久しぶりに観たくなっちゃった。

 

ロバート・デ・ニーロせんだみつお指数がもっともお高いこの映画。

アル・カポネと言えば禁酒法時代の暗黒街のボスとして最も名の知れた人物という気がするが、意外に告発は脱税という地味な罪状だったりする。そして逮捕後のアル・カポネはなかなか悲惨な生涯を送ることになる。因果応報と言えばそれまでなのだが。

 

ちなみにこの映画はケヴィン・コスナー演じるエリオット・ネスの自伝を元にしているようで、テレビドラマにもなっているらしい。

映画のエリオット・ネスは家族を大事し、法を遵守する真面目な男だが、実際のネスは結婚生活は長続きせず、重度のアルコール依存症だったというので、ドラマはかなり虚像と思われる。

 

映画ではアンタッチャブルは4名であるが、実際は50名(最終的には11名)もいたらしい。

映画的には4名で丁度良かったかもしれないが、このあたりもかなり脚色されている。

(と言うか映画は殆どフィクション)

 

ちなみに、私は、ケヴィン・コスナーが好きじゃなかったので、最初はこの映画に興味を持てなかったのだが、やはり階段の銃撃戦にはしびれて、以後何度が観る内に、デ・パルマ作品の中では結構お気に入りになっている。

 

 

ネタばれ

ということで、この映画の見所は後にも先にも『戦艦ポチョムキン』のオデッサの階段を引用したと言われるシカゴ・ユニオン駅での銃撃戦。

私はこのシーンがオデッサの階段から引用されたという前知識なく観たのだが、すぐにぴーんとくるくらいオマージュされている。

 

もともとは『カリートの道』のような大がかりな列車のアクションシーンを想定していたようだが、予算不足によりここに落ち着いたというが、結果的に『カリートの道』で撮れなかったシーンが復活した訳で、二度美味しいシーンとなった。

 

デ・パルマ版のオデッサの階段シーンの緊張感も見事で、乳母車、母親、ギャング、会計係、ネス、ストーン、水兵、銃撃戦と見事な構成。何度も撃たれる水兵はお気の毒ながらちょっとコントみたいで笑ってしまった。

そして、何と言っても、その乳母車を足で止め、尚且つギャングを銃口で的確に捉えるアンディ・ガルシアの格好よさよ。いや、もう、私は特にアンディ・ガルシアが好きな訳じゃないが、この映画における彼は映画のすべてを持っていったと言っていいほど美味しかったね。

後から思い出しても、アンディ・ガルシアの格好よさばかりが印象に残ってしまう。

コメディリリーフ的存在だっがオスカー・ウォレンや、老兵ショーン・コネリーの悲惨な死を経たのち、アンディ・ガルシアの銃の天才という設定が光るこのワンシーンが一気にカタルシスをもたらすというか、自分的には映画はここで終わっていて、アル・カポネの予備審問とか、フランクを追い詰めるネスのシーンなんか付け足しみたいに思えてしまったものね。

 

アンタッチャブル4名の個性もそれぞれに立っていて、パトロール警官に過ぎないと思われたジム・マローンの切れっぷりや、カポネを簿記係の観点から捕まえようとひとり違う動きを見せるオスカー・ウォレン、そして銃の腕前ぴかいちのジョージ・ストーン、ギャング抗争の犠牲となった少女とその死を悲しむ母親に感情移入する家族思いのエリオット・ネス(故に、階段で乳母車を運ぶ母親を放っておけないという伏線にもなっている)とバランス良いシンプルな配置と、その彼らを絡めた物語の展開がよく出来ている。

 

そういえば、はじめてアンタッチャブルのメンバーが手入れをした後の食事のシーンではカメラが360度ぐるぐる回っていたなー。これがなくっちゃ、やっぱりデ・パルマじゃないよねー。

 

そうそうモリコーネの音楽は相変わらず泣かせます。