発電所の3号機で、格納容器の中にある使用済みの核燃料を保管するプールが、14日午前に発生した水素爆発によって、格納容器の上にある原子炉建屋の屋根が吹き飛んだことから、プールの上を覆うものがなくなっている状態であることも明らかにしました。
このプールは、原子炉で燃焼させて使い終わった使用済み核燃料を移動させて冷やすために設けられた設備です。通常の状態では、プールの水を循環させて核燃料を冷やしていますが、福島第一原発では停電が起きていることなどから、冷やす機能が失われている可能性も大きいということです。東京電力は記者会見の中で、3号機の原子炉が入っている建物の上部に蒸気のようなものが漂っていることとの関連について、「現時点では明確な答えはできない」としています。
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4号機の使用済燃料については、以下の情報があった。
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福島第1原発4号機、燃料プールの水温上昇
2011.3.15 13:30 産経ニュース
東京電力は15日、福島第1原子力発電所4号機の使用済み燃料プールの水温が、通常の摂氏40度から84度に上昇したことを確認したと発表した。4号機は定期検査中で783体の燃料をプールに入れていたが、水を循環させる装置が被災で動かなくなったため。
水温がさらに上がると蒸発し、燃料が露出する可能性がある。そうなった場合、東電は「燃料が損傷する可能性は否定できない」としている。
4号機は昨年11月に定期検査入り。12月上旬に炉内の燃料をプールに移した。このため他の原子炉内にある燃料と比べると熱は下がっているものの、できるだけ早く冷却する必要があるという。
一方、4号機の原子炉建屋の4階部分での出火は、鎮火したとしている。
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これらは、普通なら信じられないような重大事態であるが、1~3号機の原子炉がメルトダウンするという危機に瀕している現在では、小さく見える。
4号機はとりあえず米軍の協力もあって鎮火したらしい。しかし、相手が放射性物質で、自分で熱を出すので、冷やし続けないと、また燃える。テレビのテロップで、燃料棒は破損していない、という表示が出ていた。アツアツになって水素が出るような状態なのに破損していないというようなことがあるのだろうか。もしホントなら、
ふ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
である。
また、2号機の格納容器の圧力が下がっていない、ということであるが、もし事実なら、再度、
ふ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
である。しかし両方とも、
ホントか?
という気がする。ホントであって欲しい。
============
福島原発4号機火災、燃料漏れ出す恐れも(1/2ページ)
2011年3月15日13時42分 朝日新聞
東日本大震災で被害を受けた東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)の2号機で15日午前6時14分ごろ、爆発音があった。経済産業省原子力安全・保安院に東京電力が報告した。格納容器につながる圧力抑制室が損傷した可能性があり、放射性物質の閉じこめ機能が失われた可能性がある。一方、地震前から停止中の4号機の原子炉建屋も損傷し、火災が発生した。建屋に保管中の使用済み燃料の冷却ができなくなった可能性があり、燃料が損傷して漏れ出す可能性が出てきた。鎮火したが、付近の放射線量は急上昇した。消火には米軍も協力した。
東電は、注水作業に直接関わらない作業員や社員を、原発の外に退避させることを明らかにした。第一原発全体で50人の作業員が残るという。
保安院によると、圧力抑制室(サプレッションプール)は格納容器の下部にあり、冷却水が張られた設備。原子炉圧力容器内の蒸気を送り込んで冷やし、水に戻して圧力容器内の圧力上昇を抑える。緊急炉心冷却システム(ECCS)の水源にもなる。
2号機は爆発音がした後、圧力抑制室の気圧が通常の3気圧から、大気圧とほぼ同じ1気圧まで急低下した。このため、穴が開き、外気と通じるようになった可能性が高いという。圧力抑制室内にある、放射性物質が高い濃度で含まれる水や蒸気が外気に漏れ出した可能性がある。
