『インセプション』に続き、さくっとジョセフ・ゴードン=レヴィット祭りで再見。
こちらは2011年に劇場で観た際の感想をコピペしておきます。
以下ネタバレ含みます。
闘病ものだが決して重い訳でもお涙ちょうだいでもない。
コメディタッチだが、決して病気を軽んじている訳でもなく、主人公の心情や、まわりの人々の対応など、笑いあり、共感ありの好感もてる作風だ。
脚本家のウィル・ライザーの実体験ということで、ガン患者の心情にもリアリティがある。
ジョセフ・ゴードン=レヴィットの演技がよかった。抑えた中に彼の心の葛藤が伺え、ストレスを感じるとツメを噛んだり、繊細な演技を感じた。出会いが『G.I.ジョー』というつまらない映画だったので、気にかけていなかったが、『インセプション』以降彼は役者として魅力があるし、なかなかの演技派でもあるので、今後注目したい。
セス・ローゲンも憎めない悪友っぷりで笑わせてくれる。
どことなく人間離れしたイメージのブライス・ダラス・ハワードは今回は珍しく等身大の女性という感じで、最初は彼女だとわからなかった。
病気になった上に、支えてくれると信じていた彼女に裏切られる主人公は救いがなくて切ない。まるで弱り目に祟り目のような仕打ち。でもそんな彼女のどことなく信頼出来ない雰囲気を彼女は最初の段階から上手に演じていたと思う。
セラピストとの恋愛は、やはり映画的救いという感じはするが、このセラピストが別れた彼氏をfacebookで新しい彼女が出来ていないかチェックしてしまうあたりはわかるような気がするし、最初はマニュアルでしか対応出来なかった彼女が徐々にセラピストとしての自分を問い直すくだりは人間味を感じてよい。
患者に深入りして恋に落ちてしまうのはセラピスト失格だが、そこは新人ということで大目に見るべきか?
この映画では少々鬱陶しくても息子を思う母親や、彼の悪友、そしてセラピストの彼女という救いがちりばめられている。そこは多少映画だなよねーと思わなくもないが、しかし個々の人物像がきちんと魅力的に描かれているのでそのあたりは多少甘めでも許せる範疇。
電話攻撃にうんざりする母親がガンの子供を持った親の会に通っていたり、何かと言えばナンパしか考えない友人がガンの友人とどう接するかという本をチェックしてたり、じんわりと心にくる演出は憎い。
いよいよ手術を前にして不安を露わにする主人公とそれを支える家族の姿には胸がしめつけられた。
それにしても結局主人公は仕事はどうなったんだろう。
ガンにかかる治療費は?という現実的な問題にもうちょっと立ち入って欲しかったようにも思うが、全体的に良作である。
