父が何かと『七人の侍』と比べてディスっていたので、今までちゃんと観たことがなかったんですよねー。だからちゃんと観ました。
思った通り『マグニフィセント・セブン』よりは『七人の侍』に忠実というか、七人の集う理由とか、村人との交流、村人との対立等、きちんとセオリーを踏んだお話しでした。『マグニフィセント・セブン』はそのあたりの筋はどうでもよくて、アクションさえ派手にやっとけばいいんでしょ?って感じでしたからね。
『荒野の七人』はユル・ブリンナーとスティーブ・マックイーンの最初の葬儀のエピソードだけで彼らの人となりがわかるのがいいですね。
ユル・ブリンナーの元に人が集まってくる様が比較的無理がないというか。
農民と違って地に足の付かない暮らしをしているガンマンたちが、居場所を求めて町を守るあたりが動機として理解しやすいです。
七人の背景も、少ない台詞の中になんとなく伺い知れるところがよいですね。
スティーブ・マックイーンが女好きというか、なかなかフェミニストなところが好感度高いです。
ホルスト・ブッフホルツの向こう見ずで負けん気の強い若者も好演してたし、ナポレオン・ソロのトラウマを抱え、ガンマンとしての黄昏を迎えつつある男の悲哀も良かったです。
ジェームズ・コバーン演じる投げナイフと言う設定は魅力的です。
ブラッド・デクスターだけ一番現実的な動機を持っていましたが、これはこれでなんとも言えない悲しさがあって良かったです。
ただ、ひとつ、ネタバレした上でお話しさせていただくなら、盗賊に情けをかけられ、助けられた命と武器で、盗賊をやっつけてしまうのはさすがにどーなのよと思います。盗賊さんがお人好し過ぎちゃいましたね。ここすごくもやっとします。とういか一番肝心なところがもやっとしちゃうのが致命的な気も致します。
あと、村人からあまり危機感を感じないというか、悠長にお祭りなんかやってる様は、のどかすぎるなーと言う印象です。ただ、『マグニフィセント・セブン』よりは村人と七人の交流が描けているので、そこは良いなーと思いました。
そうそうチャールズ・ブロンソンを慕う三人の子供とのやりとりが微笑ましくて可愛かったです。もっともこの三人の子供が戦いの最中に彼にまとわりつくから、最終的には彼も子供をかばって死ぬ羽目になる訳ですけどね。
最後の台詞はまんま『七人の侍』ですね。