2号機では14日になって炉心を冷やす水を循環させる仕組みが働かなくなった。原子炉内の水位が下がり、燃料棒全体がすべて露出。14日夕に2時間20分間、さらに14日深夜から6時間半にわたり空だき状態が続き、炉心溶融が否定できない状態になっていた。爆発音の後、水位はやや回復したが、燃料の一部が露出した状態が続いている。
爆発音の原因は不明で、1、3号機と同様に原子炉内で発生した水素が爆発した可能性もある。また、溶けた燃料が下部の水に落ち、水蒸気爆発を起こした可能性も否定できないという。
ただし、圧力抑制室と通じる格納容器の圧力には変化がなく、大きく破損していない可能性も残るという。圧力抑制室が破損していたとしても、破損部分が上部であれば、これまでに実施した蒸気の放出と同様の状態にとどまる。下部が破損していると、放射性物質を含む水が漏れ出すおそれがある。
◇
〈シーベルト〉放射線を浴びた時の人体への影響を表す単位。放射線にはいくつもの種類があり、人に対する影響度は違う。それを共通の尺度で測るための単位だ。人は世界平均で、普段の生活でも年間2.4ミリシーベルトの放射線を浴びている。1時間あたりに直すと0.274マイクロシーベルトだ。胸部のCTスキャンの1回の放射線量は6.9ミリシーベルト。一度に大量の放射線を浴びた方が体へのダメージは大きい。業務に従事する人の年間上限は50ミリシーベルト。約500ミリシーベルトでリンパ球が減り、1000ミリシーベルトで吐き気や嘔吐(おうと)の症状が出てくる。
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である。
また、2号機の格納容器の圧力が下がっていない、ということであるが、もし事実なら、再度、
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である。しかし両方とも、
ホントか?
という気がする。ホントであって欲しい。
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福島原発4号機火災、燃料漏れ出す恐れも(1/2ページ)
2011年3月15日13時42分 朝日新聞
東日本大震災で被害を受けた東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)の2号機で15日午前6時14分ごろ、爆発音があった。経済産業省原子力安全・保安院に東京電力が報告した。格納容器につながる圧力抑制室が損傷した可能性があり、放射性物質の閉じこめ機能が失われた可能性がある。一方、地震前から停止中の4号機の原子炉建屋も損傷し、火災が発生した。建屋に保管中の使用済み燃料の冷却ができなくなった可能性があり、燃料が損傷して漏れ出す可能性が出てきた。鎮火したが、付近の放射線量は急上昇した。消火には米軍も協力した。
東電は、注水作業に直接関わらない作業員や社員を、原発の外に退避させることを明らかにした。第一原発全体で50人の作業員が残るという。
保安院によると、圧力抑制室(サプレッションプール)は格納容器の下部にあり、冷却水が張られた設備。原子炉圧力容器内の蒸気を送り込んで冷やし、水に戻して圧力容器内の圧力上昇を抑える。緊急炉心冷却システム(ECCS)の水源にもなる。
2号機は爆発音がした後、圧力抑制室の気圧が通常の3気圧から、大気圧とほぼ同じ1気圧まで急低下した。このため、穴が開き、外気と通じるようになった可能性が高いという。圧力抑制室内にある、放射性物質が高い濃度で含まれる水や蒸気が外気に漏れ出した可能性がある。
2号機では14日になって炉心を冷やす水を循環させる仕組みが働かなくなった。原子炉内の水位が下がり、燃料棒全体がすべて露出。14日夕に2時間20分間、さらに14日深夜から6時間半にわたり空だき状態が続き、炉心溶融が否定できない状態になっていた。爆発音の後、水位はやや回復したが、燃料の一部が露出した状態が続いている。
爆発音の原因は不明で、1、3号機と同様に原子炉内で発生した水素が爆発した可能性もある。また、溶けた燃料が下部の水に落ち、水蒸気爆発を起こした可能性も否定できないという。
