去年、話題になっていた作品で、どんなもんかなーと思っていたんですが、実は私イーライ・ロスの作風がいまいち好きじゃないんですよね。
『キャビン・フィーバー』『ホステル』も、なんだがエグイ印象ばかりが先立って、物語にあまり面白みを覚えないんです。

今回もゴアシーンとかグロシーンは際だってますが、やっぱりお話がいまいち。
そもそもゴアシーンが得意じゃないので、今の時代これだけのゴアシーンを描く姿勢はすごいとは思いますが、別段それほど観たいという気も致しません。

その昔『食人族』と言う映画がありまして、こちらもゲテモノ映画と言う感じで長らく見られなかったんですが、数年前に勇気を出して観てみたらこれは意外に面白かったというか、監督が非常にユーモラスな人で好感を覚えちゃいました。あと、すごく音楽が良かったです。

それに比べると、やっぱり同じようなシチュエーションでも面白さは半減ですね。


ネタバレ

イーライ・ロスはこういう活動団体に対する懐疑心があるのか、リーダーのアレハンドロが徹底的に嫌な奴だったりします。でも、続編を想定しているのか、アレハンドロが中途半端に生き残ったのはこの種のストーリーとしては物足りないですね。
主役のロレンツァ・イッツォはイーライ・ロスの嫁らしいですが、こういう「絶対死なないだろう」って言うわかりやすいヒロインは却ってしらけます。
アレハンドロの彼女みたいな嫌な女があっさり死んじゃうのもつまりません。
それでいて、ヒロインに好意的だった黒人の若者が一番無残に殺されます。
良い人が無残に殺されるのは映画的にショッキングですが、それも最後に悪い奴が徹底的にやられる描写あってのことで、なんだか気分が悪いままです。

自分たちが救おうとした部族に喰われちゃうという皮肉はなかなか良かったんですけどね。
ただ、あのヒロインが最後にあの部族をかばう意味がよくわかりません。まあ、あの部族に罪はないかもしれませんが、あんな目にあってかばおうとはちょっと思えないかな。
もしかして自分を助けてくれた少年への義理なのか、アレハンドロを見捨てたことがばれることを恐れたのか、よくわかりませんね。

そんなこんなでやっぱり食人系なら『食人族』に軍配があがりますね。