ソフトバンクの孫正義社長が100億円および今後の社長としての報酬の全てを寄付するという偉大な決断をされた。そればかりか、孫さんは、原子力発電所というものが、如何に危険なものであり、現在の政府や東電の対応が、如何に不合理であるかを勇気を以て発言された。twitter などで展開されるこの正気の発言が、さまざまの誹謗中傷に晒される様子をみるのは、実に情けなく、腹立たしい。

同社の副社長の松本徹三氏は、孫社長とは違って、「広義の原発推進論者」だと私は個人的に伺っている。その松本さんが出されている以下の記事は、重要な意味を持つと私は考える。

http://agora-web.jp/archives/1285649.html

http://agora-web.jp/archives/1298285.html

なぜこんなにも組織が正常に作動しないのか、恐ろしくて仕方がない。原子力安全欺瞞言語に依拠して組織が構成されているため、全てが空回りするのだと私は考える。まさに日本社会の欺瞞性が放射能と共に噴出している。一刻も早く、名を正すべきだ。それができないなら、IAEAかアメリカかロシアに主導権を渡してしまったほうがマシだ。
トレンチから流れ出しているのではなさそうだ。ということは、僭越ながら、トレンチから漏れ出しているという小出説よりも、

http://ameblo.jp/anmintei/entry-10849185873.html

で述べた安冨説の方が正しかったことになる。地震で激しく揺れて、津波に襲われたら、そりゃ、普通、コンクリートくらい、あちこち壊れるだろう。それは本当に、当たり前のことであって、ほとんど、何の知識も必要ないだろう。

おそらくは、開渠とやらの損傷だけではないから、これを塞いでも流出は続くだろう。もしも幸運にも、ここから漏れているのだとしても、ここを塞いだら、「想定外」の別のところから出る。そんなことは、泥んこ遊びをした経験があれば、わかることだ。

それゆえ、小出さんの仰るように、次から次へと流れこんで来るのであるから、早急にタンカーを、できれば何隻も調達して、ドンドン別の原発に送って処理する必要がある。それをやらないで、膨大な低レベル汚染水を大量に海に捨てるとは、言語道断である。なにが「やむを得ない措置」だ。ふざけるんじゃない。

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福島第1原発:堤防にも損傷 2号機の汚染水流出か

 経済産業省原子力安全・保安院は4日、東京電力福島第1原発で、「開渠(かいきょ)」と呼ばれる取水路と外洋を隔てる堤防に損傷が見つかったことを明らかにした。南放水口の先では高濃度の放射性物質が検出されているが、2号機のピット近くから漏れ出た汚染水が堤防の損傷箇所から流れ出した可能性があるという。一方、東電は同日、汚染水の経路を調べるため、トレーサーと呼ばれる乳白色の粉末を立て坑から流したが、海側に出てこなかったとして、これまで想定していたのとは別の経路から水が流出している可能性があることを明らかにした。

 保安院によると、堤防の壊れ方は不明だが、2号機から汚染水が出た場合、堤防の壊れた箇所を通じて、海の高い放射性物質の濃度に反映された可能性があるという。東電は、この損傷箇所と、2号機の取水口の前面にフェンスを設け、汚染水の広がりを防ぐ措置を検討し始めた。

 保安院によると、設置するのは「シルトフェンス」といい、海面に浮きを浮かべ、その下にカーテンを海底付近まで垂らす仕組み。汚染水が海に広がるのを封じ込める効果が期待できるという。西山英彦審議官は「なるべく早くやる方向で検討しているが、数日かかる」と話す。

 一方、東電によると、3日に行った止水作業に効果がなく、4日午前に流出経路を調べるために乳白色の粉末を流したが、色のついた水が4時間以上たっても海側に出てこなかった。東電は、タービン建屋地下にある水がトレンチ(立て坑)のある配管に流れ込み、それとつながる電源ケーブルの配管を通じて、ピットに流れ込む経路を想定。そこで、水を含むと約20倍に膨張する特殊樹脂「ポリマー」8キロや、おがくず60キロ、新聞紙をピットにつながる電源ケーブルの配管に流し込み、止水を試みた。

 しかし、作業員が4日朝に確認したところ、海へ流れ出る汚染水の量に変化は見られなかったという。このため、午前7時8~11分、海側のトレンチに乳白色の粉末状の入浴剤18キロを流し込んだが、その水が海に流れ出す様子はなく、さらに3日に流し込んだおがくずなども流れ出てきていないという。