ただし、圧力抑制室と通じる格納容器の圧力には変化がなく、大きく破損していない可能性も残るという。圧力抑制室が破損していたとしても、破損部分が上部であれば、これまでに実施した蒸気の放出と同様の状態にとどまる。下部が破損していると、放射性物質を含む水が漏れ出すおそれがある。
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〈シーベルト〉放射線を浴びた時の人体への影響を表す単位。放射線にはいくつもの種類があり、人に対する影響度は違う。それを共通の尺度で測るための単位だ。人は世界平均で、普段の生活でも年間2.4ミリシーベルトの放射線を浴びている。1時間あたりに直すと0.274マイクロシーベルトだ。胸部のCTスキャンの1回の放射線量は6.9ミリシーベルト。一度に大量の放射線を浴びた方が体へのダメージは大きい。業務に従事する人の年間上限は50ミリシーベルト。約500ミリシーベルトでリンパ球が減り、1000ミリシーベルトで吐き気や嘔吐(おうと)の症状が出てくる。
14日午前の福島第一原発の3号機の水素爆発で、中性子線が出た。
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福島第一原発正門で中性子線検出、3号機からか
東電は15日未明、14日午後9時ごろ、福島第一原発の正門で中性子線を検出したと発表した。
放射線量は不明だが、14日午前に水素爆発を起こした同原発3号機の燃料から出た可能性があるとしている。
(2011年3月15日03時30分 読売新聞)
===================
中性子線が出るということになると、「臨界」を意味するので、「オワリ」かと思って倒れそうになったが、これはプルトニウムが環境中に放出されたためらしい。プルトニウムは、極めて毒性が高い危険な物質であるから、とんでもない事態であることに変わりはない。
http://www.nsc.go.jp/hakusyo/hakusyo13/111.htm
『原発安全白書』というタイトルからして欺瞞的な文書にその解説が出ている。
===================
都内でも通常より高い放射線量…健康影響なし
東京都は15日、都内で検出される放射線量が通常の約20倍に増え、一時0・809マイクロ・シーベルトに達したと発表した。健康に影響はないという。
都によると、新宿区内にある都健康安全研究センターでの観測結果は、14日まで0・035マイクロ・シーベルト前後で推移していたが、15日は午前10時台に最大0・809マイクロ・シーベルトを記録した。ただ11時台は0・151マイクロ・シーベルトに下がった。過去4年間の最大数値は0・079マイクロ・シーベルトだった。
(2011年3月15日13時05分 読売新聞)
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都内にも影響が出ている。既に述べたように、「健康影響のない放射線水準」というものはない。「健康影響があるかどうかなかなかわからないので、原発のせいであるのがバレない放射線水準」の意味である。
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福島第一原発正門で中性子線検出、3号機からか
東電は15日未明、14日午後9時ごろ、福島第一原発の正門で中性子線を検出したと発表した。
放射線量は不明だが、14日午前に水素爆発を起こした同原発3号機の燃料から出た可能性があるとしている。
(2011年3月15日03時30分 読売新聞)
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中性子線が出るということになると、「臨界」を意味するので、「オワリ」かと思って倒れそうになったが、これはプルトニウムが環境中に放出されたためらしい。プルトニウムは、極めて毒性が高い危険な物質であるから、とんでもない事態であることに変わりはない。
http://www.nsc.go.jp/hakusyo/hakusyo13/111.htm
『原発安全白書』というタイトルからして欺瞞的な文書にその解説が出ている。
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都内でも通常より高い放射線量…健康影響なし
東京都は15日、都内で検出される放射線量が通常の約20倍に増え、一時0・809マイクロ・シーベルトに達したと発表した。健康に影響はないという。
