2004年公開の監督ザック・スナイダー、脚本ジェームズ・ガンによるジョージ・A・ロメロ『ゾンビ(原題ドーン・オブ・ザ・デッド)』のリメイク。

公開当時観た時はジョージ・A・ロメロ『ゾンビ』の足下にも及ばないと鼻で笑い、その後もロメロ『ゾンビ』ほど再見する機会もなかったが、でも、リメイクにはリメイクの良さもあって、こうしてごくたまには再見したりもする。

で、ついでにここではレビューしてなかったので、なんとなくレビューしておこうと思う。

 

先に『バタリアン』『28日後…』があるにしても、この映画から走るゾンビがスタンダードになった気がする。

個人的には走るゾンビ否定派なんだけど、今時はやっぱりもはやのろのろゾンビでは物足りないのかもしれない。

上映時間も劇場公開版は100分と言うことで、テンポは抜群によい。そのため、人物描写が薄いとか、物足りなさもあるんだけど、これもまた今っぽいといえば今っぽいのだろう。

って、すでにこの映画公開から20年たっているので、これさえも今の感覚ではどうなのか?と言うところかもしれないのだが。

 

 

ネタバレ

 

この映画で目新しいのは、妊娠して死亡した妊婦の腹からゾンビベイビーが生まれるあたり。当時としてはショッキングだったが、今はドラマ『Zネーション』でもゾンビベイビーが観られるので、新鮮味はないかもしれない。

また、モールの向かいにある銃砲店のアンディとのやりとりなどもオリジナルにはないが、面白い要素だったと思う。

ゾンビは犬には関心がないので、犬をつかってアンディに食料を届けようとするあたりの展開もよかった。

ゾンビと化したアンディが、ボードに文字を書こうとして血まみれのボードを掲げるあたりの絶望感もインパクトがあった。

この映画においてはこのアンディの存在が印象的で今回もそこが観たくて再見したようなところもある。

モールの警備員CJが最初は嫌な奴だが、何故か突然自己犠牲までして仲間を助ける良い奴に変貌する。何故彼がそういう行動に出たのか、もう少し映画として描写があるといいのにと、残念なキャラクター。

 

大量のゾンビに囲まれて車が動けなくなるなどの描写もインパクトがあった。

しかし、毎度思うのだが、物資やインフラが揃っているモールから抜け出して、何の設備もない孤島に逃げてどうするつもりだったのだろうと疑問がわく。いずれはモールの物資も底をつきるとはいえ、そもそも孤島には何もないし、どうやって暮らしていくつもりだったんだろう。

あと、あの孤島になんであんな大勢のゾンビがいたのかも不思議だった。他にもあの島に逃げ込んだ人が大勢いたってことか?

 

ってことで、やっぱり物足りなさはあるんだけど、でも、駄作の多いゾンビ映画の中では割といい方かなーと思う。

公開当時はケン・フォリースコット・H・ライニガートム・サヴィーニのカメオが嬉しかったりもした。