ネタバレあり

 

『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズの劇場版で、シリーズを締めくくる最終作らしい。

このシリーズずっと見続けてきたけど、『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』は特に面白く、一度世界がリセットされた『戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!』になるとやや、パワーダウン。

今回も最終章としては、先の『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』FILE-04【真相!トイレの花子さん】と同じ、ワンカット風で時空を越える映像を撮ると言うパターンだ。

【真相!トイレの花子さん】の時は低予算であれだけの映像を作り出したことに感心したが、今回はちょっと二番煎じっぽく、新鮮味に欠ける。

でも、時々どうやって撮ったんだろうってくらい切り替えが見事でそこは感心する。

 

基本的にこの映画に関して前知識はなかったが、のっけから、ここって『カメラを止めるな!』と同じロケ地やん!っとすぐ気がつく。

映画ロケしやすい場所なのか、あえて狙ったのか。

 

突然現れる赤い女に追いかけられ、怖い思いをした3人が再びその廃墟に訪れる神経が理解出来ない。

こんだけのことがあっても、なんだかんだこの3人は怖い物知らずだなーと思う。

あと、彼らの撮影は下手すぎる。今時素人でもここまで下手くそではないだろう。カメラ酔いすると聞いていたので、劇場では観られなかったし、テレビで観るにしても、画面揺れが激しいシーンは観ないようにしていた。

どうか、POVを撮る時は、三半規管が弱い人間にももう少し配慮して欲しい。

 

そして、前回観た『オカルトの森へようこそThe movie』もそうだったが、ちょっとキャーキャー言いながら逃げ回るシーンが多すぎる。

 

このシリーズの魅力は主役のディレクター工藤のハチャメチャさにあったのだが、このご時世だからなのか、コンプラの影響なのか、すっかりパワーダウンして突き抜けた魅力が失われている。

さらに、過去に女性を襲った男が実はパラレルワールドの工藤であると言うのもなんだか嫌な設定だ。

工藤は暴力的でハチャメチャな男だが、これまで女性に性的暴行をするような面はなかったので、この映画ではそうした可能性を内包しているというのが、ちょっと引く思い。

一方市川は一層たくましく強くなった感じ。

 

今回も霊媒師キャラは悪くはなかったが、この人にとっての最強霊媒師は、ホスト風のネオだったり、ヤンキー系のお姉ちゃんだったりと、意外性を狙っているのだろうが、DQN系がお好きなんだなーという感じがする。

このあたりも大分パターン化してきたかなー。

オチの付け方も、『オカルトの森へようこそThe movie』とかぶり気味。

若干ワンパターン化してきちゃったなーと言う気がする。

 

最初は怖い存在と思っていた赤い女が、一緒になって工藤たちと走り回る姿はちょっと笑える。

 

ということで、これまでのシリーズに比べて、特に「おお!」って感じもなく、白石ワールドとしてまあまあ楽しめるけどと言うレベルで終わってしまったなー。