キリアン・マーフィの女装とそのビッチな演技に惹かれて観ました。 
主人公は性同一性障害ということなんでしょうか。男とも女ともつかない不思議な雰囲気が漂っています。 

細かくチャプターを刻みながら淡々とお話しが進んで行くのですが、退屈になりそうで退屈にならない面白さがあります。 
でも、多分アイルランドの背景とかいろいろ前知識がないとぴんとこないというか、わかったようなわからんような気持ちです。 
原作者が、主人公と同じ名前のパトリックなので、自伝的な内容なんですかね?

 

 

ネタばれ

母親に捨てられ、性同一性障害で、己の身の置き場に悩める若者が、母親探しの先に父親を見つける。

ここ、見つけた父親がいい人だったことが救いというか、もし見つからなかった場合はどうなるんだろうと言う気分。

結局その父親と一緒にいることは出来なくなり、ある種疑似家族を形成することでめでたしめでたしというお話なのだろうか。

 

主人公は妊娠した母親に「今度こそ女の子が生まれるわ」と言ってたけど、母親のふたりの子供の上の子って女の子じゃなかったっけ? 母親が女の子にこだわったからパトリックは性同一障害に生まれたと? そして何故息子にパトリックという捨てた子供と同じ名前をつけたのか? 母親なりの悔恨の現れなのだろうか。うーん、やっぱりわかったような。わからんような。

 

ひどい扱いを受けたにも関わらず刑務所に止まることを望むパトリックに困惑する警官の図が面白かったが、それほどに身の置き場がない彼の状況を考えると悲しいシーン。まあ、この警官が実はちょっといい人だったのが救いだけど。