『世にも奇妙な物語』か、はたまた『トワイライトゾーン』かって趣きですなー。

予告にインパクトあったので、期待値は高かったけど、逆に予告以上のことが果たしてあるだろうか? という気分でもありんした。

あと、未だにシャマラン監督の映画に何かすごいオチを期待している人がいるけど、『シックスセンス』以降の映画はそんなたいしたオチだったことはないのだから、もうオチを期待するのやめたらいいのにと思いますねー。

むしろこの監督の作品は特殊な事態に遭遇した人々のいろいろなシチュエーションを楽しむ映画だと思うんで。

この映画に関しても、異常な早さで年をとる海岸におかれた人間模様を観る映画だし、それに関しては十分楽しめる映画だと思います。

 

本作はフレデリック・ペータースピエール・オスカル・レヴィーのグラフィックノベルSandcastleからヒントを得たらしいのですが、短編的なワンアイディアという感じはありますね。

 

 

ネタばれ

いや、いろいろツッコミどころは勿論ありますよ。

多くの人が真っ先にツッコムのは、子供が成長に伴い精神年齢まで成長する謎は確かに引っかかる所ですよねー。私も観ている間そのあたりはずっと疑問でした。

6歳児がどうやって子供を作る方法を知ったのか? とか、本能だけで人は知識がないまま性行為が出来るものなのか? とか確かに気になる部分ではあります。

髪や爪は死んだ細胞だから成長しないというのも不可解ではあるのですが、ここで髪がのびたりツメがのびたりまでをリアルに取り入れるとビジュアル上いろいろ面倒なことになるので、強引ではあるけど潔い切り捨て方だなーという気もします。

死んだ細胞なら、何故腐敗するのかと言う話しもあるけど、それは微生物の作用によるものだからかなー。でも微生物もあの空間ではあっと言う間に死滅しちゃいそうな…。新陳代謝は早まるけど、別に時間の速度事態が早まっている訳じゃないから、微生物が死滅する前に腐敗させる速度を加速させることは出来ないと思うし。

 

オチも薬剤の治験の為だったというのは、なんだか強引な感じもするし、実際こんな海岸があったら世紀の大発見で治験以前にもっと研究されるべき場所だと思いますよ。

そもそも誰があそこを発見し、どうやってあの場所の作用を把握したのかも謎ですよね。

 

でも、まあ、そこは目をつぶって、こんなシチュエーションに置かれたら恐怖だし、パニックになるし、この事態に人はどういう対応をするのだろうという部分は面白くみられたと思います。

そういうサスペンスの盛り上げ方はシャマランも手慣れた演出を見せてくれたと思います。

そして、離婚の危機を迎えた夫婦が老いてどことなく穏やかな関係になる、そんな老年の美しさを垣間見せたところも悪くなかったし、シャマランらしいなーという気がしました。

シャマランとしては『ハプニング』以来の傑作だと思います。

 

ちなみに今回のシャマランは運転手と観察者の役でした。