吉田秋生は『吉祥天女』という作品が非常に好きだったのだが、『BANANA FISH』以降、どうにもBL臭が鼻について読んでいなかった。
しかし、この映画の原作となった漫画は悪くないというか、現在も連載中だが、なかなか面白いので継続して読んでいる。

原作もそうだが、映画も実に優等生な出来。
これと言って特にケチをつけるような点がみられない。

綾瀬はるか、長澤まさみ、広瀬すずとやけにきれいどころを集まりすぎていて、遺伝子的にはまったく姉妹に見えないという点を除けば、ビジュアル的にも男性集客に一役買う効果がある。

鎌倉というロケーションも良いし、漫画のイメージそのままの日本家屋もよい。

個人的には姉妹の母親演じる大竹しのぶがはまりすぎ。
彼女なら背景を語られなくても、駄目夫に浮気され、姉妹を捨てて音信不通だった母親という設定にすべて納得というか、説得力がある。
樹木希林といい、若手女優を支える年配女優の好演が光る。

女性メインの映画なので男性の存在感がとても薄い。