何がきっかけかは忘れましたが、ジェームズ・フランコが監督・出演でカルト映画『ザ・ルーム』の製作過程を描いたコメディ映画と聞いて、なんとなく興味を持ってTSUTAYAディスカスのリストに入れたまましばらく放置していたら、何故この映画をリストに入れたのかも記憶が薄ぼんやりして、ジェームズ・フランコ出演で、カルト映画の製作過程を描いたコメディ映画というふわっとした記憶だけでレンタルしてみたんですよ。

 

ところが、見始めてしばらくしてもジェームズ・フランコの姿が見えない。主役のひとりがちょっとジェームズ・フランコに似ている気がするけど、やっぱり別人っぽいし、ジェームズ・フランコが出演というのは自分の記憶違いだったろうかと、一度映画を中断して調べたら、なんと主演のトミー・ウィゾーを演じていたのがジェームズ・フランコだったんですね! あまりの別人っぷりに全然気づかなかった上に、わかってから映画を観ても、やっぱり時々ジェームズ・フランコであることを忘れてしまうほどの別人っぷりでした。

ちなみにジェームズ・フランコに似ていると思った相方のグレッグ・セステロ演じるデイヴ・フランコはジェームズ・フランコの実弟。似ている訳だ。

 

ジェームズ・フランコというと最近はあちこちの映画でカメオ出演やちょい役で現れては出オチと化している印象ですが、『DEAN/ディーン』『127時間』『スプリング・ブレイカーズ』そして今作と実は結構いろいろな男優賞をとってる実力ある俳優なんですよね。ついついその実力を忘れがちというか、改めてその演技力は見直すものがあります。

まあ、本人のキャラが『127時間』の主役そのままのちょっとチャラい印象があるんで、そのチャラい印象のままセクハラで訴えられちゃってるあたりも、驚きがないというか。

とにかく、この作品でジェームズ・フランコがゴールデングローブ賞主演男優賞を取ったのも納得の演技でした。

 

映画そのものは、ちょっとティム・バートン監督の『エドウッド』を思い出すというか、同じダメ映画製作過程を描いた映画でも、自分は『エドウッド』の方が面白かったのですが、こちらもまあまあ、本人の意図に反してはいるものの映画はカルト化し、それなりに夢を叶えた奇妙な物語としての面白さはあります。ただ、コメディとされながらもコメディ的面白さは殆ど感じませんでした。

とにかく主人公のトミー・ウィゾーは嫌なヤツ過ぎて、こんなヤツの下で仕事したくないなーと終始思いました。

でも、出身、年齢、資金源すべて謎な上に、行動力だけは人一番という奇妙な人物ですが、少なくとも映画監督、脚本家、俳優としての才能はともかく映画1本とるだけの資金を用意出来る商才に長けた人物なのだなーと思います。

私は『ザ・ルーム』未見なんで、『ザ・ルーム』を観るとより楽しめるのかなーと思いますが、カルトとしての評判を知らなければ別段そそられる類いの映画ではありませんね。

 

ちなみに実際のグレッグ・セステロはデイヴ・フランコ以上のイケメンでした。

トミー・ウィゾーに関してはやっぱりジェームズ・フランコの方がイケメンですね。