 東電によると、電源ケーブルの配管の下には、施設建設の際に地面をならすために石を砕いて固めた層がある。配管のひびから汚染水が漏出し、砕石層を通って海へ流出している可能性があるという。今後の対策としては、その層に薬剤を流し込み水を通りにくくする方法などを検討している。【足立旬子、河内敏康、藤野基文】


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汚染水1万トン超、海に放出…やむを得ない措置

福島原発
 東京電力は4日、福島第一原子力発電所で高い濃度の放射性物質を含む汚染水の回収先を確保するため、低レベルの汚染水約1万1500トンの海への放出を始めた。


 原子炉等規制法第64条にもとづく緊急措置で、経済産業省原子力安全・保安院は「危険を回避するためのやむを得ない措置」として了承した。同日午後7時、放出を開始、5日間かけて流す。東電は「健康には影響はない」としている。今回の事故で排水の手段として汚染水を海へ放出するのは初めて。

 4号機南側にある集中廃棄物処理施設内にたまった水約1万トンと、現在は冷温停止している5、6号機のタービン建屋周辺の地下水約1500トン。

 2号機タービン建屋内には、通常運転時の10万倍(濃度基準の10億倍)という高濃度の放射性物質を含む汚染水がある。この汚染水を廃棄物処理施設に移し、2号機周辺の立て坑からの海への高濃度汚染水の流出を食い止める狙いがある。汚水がなくなれば、炉冷却に向けての建屋内での作業が進むことになる。

 廃棄物処理施設内の水には、放射性ヨウ素131が濃度基準の157倍にあたる1立方センチ・メートル当たり6・3ベクレル含まれている。5号機周辺の地下水には、40倍の1・6ベクレル、6号機では500倍の20ベクレルがそれぞれ含まれている。こうした汚染水は、津波の海水や空中などに浮遊している放射性物質が溶け込んだものだとしている。

 東電によると、放出後に近隣の魚介類を毎日食べ続けた場合の放射線量は、成人が自然界から受ける年間線量の4分の1という。健康影響については「放射線レベルは、現地に降る雨水などと同程度であり、健康には影響はない」と説明している。

(2011年4月4日21時07分 読売新聞)
「上流部に乳白色の着色用粉末を投入」と読売新聞には書いてあったが、日経新聞によれば、それは、

入浴剤

だそうである。

何度も言っているように、多数のルートで漏出するものだし、あとからあとから出てくるのだから、どんどん吸い上げてタンカーで移送する体制を確立する以外に、方法はない。

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福島原発、汚染水止まらず 入浴剤使い出元確認へ
2011/4/4 10:34 (2011/4/4 12:01更新)
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 東京電力は4日午前、福島第1原子力発電所2号機のタービン建屋近くの立て坑に乳白色の入浴剤を投入した。取水口近くのピットから放射性物質に汚染された水が海に流れ出ており、吸水性樹脂などを使って止水を試みたが効果が出ていないため、汚染水の出元を調べることにした。

 東電は4日午前7時すぎ、入浴剤の粉末13キログラムを3分間かけて注入した。汚染水はタービン建屋からトレンチ(坑道)を経由して海に注いでいると考えられており、この想定が正しいかどうかを確かめる。同11時現在で、投入した入浴剤が海に流れ出たことは確認できていない。「想定以外のルートで流れてきた可能性もある」(東電)という。

 経済産業省の原子力安全・保安院は4日午前の記者会見で、東電が汚染水の流出を防ぐためピット付近への新たな薬剤の投入や、取水口付近と沿岸部の堤防の端の2カ所にフェンスを張ることを検討していることを明らかにした。

 3日に樹脂を投入したのは海に近いコンクリート製の電源ケーブルを入れる配管。樹脂が水を吸って膨らみ、水の流れをせき止めることを期待した。おがくずや新聞紙を細かく裂いたものも入れたが、4日朝になってもピットからの汚染水の流れは止まっていない。

 福島第1原発で事故後、原子炉が高温になるのを防ぐため、一時的な手段として水を注入する作業が続けられている。原子炉への注水量は2日正午までに1号機で5700トン、2号機が9300トン、3号機が9000トンに達した。

