『ラヴ・ネヴァー・ダイズ』を観たら、こちらも観たくなるのが人情です。
レンタルしようと思っていたら、自分で持ってました。時々いつのまにか買っていることがあるので要注意です。

ワタクシ映画館で同じ映画を二度観るということは滅多にないのですが、珍しくこれは二度観ちゃいました。何がそんなに良かったのか今となっては謎ですが、舞台で観るとチケットが1万くらいするところをレディースデー1000円で観られるというお得感を覚えたんですよね。

で、やっぱり作品の完成度は『ラヴ・ネヴァー・ダイズ』よりこちらの方が遙かに上です。
というか、改めて『ラヴ・ネヴァー・ダイズ』はストーリーだけをとれば蛇足もいいところです。
まあ、あれはパラレルワールドと思って諦めますけどね。

映画では怪人とクリスティンの間に流れる感情が舞台より際どいものになっていて、『The Point of No Return』などは演出上かなりふたりは心の奥底で深く愛し合ってる感があります。私は映画におけるこの演出はスリリングで嫌いじゃないし、これなら、『ラヴ・ネヴァー・ダイズ』のように男女の関係があっても不思議はないのですが、怪人は最後の方ではっきり肉欲は失われたと言い切っているので、やっぱり無理があるかなーという感じです。
まあ、この世はすべてパラレルワールドなのです。

ちなみに映画の最後でクリスティン・ダーエの墓石には『1854-1917』と刻まれています。63歳まで長生きされていたようで、明らかに『ラヴ・ネヴァー・ダイズ』との矛盾を覚えますが、この世はすべてパラレルワールドなのです。

ジョエル・シュマッカー監督によるこの映画は、怪人が格好よく描かれていること、舞台をほどよくまとめてあること、衣装やオペラ座の華やかさなど舞台とは違った見所はあるのですが、歌唱力に関して言えば、ジェラルド・バトラーの歌い方は声にのびがなくていまいちです。
エミー・ロッサムの歌声は瑞々しさがあって良いのですが、マイケル・クロフォードサラ・ブライトマンのロンドン公演版のCDを聴きこんでいるとちょっと物足りないかなーという感じですね。

ネタばれ
最後にクリスティンがファントムに指輪を返す場面が胸に刺さるんですよね。
ファントムはクリスティンの為に身を引いたけど、でもどこかで自分を選んで欲しいって願いがまだあったんじゃないかと。その上での「クリスティンアイラブユー」と言う言葉だったんじゃないかと思えて、そこでとどめを刺されるのは痛すぎるなーっと。
なんてぼくちんちょっぴり感傷的です。