都によると、新宿区内にある都健康安全研究センターでの観測結果は、14日まで0・035マイクロ・シーベルト前後で推移していたが、15日は午前10時台に最大0・809マイクロ・シーベルトを記録した。ただ11時台は0・151マイクロ・シーベルトに下がった。過去4年間の最大数値は0・079マイクロ・シーベルトだった。
(2011年3月15日13時05分 読売新聞)
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都内にも影響が出ている。既に述べたように、「健康影響のない放射線水準」というものはない。「健康影響があるかどうかなかなかわからないので、原発のせいであるのがバレない放射線水準」の意味である。
専門家といえども、何が起きたのかはわからないようである。
一致している点は、
・「閉じ込める」ということに、大きな問題が生じた、
という点である。爆発の原因は、
(1)水素が圧力抑制室に入り、ベントによって逆流して入り込んだ酸素と化合して爆発した
という意見が出されているが、
(2)容器の下部にある圧力抑制室に軽い水素が入るとは考えにくい、
という反論も出ている。
4号機の事態についての見解はまだ出ていないが、これは、5号機、6号機も同じ条件だ、という点が重大である。さらに、1~3号機も同様に危険な使用済燃料を抱えていることに注意すべきである。3号機では爆発によって使用済み燃料プールの屋根が吹き飛び、水蒸気が漂っている、という報道があった。3号機はMOXであるから、極めて危険な大量のプルトニウムを含んだ使用済み燃料が入っているのかもしれない。これらもまた、むき出しの原子炉として暴走する可能性がある。
=====================
爆発音の2号機、何が起きた?…専門家の見方
東京電力福島第一原子力発電所2号機で、15日朝に確認された大きな爆発音。
原子力の最後の安全を確保する仕組みに重大な損傷が起きたのか。放射性物質が外部に大量に漏れ出す可能性もある。専門家の様々な見方をまとめた。
原発で最も大事なのは、放射性物質の封じ込めだ。
今回の爆発では、原子炉の格納容器に何らかの損傷が起きたのでは、という指摘が専門家から出ている。
京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)は「圧力抑制室の圧力が大気圧と同じまで下がったというのは破損がそれだけ大きく、放射性物質が外部へかなり漏れ出たとみえる。格納容器とつながっているため、まさに『格納容器の部分破壊』とでも言える深刻な事態だ」と語る。
元原子力安全委員の住田健二・大阪大名誉教授も「格納容器が健全であることを前提にしてきたこれまでの考え方とは異なる状況になった」と話す。
爆発音に関しては水素爆発の可能性を指摘する専門家もいる。近畿大原子力研究所の伊藤哲夫所長は「圧力抑制室は蒸気を水に戻す機能も持つ。ここで爆発が起きたとすると、原子炉圧力容器から漏れ出た水素の一部が蒸気に混じり、水素爆発を起こしたとも考えられる。元々格納容器は窒素で満たされ酸素がない。水素が爆発するために必要な酸素は、格納容器の圧力を逃がす作業の中で入り込んだ可能性もある」と話す。
また、同研究所の渥美寿雄教授(原子力材料学)も「東電は、格納容器に流れ出た大量の水素を、圧力抑制室から建屋に逃がそうとしている可能性がある。そのため、圧力抑制室の蒸気に水素が混じり込み、そこで爆発したのではないか。蒸気中に水素が4%混じり、酸素があると爆発する恐れが生じる。水素の濃度が低ければ爆発も小規模になる」と指摘する。
渥美教授によると、圧力抑制室は格納容器と配管でつながってはいるが、別の空間との見方もできる。そのため、今回は抑制室だけで水素爆発がとどまったと考えられるという。
一方で、藤家洋一・元原子力委員会委員長は「圧力抑制室の圧力が低下したことは、放射能を含んだ水が漏れだしていることを意味する。原子力の安全を確保する三本柱のうち最後の『閉じこめる』に問題が生じ、深刻だ。水素は空気よりも軽いため、格納容器の下部にある圧力抑制室にたまって爆発することは考えにくい」とみている。
(2011年3月15日11時08分 読売新聞)
一致している点は、
・「閉じ込める」ということに、大きな問題が生じた、
という点である。爆発の原因は、
