やたら評判のよろしい『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』シリーズ3作目。

前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』がこのシリーズの面白さマックスという気がしてきた自分はあまり期待していなかったが、かなり高評価なので、もしや前作を越えるのか?と思ったが、見終わった感じとしては、やっぱり前作が自分にとってはマックスでした。

 

前作は全体に明るい雰囲気だったし、オープニングからして軽快だったのに対して、今回はでだしっから重たい感じで、気が沈みがち。

おまけにロケットの過去話になるとさらに話が重くて、なんかちょっとこういう感じは『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』には求めてないかなーという気分。

また1作目から感じていたけど、個性あふれる超人のようなメンバーに対して、リーダーのピーターはそこまで強くないもんだから、バトルになると陰が薄いし、なんだか主人公としては弱い気がする。

今回も一応活躍しているけど、主役だしリーダーだからと無理矢理真ん中に置かれているような気がしてきてしまうほどだ。

 

映画自体はもりもり盛りだくさんなんで、150分退屈にはならないけど、やっぱりこの長さは疲れる。疲労感半端なし。やっぱもう自分にはMCUは無理かもと毎度思ってしまう。

 

正直前作のこまかいところはよく覚えてなくて、何度も「これだれ?」「今何やってるの?」???を感じながら観てたんで、お話はあんま理解してない気がするけど、勢いだけで見切った感じ。

 

 

ネタばれ

ロケットひとりを助けるのに随分犠牲の大きいお話だなーという気はする。

ガーディアンズのメンバーは超人だから誰も死ななかったけど、死んでもおかしくないリスクは負っていたよねー。

全然話は違うけど楳図かずお『漂流教室』で主人公を助けるためにばたばたと女の子たちが死んでいくシーンがあって、主人公以外の命は随分軽く扱われるんだなーと思ったのだけど、それと似たものを感じる。

昔はそういうのが気にならなかったけど、最近そういうところが気になるようになった。

 

悪役のハイ・エボリューショナリーは確かに嫌なやつだったけど、だからって最後に全員でぼこぼこにする様はやり過ぎ感あってあんまりすっきりしなかったな。

 

黄金色の謎の男が最初なんなんだかよくわからなかったが、途中からなかなかいいキャラになっていて、今回の話の中では一番印象的かも。クイルが助かった際もみんなの輪に無理矢理入ろうとする様が面白かった。

 

クイルの物語は前作で終わった感あるので、今回はひたすら死んだ恋人の別バージョンの存在にアタックするだけの人になっている。

そのエピソードとロケットの話とあまりかみ合ってないから、クイルはつねにただの脇役感漂う。

なんつーか、この戦いの彼の行動原理が希薄って言うのかな。

それでもやっぱり一応リーダーだし、主役だよってところを主張したいのか、最後にきて急に死にそうになって注目を浴びる仕掛けとなっていて、でも、物語上、ここで死にそうになる必然もあんまりないから、ふーんって流す感じ。

宇宙空間に出て、顔が膨張し凍っている時点で死んでんだろうと思うんだけどよく助かったな。

で、なんとなく主人公がこれまでもこれからもどうしたいのかっていうのがあんまりよくわからない人なんで、ガーディアンズをやめるのはある意味納得ではある。

しかしやめた結果じーちゃんのところに帰るのも実はよくわからない。これまでもじーちゃんに会う機会はあったと思うけど、なんで今まで会わなかったんだろう。

そして彼の望みはこのじーちゃんと暮らすことなのか? 

それでいて最後にまたスター・ロードが戻ってくることを示唆しているので、新シリーズがはじまるのか?と言った感じもある。

しかし新しいガーディアンズはさらに超人メンバーになってるんで、なおさらスター・ロードいるか?って気分。

 

結局安易に恋愛という形でまとめないという意地があるのか、誰ひとりとしてカップルになることなく、仲間、疑似家族的なここ最近のハリウッド傾向でまとめられた感じ。

 

動物虐待とも言えるロケットの過去に関しては、動物実験反対の団体なんかに指示されているそうな。

そして完璧という名の理想に変えるのではなくありのままを受け入れろと言うメッセージ。まあ、そのメッセージ自体は別に悪くないのだけど、ディズニーのなんでもかんでもポリコレムーブちょっと辟易している部分もあるので、ポリティカルな意図はないかもしれないが、そう感じられてしんどい気持ちになる。

 

前作であんなにかわいかったグルートもすっかり成長してしまった。

これはこれで面白いけど、やっぱちっさいグルートが恋しいな。