あーなんだかんだ、これってキャプテンアメリカが主役の話だったんかなー。

さすが、名前にアメリカをつけてるだけあるっていうね。

もうひとりの主役は元武器商人のアイアンマンね。どっちもアメリカ的キャラ。

 

ソーの扱いが酷いのは所詮北欧の神だからか?

 

そんな中相変わらず黒人への忖度は忘れません。次にアメリカを継ぐのは黒人だよって。

これでポリコレ円満です。

 

181分という長編ではありますが、観ている間はそれなりに楽しめるものの、見終わって噴出する釈然とせぬ思い。

それはネタばれでひとつひとつ、登場人物を通して語らせていただきます。

 

それにしても2008年『アイアンマン』からはじまったMCU。これで21作品の区切りがついたと言う訳で、長かったねー。何度か挫折しかかったけど、なんとかここまでついて来られましたわ。

 

 

ネタばれ

キャプテン・アメリカ

もとより、私がこのキャラがさほど好きじゃないというか、めちゃめちゃ強い訳でもなく、でも何故か皆をとりまとめる優等生って立ち位置がつまらん。

なのに、ソーのお株を奪うほど王としてふさわしい人物にまで祭り上げられているのが納得いかない。

それだけの資質を持ちながら個人の幸せを追求して、ちゃっかり過去に戻って自分の人生生きていたって、王の資質ってそのレベル? いや王が個人の幸せを追求しちゃいけないとは言わないけど、本来生きるべき時代を捨ててそれをやってしまうのはただの現実逃避にも見える。

それでも、年をとるというあたりまえの人生を生き、思いを遂げるというのはロマンティックではあるし、それなりに良かったようにも思えてしまう。

ただ、なんかラストにそれを見せられると、アベンジャーズが全部キャプテンアメリカひとりの物語に持ってかれるなーと言う印象。

ちなみに過去の同時代にキャプテン・アメリカがふたり存在してたんだね。過去のキャップが眠りから目を覚ました時には、既に恋人は死亡してたから、キャップが過去に戻って彼女と結ばれても、彼女が死亡してからエンドゲームのラストまでの時間はひとりで生きたってことなのかしら(それともその後は他の女性とよろしくやってた?)。彼女が死亡した時点で未来に戻っても良かったと思うのだけど、よっぽど人並みに年寄りになりたかったのかな。で、アベンジャーズが結成されてももうひとりの自分の活躍を傍観してたってことかしら。さらに、みんなに消息を伝えるためにあの時間あの場所へとわざわざ出向いてきたのよね。なんかすごい。

 

バッキー

終始辛気くさい顔して立ってるだけの人って印象。アベンジャーズシリーズとしてははいてもいなくてもいいんじゃないかって立ち位置。

 

アイアンマン

もうひとりの主役とも言える扱い。アベンジャーズの最初から、自己犠牲をも厭わぬ活躍を見せているので、今度は本当に死んじゃったのねって感じ。物語を締めくくるのにひとりくらい重要人物殺さないと盛り上がらないから死んだって感じがぷんぷんして、まあ、泣けないね。

そもそも、アイアンマンは仲間を失ったとはいえ、最愛の妻と娘はいるし、それなりに満たされた人生なんで、無理に作戦に参加しなくても良かった訳なのだけど、スパイダーマンに対する良心の呵責だけで、結局自分が死ぬ羽目に追い込まれているような印象。

このまま彼の葬儀で終われば完全にアイアンマン主役の物語で終わるところを最後の最後で全部キャップにもってかれた感あるね。みんなアイアンマンの犠牲はめっちゃ痛んでるけど、ブラック・ウィドウのことはすっかり忘れてるわ。そもそも彼女が犠牲にならなかったら作戦失敗してたのにねー。

 

ソー

『マイティ・ソー バトルロイヤル』で人間的成長を遂げたソーなのに、一気に逆行。

まあ、国を失い、ロキを失い、そしてサノスを倒せなかった無念から多少自暴自棄になるのはわかるけど、ならばクライマックスでもっと活躍して欲しかった。いや、それなりに活躍してたけど、半分はやっぱりキャップにお株奪われてたしね。せめて体型だけでも雷パワーでしゅっと戻って欲しかったわ。それくらいのご都合主義はあってもいいんですけどね。

さらに王であることを止めて、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと共に旅立つというのも???な感じ。

