ネタバレ

 

前作異常なまでのヒットを飛ばしたアナ雪、二匹目のドジョウなるか?

今回は実際にあった1979年にノルウェー政府のアルタダム建設計画に抗議した少数民族サーミ人の事件をベースにしているとか。唐突にダムとか出てきて?な感じなのはそういうバックグラウンドがあるのだね。

ということで、単純明快なおとぎ話がベースではなく、ポリティカルな面があるので小さな子供には前作に比べて難しいかもしれない。

 

歌の方はメイン曲である『Into the Unknown』はともかく前作よりキャッチーな曲が少なく、どれもちょっとメロディーラインが難しい印象。

クリストフの『恋の迷い子(Lost in the Woods)』は80年代ロックバラードPV風な歌と映像はまるでドリームワークスのアニメーションみたいなおふざけっぷり。ちょっとディズニーらしからぬ感じ。単独で観れば面白いが物語の上では浮いている。

今回クリストフの必要性はあまり感じられず、ひたすらアナにプロポーズをするかしないかのギャグ要員に過ぎない印象。アナがダムから落下する際も彼女を真っ先に救うのはクリストフではないしねー。いざと言う時に助けに来てくれる存在だが、アナの方は特にクリストフを求めてる感もないし、プロポーズで型どおりに喜んではいたし、無理矢理ハッピーエンド感を出している感じで、言っては悪いがクリストフにはあまり存在意義を覚えなかった。

 

映像は相変わらず素晴らしくアニメーションより実写に近づいた感じ。

でも氷の表現はアニメーションとしての美しさが発揮されていた。このあたりの描写は好きだ。

ただ、前作の『Let it go』の際に見せた城を作り上げるという圧巻の映像に比べるとやはりインパクトは弱い。まあ、そういう意味ではやはり前作ほどのヒットになるかなーという気持ちはする。

 

今回ピエール瀧の代わりにオラフを演じた武内駿輔は、あまりにピエール瀧に寄せていて、実は表向きは武内駿輔の名を借りて裏でピエール瀧が演じているんじゃないかという疑ってしまうほどだった。

前作でもオラフは一度死ぬんじゃないかと思っていたが、さすがにそんなベタな展開はなしかーと思っていたら、続編でやっぱりそのベタな展開を持って来た感じ。まあ、オラフが消えるところはちょっと泣かせるね。

オラフの一人芝居にめっちゃ感情移入している観客のシーンが笑えた。どうしても柳沢慎吾に見えちゃうけど、この物語で一番おいしい役だね。

 

前回はアナが凍り付いたが、今回はエルサが凍り付き、やっぱり妹が姉を救うという同じパターンの踏襲。
それにしてもわざわざ両親がエルサの力の謎をさぐる為に危険を冒さなくても、成長したエルサが自ら島に訪れれば良かった話しなので、ある意味両親無駄死に感。

第五の精霊となったエルサはアナを通じて精霊界と人間界の架け橋となったようで、それぞれの世界で交流しつつ共に生きようって話し。あれ、この感じどっかで観たなーと思ったら『もののけ姫』かー。ただ前作ではその能力故に他者と断絶して引きこもろうとしていたエルサが、今度はその能力を活用し異文化の橋渡しとしての自分の居場所を確保したって話しなのかな。
 

ダムや写真が登場してたことを考えるとこの物語は結構近代の話しだったんだねー。