 一部は蒸発しているが、大量の水が建屋内やトレンチに残っているとみられ、海に流れ込むと汚染がさらに広がる可能性がある。

 タービン建屋内にある大量の汚染水を除去する作業については、1、2号機に続き、3号機でも4日から復水器の水を復水貯蔵タンクへ移し替える作業を始める。復水器を空にして、ここに汚染水を入れる計画。
常識で考えて、地下の水の流れなんか、何通りもあって、ふさぎきれるものではない。
そもそもトレンチは、漏水を防ぐ設計になっていないのだから。
それに、たとえ塞いだとしても、原子炉に水をいれているのだから、あとからあとから高濃度の汚染水が出てくるのだし、いずれ別のところから溢れる。
やるだけ無駄なのだ。

海にカーテンを広げて塞ぐなんて、夢物語だ。

とにかく、タンカー会社を買い取ってでも、タンカーを連れてきて、汚染水を他の原発で処理するようにしないと、何をやっても無駄だ。

貴重な被曝量と時間とを、こんなことで無駄にするとは。

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2号機汚染水の拡散防止に海中にカーテン状の幕

福島原発
 東京電力福島第一原子力発電所2号機の取水口近くにある電源用トンネルの立て坑から、高濃度の放射性物質を含む汚染水が海に流出している問題で、東電は4日午前も汚染水の漏出を止めるための作業を続けた。

 汚染水の海への流出は続いており、3日に投入した高分子吸水材などの効果は表れていない。東電は4日午前7時過ぎ、汚染水の流出源を特定するため、上流部に乳白色の着色用粉末を投入、経済産業省原子力安全・保安院は4日、1~4号機の取水口近くに、「シルトフェンス」と呼ばれる水中カーテンを設置する方針を示した。設置には数日かかる見通しという。

 汚染水は、電源用トンネルの立て坑近くの岸壁の亀裂から放出されている。東電は3日、この上流部で地表から、トンネル天井部分を壊して穴を開け、水を吸ってふくらむ高分子吸水材、おがくず、新聞紙などを投入、経路をふさぐ措置を取った。

(2011年4月4日11時50分 読売新聞)
「水を吸ってふくらむ高分子吸水材、おがくず、新聞紙などを投入」

水を吸ってふくらむ高分子吸収材というのは、紙おむつの中身と同じようなものだろう。

紙おむつ
おがくず
新聞紙


で原子炉に立ち向かうとは、竹槍精神の真骨頂を示したといえよう。

そんなことをしても時間の無駄だ!!
早くタンカーを調達してトレンチの水を抜き、柏崎原発で処理して、ピストン輸送をしろ!!

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2号機汚染水の拡散防止に海中にカーテン状の幕

福島原発
 東京電力福島第一原子力発電所2号機の取水口近くにある電源用トンネルの立て坑から、高濃度の放射性物質を含む汚染水が海に流出している問題で、東電は4日午前も汚染水の漏出を止めるための作業を続けた。

 汚染水の海への流出は続いており、3日に投入した高分子吸水材などの効果は表れていない。東電は4日午前7時過ぎ、汚染水の流出源を特定するため、上流部に乳白色の着色用粉末を投入、経済産業省原子力安全・保安院は4日、1~4号機の取水口近くに、「シルトフェンス」と呼ばれる水中カーテンを設置する方針を示した。設置には数日かかる見通しという。

 汚染水は、電源用トンネルの立て坑近くの岸壁の亀裂から放出されている。東電は3日、この上流部で地表から、トンネル天井部分を壊して穴を開け、水を吸ってふくらむ高分子吸水材、おがくず、新聞紙などを投入、経路をふさぐ措置を取った。

(2011年4月4日11時50分 読売新聞)
銀行が無担保で3年~10年も東電に融資した。数兆円の賠償責任を負っており、普通なら倒産確実の会社に、こんな好条件で2兆円も融資するとは、とんでもなく非合理的な経営判断である。株主賠償訴訟が起きないほうが不思議である。

これはあまりにも危険な判断である。というのも、今後、東電の株式、社債、CPは全く売れなくなるはずで、必然的に銀行からの調達にシフトするからである。とりあえずの2兆円の相当部分は社債の償還などに消えてなくなるので、すぐに枯渇する。