そういえばナタリー・ポートマンとどうして別れたのか、謎のままやねんな。そして別れたとはいえ、インフォニティウォーのあと元カノの消息をまったく気にしないソーのドライっぷりもまた。

 

ハルク

前回いいとこなしだったハルクだけに、今回はもっと活躍するかと思ったけど、パワフルな活躍は殆ど無くてこれまたカタルシスがないのよねー。もうハルクに関してはベタでいいっすよ。ベタで。

 

マーベル

エンドゲームを前にして後出しじゃんけんのように登場のハルク以上のパワーインフレ。まあ、はっきり言って彼女ひとりいれば全て解決くらいの勢いはあるわけで、6つのインフィニティ・ストーンも彼女が扱えば良かったと思わせる。

ただ、終盤彼女の存在を忘れていたので、突然現れて船を破壊するあたりは「おお!」って思ったけどね。

途中で髪を切ったのはなんで? コミックでも髪を切ったバージョンがあるから寄せただけ?

 

フューリー

アイアンマンの葬式にぽんと現れて顔見せだけ。

 

ホークアイ

このキャラは好きなんだけど、矢による活躍があまりなくてつまらん。

 

ブラック・ウィドウ

彼女単体の映画も作られるというのに、こんな死に様ですか。

サノスでさえ最愛の娘を捧げるほどの犠牲なのに(サノスには娘しか愛情を感じる存在がいなかったからなんだろうけど)、ホークアイにとって彼女ってそこまでの存在だったの? いや、ホークアイが死んだとして、ブラック・ウィドウにとってもそこまでの存在? まあ、友愛ってことで、これはこれでありなのかな。

私はアベンジャーズの一作目ではふたりが相思相愛だと思っていたから、ホークアイが別の女性と結婚したり、ブラック・ウィドウがバナーと恋愛関係になる展開は違和感だったんだけど、そういう設定にしたならしたで、この場に行くのはハルクとブラック・ウィドウであって欲しかったよ。

ただ、ハルクとブラック・ウィドウだったらあんな崖から落ちたくらいでまずハルクは死なない、死ねないだろうし、ブラック・ウィドウが死のうとしてもハルクなら完璧に止められそうなので、どっちが死ぬかを争う絵面は撮れないよね。

それにしても、誰もソウル・ストーンを手に入れるのに犠牲が伴うということを知らなかったのか、ブラック・ウィドウとホークアイはとんだ貧乏くじ引きましたね。

 

アントマン

何か大人の事情で前作には出てこないのかと思ってたけど、なかなか要となる役割だったね。

アントマンシリーズではどことなくスケールの小さい戦いばかりしてたけど、巨大化パワーはなかなか頼もしく、なんだかハルクより頼もしく見えたね。

 

サノス

サノスが娘や自分の破滅さえも覚悟して成し遂げなければならなかった、全宇宙の生命体半分計画はいったいなんだったのだろうか。それをしなければ、宇宙に何が起こったのか。結局よくわからんかったわ。

半分の生命体を消さなければ宇宙が滅びるくらいの切羽詰まったものだと思ってたんだけど、宇宙が滅びるか、生命が半分になるのかという究極の選択の中での対立、打開みたいな展開を期待してたのに、結局アベンジャーズが消えた人間を戻したところでたいした問題もなさげだったんで拍子抜け。

(5年の歳月で危機が回避出来たというなら、サノス自身ストーンを破壊せずに5年後に皆を呼び戻すことも出来たと思うけど、それをしてないってことは回避できないってことよね)

おまけに、「この際全宇宙消して理想郷にやりなおしちゃえ」とか「地球を破壊するのを楽しませてもらうぞ」ってその辺のつまらん悪役に成り下がってしまったのも、前作のただの悪人じゃないと思わせるふりを壊しちゃってたね。

石を集める前のサノスだからと言う説もあるけど、石を集めると決めた時点でサノスには何か志があったと思うし、安易に世界を破滅させて理想郷を構築するなんて事を言い出すかな−。そこは自分が破滅しても生命体半分を犠牲にしても宇宙の均衡を守りたいって考えとは繋がらないけどね。

このサノス像が一番納得出来ないというか、この程度の悪役って意味で拍子抜けだったわ。結局薄っぺらい勧善懲悪の話しかよっていう。

 

