『ゾンビ・アルカトラズ』で懲りたものの、キース・アランの脚本にもう一本おつきあいですよ。
この映画はゾンビが急激にあふれかえる冒頭のテンポとかは悪くなかったし、『ゾンビ・アルカトラズ』よりは、人物描写はましになったように思いますが、相変わらず人物の扱いが雑というか、『ゾンビ・アルカトラズ』同様なんか伏線じみた人物をあっけなく殺しすぎるんですよね。
物語のキーパーソンあっけなく殺すというのは、効果的な場合もあるけれど、どうも狙ってそうしている感じでもないんで、ただ、雑にしか見えないっていう。
特に警官の扱いはいただけなかったですね。
あと、ディテールもちょっと雑というか、いきなりゾンビがあふれかえる世界での人々の反応が淡泊過ぎて、あまりリアリティを覚えないものだから、ゾンビがいくら襲ってきてもまったくスリルや怖さを覚えないんですよ。
これは脚本の問題なのか、監督の手腕の問題なのか、わからんところです。
映像やキャストは『ゾンビ・アルカトラズ』よりはグレードがあがった感はありました。主演はドラマ『デッドゾーン』のジョニーを演じたアンソニー・マイケル・ホールだし。いや、観ている間は全然気づかなかったですよ。太りましたね
女優さんも結構きれいだなーと思ったらダリル・ハンナだったんですね。
そんなこんなで、キース脚本の映画を2本観て思ったことは、俳優としての魅力と脚本家としての才能は別物だなと。まあ、あたりまえっちゃーあたりまえなんですけどね。
しかし、面白くない映画を観ていると、何故面白くないのかいろいろ考えるので勉強にはなるかなーっと。
この映画って、登場人物の目的意識があんまりわからないところで、個々にひたすらゾンビ相手に戦っている印象なんで、やっぱり、物語を貫くなんらかの目的って必要なのかなーなんて考えちゃいましたね。それがないと物語が終始どこに向かって進もうとしているのかわからなくて、散漫としちゃうというか。
そうそうキースは今回もちょこっと出演しております。
ゾンビパニック最中にテレビを盗もうとして警察に逮捕され、手錠で繋がれている間にゾンビになった巡査に襲われる役です。
ネタばれ
何故かこの映画のゾンビは活動時間が夜に限られているみたいで、朝になると活動が止まるんですよね。
なんで、朝になると一応めでたしめでたし的な。これってちょっとヴァンパイア映画っぽいのりですね。でも、誰もそんな弱点を知らないはずなのに、朝になればなんとかなる的なのりも不思議でした。