トーマス・ハーディの『ダーバヴェル家のテス』の映画化。
監督はあのロマン・ポランスキー。いかにも文芸映画という趣であります。
公開当時予告のイチゴを食べるシーンが印象に残っていて、気になりつつもなかなか観られなかった。
で、この映画はもうナスターシャ様の美しさにひれふす映画。
正直、登場人物たちの心情がいまいち理解出来ないままに、淡々と物語が進んで終わった印象だけど、ナスターシャ様がひたすら美しいので眼福です。イギリスの風景とか全体的に画がきれいでした。
ネタばれ
テスが何故そこまでアレックスを嫌がるのか、ちょっとわかりにくかった。
また、アレックスが何を考えているのかもわかりにくかった。アレックスはテスを情婦にはしたが、結婚する気がなかったのだろうか?
テスはアレックスを最初から愛していなかったのか、家の為に仕方なく彼の求めに応じたのか、恐らくそういうことなんだろうが、このあたりもわかりにくい。
妊娠を知っていれば責任はとるといっていたが、テスはその言葉も一笑に付す。しかし、いまいちテスがアレックスを拒む理由がわかりにくい。最終的にアレックスの申し出を受け入れ、家族や彼女自身良い暮らしが出来ているようだが、にもかかわらずエンジェルが来た途端にアレックスを殺してしまうと言うのは、「そこまで彼を嫌悪していたの?」とこれまた理解出来ない。
女が情婦という過去を持っていただけで、あそこまで拒むエンジェルも理解出来ない。だが、どの国でも女性の処女性や貞操というのは重要視されるものだから、それがこの時代の価値観だったのだろうと思うしかない。この時代というか現代もその価値観を持ち続けている人はいるしね。
とにかく女にとって生きにくい時代の悲劇という感じで、なんとも言えない気分になる。
