ずっとDCの『ワンダーウーマン』みたいな感じかなーなんて思ってたけど、全然違った。
『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズの21作品目に当たるらしい。うーん、よく続くな。
女性単独の主役映画は『エレクトラ』以来というのも意外だ。
そろそろ脱落者が出てもおかしくない気がするんだけど、シリーズを作り続けるだけの収益があがってるんってことなんだから、アメコミファンというのは根強いものだ。
私はもう乗りかかった船でつきあってるけど、いつ脱落しよう考えちゃうもんね。
記憶を失った主人公というありがちなミステリー仕立て。
ポスターのようにエネルギーできらきらしているビジュアルはいかにもアメコミヒーローって言う絵面だった。
マーベルのネームがでるオープニングが故スタン・リーを追悼する編集で感動的。
ネタばれ
まずね、ジュード・ロウがスクリーンに映った瞬間に思ったね。
こいつは敵だ!
なんだろう。内容を殆ど知らなかったはずなのに、直感的に敵だって感じたのは、ジュード・ロウの演技のせいなのか、演出的に観客にそう思わせるものがあったのか。
で、案の定敵だったりする訳で。まあ、記憶を失った人間の身近に味方のように存在する人物は大概敵であるというのはお約束とも言えるのだけど。
最後に格闘を申し出て、長々色々しゃべる場面でも「あ、きっとこの後に瞬殺されるな」と思ったら案の定。このあたりはわかりやすい展開だった。
その代わり、いかにも悪そうなスクラル人が実は悪役ではなかったという流れね。
他者をDNAレベルで変化出来る能力はよかった。近い記憶しかコピー出来ないが故に見破られてしまうというあたりもいい。
このスクラル人のボスを演じるベン・メンデルソーンは結構好きな俳優さんです。
それにしても『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では半分のヒーローが消されて、若干絶望感漂っておりましたが、キャプテン・マーベルがエンドゲームから参戦となると途端に「大丈夫」って気がするねー。これまで登場したヒーローの中でも一番無敵感あるし。
でも、これまで『アベンジャーズ』の戦いは結構危機一髪的な展開があったけど、フューリーは一度も彼女を呼ぼうとしなかったのはなんでだ?
そしてマーベルもスクラル人の新しい居住地を探すのに随分時間かかってるのね。
今回は猫好きを魅了するグースというエイリアンがよかった。
でも、唐突に登場して、何故あの場にいたのかは謎だし、何故、地球人やスクラル人の味方についているのかも謎で、さらに片目を奪われてもグースをそこまで危険視してないフューリーも謎だったりする。
それにこれまでのシリーズ、グースは登場してこなかったので、キューブをはき出した後どこに消えちゃったの?って謎もあるけど、今後のシリーズで再登場もあるのかな。
マーベルが空を飛ぶ際に仮面をかぶって頭がモヒカンみたいになるスタイルはいただけないなー。
女性を主役に描いてはいるが、フェミニズム映画という感じはあまり受けない。
それでも公開前から異常なバッシングを受けたというのだからミソジニーは恐ろしいね。
すがすがしいまでに恋愛描写をまったく描かないというのは新鮮かな。
女性の友情とか、女性上官の尊敬とか、女性としての弱さを克服してひとりの人間として立つなどの、女性の理想的ヒーロー像を描いているのかもしれないが、そのあたりは共感に乏しく、何か理想としている女性像と、自分をとりまく現実の女性性との乖離を覚えてしまった。
多分、自分が求めているのは物理的な男と同等の強さってことじゃないんだよねー。
また主人公が無敵に強すぎるのと、演じるブリー・ラーソンが可愛いという点では目の保養になるけど、本人が記憶喪失ということもあってあまり際だった個性が感じられないという意味では、マーベルヒーローの中ではインパクトが弱いかなーという感じ。