それゆえ、東電は原発処理に必要な資金を、必然的に銀行に次々と申し込んでくるはずである。そうなると、最初に突っ込んだ2兆円をパーにする決意をしない限り、銀行は追加融資をせざるをえなくなる。最終的には数兆円(で足りるのか?)に膨らむことが確実であるから、銀行は大変な不良債権を抱えることになる。

そうなると、巨大銀行群を潰すわけにはいかないから、という口実で、日銀や政府が支えることになるだろう。それはつまり、国民の負担になる、という意味である。

私は住友銀行に2年半勤務していたのだが、大銀行というのは、電力会社と同じで、銀行安全欺瞞言語で成り立っている恐ろしい空洞世界であることを知っている。その欺瞞言語があの80年代のバブルを惹起したのである。少なくとも下の図の上位の銀行は今後、預金しない方が良い。私のオススメは、皆さんの地元の信用金庫である。彼らは顧客のことを考えないと商売ができない、欺瞞言語の通用しない普通の世界に住んでいるからである。

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$マイケル・ジャクソンの思想(と私が解釈するもの)著者:安冨歩

[日経ヴェリタス2011年4月3日付]

東電へ2兆円融資、銀行団も背水の陣
3メガ銀、年間純利益に匹敵する規模
2011/4/3 14:55 日経新聞

 三井住友銀行など8金融機関が、東日本大震災で原子力発電所事故などを起こした東京電力に2兆円の融資を実行した。発電所の復旧や燃料費などの運転資金に充てるためだが、3メガ銀の融資額は3000億~6000億円と年間の連結純利益に匹敵する規模。東電の賠償責任などが不透明ななか、銀行団も“背水の陣”で臨む。

 金融機関が東電から2兆円の巨額融資の打診を受けたのは震災発生から1週間たった18日。3連休明けの22日には、融資にほぼ応じる方向でまとまっていた。これほどの巨額融資が短期間でまとまったのは、政府の強い働きかけがあったからだ。

 「社会的責任だと思って融資に応じてくれ」。ある主要行は金融当局や与党幹部から再三の働きかけがあったと明かす。銀行側も「そもそも全面支援するしかない」(主力行首脳)と即断した。東電はこれまで、銀行融資よりも社債やコマーシャルペーパー(CP)による資金調達を優先してきた。しかし震災被害や原発事故で社債のスプレッド(国債利回りに対する上乗せ幅)が大幅に上昇。銀行団にも「このままでは金融資本市場が決定的に傷んでしまう」という危機感があった。

 融資条件も無担保で期間3~10年と破格。市場の不安を鎮めるための見せ金としても「十分効果があるはず」(メガ銀幹部)だった。各行は「原子力損害の賠償に関する法律(原賠法)」も読み込み、同法の規定によって「異常に巨大な天災」による事故は電力会社の賠償責任にならないとも踏んでいた。

 ただそんな見通しと決断はあっさり揺さぶられる。政府・与党が、被害者救済は「一義的には事業者の責任」(文部科学省原子力課)との論調に傾いたからだ。背景には東電の責任問題に敏感な世論への配慮がある。

 融資日の直前には与党政治家らが「東電国有化論」を唱え、巨額融資を準備していた銀行株が大幅下落する事態にも陥った。ある大手信託銀は融資前日に予定額を半分に減額。「オールジャパン体制が崩れかねない。政治家は無邪気すぎる」と大手行幹部は嘆く。

 ある主要行は会社更生手続きが終結した日本航空向けの特別チームを改組して東電チームを立ち上げた。日航は公的資金の枠組みを活用したが、借り入れや社債発行額がケタ外れに大きい東電は、極めて繊細で慎重な議論が必要になりそう。「カネ以上に知恵を出さなければならない」と主要行はスクランブル体制だ。(河浪武史、玉木淳)

福島原発のまとめを書いたが、これは「政府やマスコミが隠している真相」ではない。マスコミに流されている情報をつなぎあわせているだけである。

以下は、全て、何度もテレビや新聞で言われていることである。

(1)危機は去っていない。
(2)何としてでも原子炉に水を入れ続けねばならない。
(3)冷温状態に持っていくには、冷却装置が起動しなければならない。
(4)放射性物質の濃度が高くなり、放射線レベルが上がると、作業員は退避しなければならない。
(5)累積被曝が100あるいは250ミリシーベルトを越えた作業員は、退避しなければならない。
(6)冷やし続けなければ、原子炉や使用済燃料は暴走する。