ドクター・ストレンジ

やっぱりサノスにあの場でストーンを渡すことが最良の選択とはあまり思えないのがね。

彼はアイアンマンがサノスを滅ぼす未来を見たのだろうけど、それ以外にうまくやる方法いくらでもありそうに思えてしまう。

そしてアイアンマンの葬式には何故か出席してないのね。

 

スパイダーマン

まあ、出番は少ないけど、頑張ってた。

 

ブラックパンサー

まあ、人海戦術には必要な戦闘要員だね。この人も優等生タイプで面白みない。

 

スター・ロード

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーメンバーはちょこっと映画に笑いをもたらす要因。ガモーラは蘇らないけど、過去のガモーラとやり直す感じ? というかあれからガモーラは過去に戻ったのか、未来で生きるのか謎のまま。

 

ロケット

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーメンバーで唯一今回出ずっぱりでご活躍。

 

ロキ

前作の冒頭でいきなり死んだけど、きっとなんらかの方法で蘇ると思ったのに死にっぱなしかい!

あれがロキの最後だったとしたらあっけないわー。

 

ヴィジョン

ポール・ベタニーも死にっぱなしね。生命体半分計画で消された人以外は蘇らないのね。

 

真田広之

最後に命乞いとか…もうちょっとカッコイイ役にして欲しかったね。

 

スタン・リー

映像で見られる最後のスタン・リーかな?

最後がこの役だとしたらちょっとがっかりかも。いや、逆にバカっぽくてよかったのかしら。

 

6つのインフィニティ・ストーン

結局、持ち手の願いが叶うパワーがあるってことなのかな。最後も都合良くサノスの陣営だけ消し去っていたしね。このあたりのストーンのパワーがよくわからんですわ。

 

タイムストーン

てっきりこれを使って時間を巻き戻すオチなんだと思った(スーパーマン的な)。タイムトラベル出来るんだったらタイムストーンだけ手に入れて時間逆行した方が早くね? まあ、それだと結果が変わらないのかもしれないけど。でももう一度前作の戦いに時間を戻せるなら少なくともソーはくどくど言わずにサノスの首をはねるだろうね。

そういう意味ではこのタイムストーンで全部まるく収めると予想してたよ。まあ、それは禁じ手というか、それやっちゃうとなんでもありになるんでどうすんの? とは思ったけどね。

 

タイムトラベル

細けぇことはいいんだよと言わんばかりのタイムパラドックスっぷり。

過去のサノスが未来で死んだってことは、インフィニティウォー自体起こらないってことで、過去の改変が今にまったく影響しないのも不思議だわ。

ストーンを奪って逃げたロキもその後に影響なかったのか疑問だし、ソーが持ち去ったムジュルニアとか、過去の自分を殺しちゃったネビュラ等等、細々気に点はある。

なんかそのあたりさらっと説明してたような気もするけど、釈然としないというか、過去の変化が未来に影響しないというなら、何故律儀にストーンを元の時間と場所に返しに行くのかもよくわからん(ティルダ様がストーンだけは影響を及ぼすようなことを言ってような気もするけどこのあたりのルールがすんとんと来なかった)。

しかも集める時は全員だったのに返す時はキャップだけと言うのは、エネルギーが一人分しかなかったてことかもしれないけど、それにしても宇宙に飛べる能力のないキャップはどうやって地球のみならず宇宙に行ってストーンを返したのだろう。

さらに言えば、愛する者の犠牲を求めるソウル・ストーンをどうやって返却するのかも気になる。返す分には犠牲は必要ないんだろうけど。

 

やっぱり最後は軍勢で争う

前作と同じパターンやなー。クライマックスはそれっきゃないのかって感じ。

とりあえずこれやっとけば盛り上がるだろう的な。

でも、スケール大きな話しと思わせて結局また地球で軍勢の戦い見せられるのかとは思ったよ。

 

誰やねん!

もう各キャラクター全部把握しきれないので、ちょいちょい誰だっけ? って感じの顔ぶれもちらほら。

特にペガサス。あんなんいたっけ? 羽根フェチだからペガサスのビジュアルは嬉しいけどね。

 

この映画の良かった点

まあ、やっぱりちょこちょこ笑わせるシーンがあること。

過去に戻って石を集めるという展開自体は嫌いじゃない。

消え去った仲間が戻ってくるシーンはやっぱり胸熱。

ずるいとは思うけど、最後の戦闘でマーベル登場はちょっと楽しかった。

そして蒼々たる顔ぶれが一同に会するのも贅沢だったね。