新春1発目はこちら!
やっとこさ観られました。
何しろ上映時間182時間ですからねー。よっぽど体調が良いときではないと疲れちゃいそうで。
そうでなくても去年はちょっと疲れ気味だったし、上映時間が夜だったりするものだから、劇場で観るのは諦めてたんですが、意外に年明けもまだ上映してたので、なんとか観られました。
いやー、182時間ずっとテンション高くて、途中申し訳程度にインターバルは入るけど、ほぼぶっ通し状態。
もう前後編で2日かけて観たいレベルですよ。面白かったんですがね。
アクションきれっきれだし、やたら見得を切る演出でいちいち格好いいし、すべてが熱い! あちちちちですよ!
ストーリーの方はね、ある種完全懲悪というか、やや単純すぎるきらいはあるんですが、まあ、この怒濤の迫力で押し切られたらま、いっかってなもんでして。
娯楽作、エンターテインメントとしては、十分楽しめる作品です。
一応実在した独立運動指導者コムラム・ビームとアッルーリ・シータラーマ・ラージュをモデルにしているそうですが、この映画の彼らは殆どフィクション。ちなみに実在のふたりはいずれも最終的には銃殺、警察官に殺害されるなどの末路となっております。
個人的にはラーマ演じるラーム・チャランがしゅっとしていて良かったですね。ちょっとフレディ・マーキュリーっぽい。
でもインド人的にはビーム演じるN・T・ラーマ・ラオ・ジュニアのようなちょっともっさりしたおじさんの方が人気あるのかなー。
監督はバーフバリシリーズでお馴染みのS・S・ラージャマウリ。
実はバーフバリシリーズも1作目で終わっちゃってたから、改めて全部見直そうかしら。
ネタばれ
いやー、とにかく大英帝国がねー、インドを植民地化してやりたい放題で、とにかくひどいんですよ。
実際、史実的にもインド人はひどい扱いを受けていたのでしょうが、とにかく「こんなやつら徹底的にやっつけられればいい」と言う感情に扇動される作りなんです。
で、実際人でなしなインド総督夫婦が最後は殺されてすっきりみたいな終わり方で、そのあたりが、悪い奴殺してすっきりという単純さがちょっとひっかかるような気も致します。
勿論そこに至るまでが割と重たい展開だったりするので、やむなしな感じもあるのですが、でも、武力ではなく人の心を歌声で動かしたビームに感銘を受けたラーマが、武器を得るより自分を犠牲にしてもビームを生かす道を選んだのに、結局最後はやっぱり武力かーっていうオチだったのが、少しがっかりな気も致します。心情的にはすごくわかるし、現実的にはそうならざるを得ないというのもわかるんですけどねー。
あと、主役のふたりが不死身っつーか、ほんと死なない。拷問を受けて瀕死の状態になっても、次の瞬間超人的戦闘力を発揮するのが、もはや人間離れしちゃってて。
いや、なんだったら主人公の母親も死んでなかった。てっきり冒頭で殺されたと思ってたのに、最後生きてたのはびっくりね。
もう何もかもが大団円っつーかね。ジェニーなんか伯父夫婦が殺されても最後は無邪気に歌ってるし。このジェニーという女性の描き方もなんだか中途半端だったなー。
子供が銃で人を撃ち殺したり、今のコンプラ的にはアメリカ映画だと躊躇しそうなシーンも、インド映画だとまだまだ自由な感じなのは面白いかなーと思います。
冒頭ラーマが無双するシーンが良かったな。まるでターミネーターのT-1000みたいな怖い存在って感じだったんで、これからビームの前に現れる強敵となるのかと思ったら、子供を助けるためにビームと協力するあたりは「意外に優しくて良い奴!?」って感じで予想外というか、そっからふたりに友情が芽生えると言う、思わぬ方向に話しが進んだ感じでした。
で、ご丁寧にこのふたりの友情に先々暗雲がたちこめていることを歌い上げたりします。こういうわかりやすすぎるくらいわかりやすい作りっていうのが、ちょっと新鮮にも思えたり。
ビームが動物引き連れて妹を奪還しようとするシーンも良かったですね。ああ、最初に虎と追いかけっこしてたのはそういう伏線かーっと。個人的に動物引き連れて戦うあたりは絵面的にも好みでした。
そしてふたりの共闘はやっぱり燃える展開ですが、なんかもうすごすぎて笑っちゃうレベルでしたねー。
やっぱ弓矢ってアイテムは格好いいな。ラーマが馬術を得意としているのも良かったです。
最後に、相変わらずインド映画の女性は美しい。今回もシータ役のアーリヤー・バットが可愛かったです。