(1)水素が圧力抑制室に入り、ベントによって逆流して入り込んだ酸素と化合して爆発した
という意見が出されているが、
(2)容器の下部にある圧力抑制室に軽い水素が入るとは考えにくい、
という反論も出ている。
4号機の事態についての見解はまだ出ていないが、これは、5号機、6号機も同じ条件だ、という点が重大である。さらに、1~3号機も同様に危険な使用済燃料を抱えていることに注意すべきである。3号機では爆発によって使用済み燃料プールの屋根が吹き飛び、水蒸気が漂っている、という報道があった。3号機はMOXであるから、極めて危険な大量のプルトニウムを含んだ使用済み燃料が入っているのかもしれない。これらもまた、むき出しの原子炉として暴走する可能性がある。
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爆発音の2号機、何が起きた?…専門家の見方
東京電力福島第一原子力発電所2号機で、15日朝に確認された大きな爆発音。
原子力の最後の安全を確保する仕組みに重大な損傷が起きたのか。放射性物質が外部に大量に漏れ出す可能性もある。専門家の様々な見方をまとめた。
原発で最も大事なのは、放射性物質の封じ込めだ。
今回の爆発では、原子炉の格納容器に何らかの損傷が起きたのでは、という指摘が専門家から出ている。
京都大原子炉実験所の今中哲二助教(原子力工学)は「圧力抑制室の圧力が大気圧と同じまで下がったというのは破損がそれだけ大きく、放射性物質が外部へかなり漏れ出たとみえる。格納容器とつながっているため、まさに『格納容器の部分破壊』とでも言える深刻な事態だ」と語る。
元原子力安全委員の住田健二・大阪大名誉教授も「格納容器が健全であることを前提にしてきたこれまでの考え方とは異なる状況になった」と話す。
爆発音に関しては水素爆発の可能性を指摘する専門家もいる。近畿大原子力研究所の伊藤哲夫所長は「圧力抑制室は蒸気を水に戻す機能も持つ。ここで爆発が起きたとすると、原子炉圧力容器から漏れ出た水素の一部が蒸気に混じり、水素爆発を起こしたとも考えられる。元々格納容器は窒素で満たされ酸素がない。水素が爆発するために必要な酸素は、格納容器の圧力を逃がす作業の中で入り込んだ可能性もある」と話す。
また、同研究所の渥美寿雄教授(原子力材料学)も「東電は、格納容器に流れ出た大量の水素を、圧力抑制室から建屋に逃がそうとしている可能性がある。そのため、圧力抑制室の蒸気に水素が混じり込み、そこで爆発したのではないか。蒸気中に水素が4%混じり、酸素があると爆発する恐れが生じる。水素の濃度が低ければ爆発も小規模になる」と指摘する。
渥美教授によると、圧力抑制室は格納容器と配管でつながってはいるが、別の空間との見方もできる。そのため、今回は抑制室だけで水素爆発がとどまったと考えられるという。
一方で、藤家洋一・元原子力委員会委員長は「圧力抑制室の圧力が低下したことは、放射能を含んだ水が漏れだしていることを意味する。原子力の安全を確保する三本柱のうち最後の『閉じこめる』に問題が生じ、深刻だ。水素は空気よりも軽いため、格納容器の下部にある圧力抑制室にたまって爆発することは考えにくい」とみている。
(2011年3月15日11時08分 読売新聞)
この重大な事態が、4時間以上前に起きていたとは驚きである。避難していた人々にも知らされてなかったとは、何事であろうか。
「使用済み核燃料」は「使用前の燃料」より危険なシロモノである。使用前の燃料は、しっかりと作られている上に、MOXではなく、ウラン燃料であれば、安定な物質だからである。これを原子炉で燃やすと、プルトニウムなどの極めて危険な元素を生じる。困ったことに、使用済み核燃料は、使用前の燃料よりもやっかいな「どんどん熱くなるヤカン」なので、冷却しつづける必要がある。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/L18_06.htm
福島第一原発には6基も原子炉がある。そのうち、4~6号機は定期点検中で停止していた。これらの使用済み核燃料の冷却が行われているものと私は愚かにも思い込んでいたのだが、考えて見れば、津波を受けており、電源がないのであるから、そんなはずはなかった。4号機の使用済み燃料が冷やされず、プールの水を蒸発させてしまったようだ。水素爆発が起きたということは、非常に高温になったということである。ここから、すさまじい水準の放射線が出ている。400ミリシーベルトなどという数値が、環境中で観測されるとは、とてつもない事態である。