これを組み合わせれば、作業員が払底したり、あるいは何らかのアクシデントで作業員が近づけない水準の放射線が出ると、「危機」がやってくることがわかる。政府やマスコミや御用学者は、暗黙のうちに、

(7)なんとしても原子炉に水を入れないといけない以上、水は入れ続けられる。

という希望的観測をしているが、これは日本軍と同じ症状であって、事実から目を背ける危険な想定である。

それから彼らが説明していないのは、その「危機」の内容である。

大前研一やIAEAは、

(8)危機は再臨界かメルトダウン

だとはっきり言っている。しかしそれは、

(9)大したことはない

と言っている。なぜそんなに楽観的になれるかというと、

(10)水蒸気爆発の可能性の軽視。
(11)作業員が撤退したら、原子炉が連鎖的に危機に陥るという事実の無視。

のためである。これらも、原子力関係者特有の希望的観測に過ぎない。

燃料棒の全面的メルトダウンが起きると、2000度というような塊が圧力容器や格納容器の下に落ちる。そのときに底に溜まっている水と接触すれば、水は一瞬で蒸発する。水が蒸発すると、千倍以上の体積の水蒸気になることくらい、義務教育で全国民が習っていることである。格納容器や圧力容器のなかで、こういう現象が起きたら、当然、爆発する。マグマが地下から上昇してきて地表近くで地下水と接触して、火山が爆発するのも同じ理屈である。そうなれば、炉内の放射性物質の全てが、何百メートルか何千メートルか吹き上げられて、風に乗って何十キロメートルも何百キロメートルも飛ぶ。風向き次第ではわずか200~300キロしか離れていない首都圏にも当然、降り積もる。

冷却のために水を入れ続けている以上、そこに水はあり、冷やし続けなければ、燃料棒は早晩2000度くらいにはなる。これは事実である。幸運にもこういう大爆発は起きないかもしれないが、その可能性を最初から排除していたのでは、認識が歪んでしまい、まともな行動はとれない。

また、何れかの原子炉が危機に陥れば、放射線レベルが急上昇して発電所全体に近づけなくなるのも必然である。幸運にもそうならないかもしれない。しかし、運が悪ければそうなる。

以上は、単に、マスコミで流れている情報を、合理的に接続したに過ぎないのであって、隠された事実ではない。明白な事実である。単に、彼らが原子力欺瞞言語の効果によって、自ら認識しないようにしており、また、たとえ認識しても、言わないようにしているだけである。

そんな馬鹿なというかもしれないが、今回の事故のような電源が全て失われる原子炉ブラックアウトという事態は、「決して起きないので想定しなくて良い事故」とされており、一切、無視して考えないことにしていたのである。そういうことが原子力欺瞞言語によって可能となる。そういう言語を用いる人々が、今も事故対応していることを忘れてはいけない。「まさかそんなことはあるまい」というのは、例によって希望的観測である。

それから、放射線の影響について、彼らは揃って「長期的影響に関するしきい値アリ仮説」を採用しているが、これは、現段階では明確な証拠を欠く希望的観測に過ぎない。ICRPの勧告は、

短期的影響に関する非線形しきい値アリ仮説
長期的影響に影響に関する線形しきい値ナシ仮説

を採用している。線形しきい値ナシ仮説もまた仮説に過ぎないが、癌などの放射線の影響が、遺伝子に対する撹乱から生じ、遺伝子に対する撹乱は放射線被曝量に比例する以上、「線形しきい値ナシ仮説」をとりあえずは採用せざるを得ない。それによって影響を見積もって、そこから被害を想定して対策を考えるのが筋であり、政府や東電の責任である。それをやらないで、自分に都合のよい非線形しきい値アリ仮説を勝手に採用して、

安全です。
健康に影響はありません。

などとほざくのは、無責任である。被害者がそれでも自分の判断で「しきい値アリ仮説」を採用して日常生活の継続を望むなら、それは自分の責任でするのだから、構わないが、加害者である東電や政府が言うのは、

ふざけんな

である。人の財布から金を盗んでおいて、

この程度の金額では生活に影響ありません

とドロボーが言うのと何ら変わらない。というより、健康は取り返せないのだから、遥かにひどい。それも、最も強い影響を受ける胎児や子供にそう言うのである。遺伝的影響を受けつづけ、原子炉や廃棄物の処理を背負わされる、我々の子々孫々に対して言うのである。