3号機の爆発が影響してこういうことになったとすると、4号機の爆発が5号機、6号機の爆発を誘発しかねない。そうなればもはや out of control である。チェルノブイリでさえ、原子炉1つが爆発しただけであった。総合的に考えれば、既に、これを超える事態だと言うべきではなかろうか。
日本国は、この地震と津波の列島に、次々と原発を作るという愚行を犯すことで、人類と地球とに対する、とてつもない罪を犯してしまった。
「使用済み核燃料」は「使用前の燃料」より危険なシロモノである。使用前の燃料は、しっかりと作られている上に、MOXではなく、ウラン燃料であれば、安定な物質だからである。これを原子炉で燃やすと、プルトニウムなどの極めて危険な元素を生じる。困ったことに、使用済み核燃料は、使用前の燃料よりもやっかいな「どんどん熱くなるヤカン」なので、冷却しつづける必要がある。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/L18_06.htm
福島第一原発には6基も原子炉がある。そのうち、4~6号機は定期点検中で停止していた。これらの使用済み核燃料の冷却が行われているものと私は愚かにも思い込んでいたのだが、考えて見れば、津波を受けており、電源がないのであるから、そんなはずはなかった。4号機の使用済み燃料が冷やされず、プールの水を蒸発させてしまったようだ。水素爆発が起きたということは、非常に高温になったということである。ここから、すさまじい水準の放射線が出ている。400ミリシーベルトなどという数値が、環境中で観測されるとは、とてつもない事態である。
3号機の爆発が影響してこういうことになったとすると、4号機の爆発が5号機、6号機の爆発を誘発しかねない。そうなればもはや out of control である。チェルノブイリでさえ、原子炉1つが爆発しただけであった。総合的に考えれば、既に、これを超える事態だと言うべきではなかろうか。
日本国は、この地震と津波の列島に、次々と原発を作るという愚行を犯すことで、人類と地球とに対する、とてつもない罪を犯してしまった。
二号機の格納容器の一部が破損して、圧力抑制室が損傷した。こうなると、放射線物質が常時漏れ出し、核燃料を閉じ込めている容器に何かあれば、ほぼ直接、外部に影響することになる。作業員も多くが撤収せざるを得ず、原子炉の破壊力の増大に反比例して、人間側の対応力は急激に小さくなる。
恐るべき事態となってしまった。ここから人間側がコントロールを回復することが、可能なのだろうか。
原子炉は、加速度的に暴走するシステムである。冷やしておかないと、無限に熱くなるヤカンというものを想像すればよい。そんなものが家の台所にあればどうなるだろうか?いつも100度を少し超える水準で止まるようにしておけば、いつでもタダでお湯が沸かせて便利だというのは確かだろう。しかしもしも、ヤカンを冷やす装置が停止してしまったら、どんどん熱くなり、何千度にもなってしまう。そうなれば、家が火事になるばかりか、地面も溶かして無限に燃え続ける。
それゆえ、そういうヤカンは、人間が近づける以上には熱くならないように冷やしておく以外に対処法はない。そのヤカンが熱くなりすぎて、人間が近づけなくなったら、もう、どうしようもないのである。
今、福島第一原発第二ヤカンは、そういう状態になっている。
恐るべき事態となってしまった。ここから人間側がコントロールを回復することが、可能なのだろうか。
原子炉は、加速度的に暴走するシステムである。冷やしておかないと、無限に熱くなるヤカンというものを想像すればよい。そんなものが家の台所にあればどうなるだろうか?いつも100度を少し超える水準で止まるようにしておけば、いつでもタダでお湯が沸かせて便利だというのは確かだろう。しかしもしも、ヤカンを冷やす装置が停止してしまったら、どんどん熱くなり、何千度にもなってしまう。そうなれば、家が火事になるばかりか、地面も溶かして無限に燃え続ける。
それゆえ、そういうヤカンは、人間が近づける以上には熱くならないように冷やしておく以外に対処法はない。そのヤカンが熱くなりすぎて、人間が近づけなくなったら、もう、どうしようもないのである。
今、福島第一原発第二ヤカンは、そういう状態になっている。
