白石晃士監督らしいモキュメンタリー作品。

白石晃士監督はシリアスな作りであっても、どこか笑いを感じさせる。
登場人物が次々と死んだり失踪するあたりは殆どギャグだった。

今回も堀光男という強烈な霊媒師が登場する。
白石監督は、ネオ、江野くん、工藤ディレクターとインパクトあるキャラを生み出すのが実に上手い。中でも堀光男は最強だ。
監督はこういうどう見ても電波系のいっちゃってる人が実はホンモノだったというパターンをよく用いるが、とにかくいっちゃってる人や、いっちゃってる人の住処など、「やばい」感じを演出するのが本当に上手い。

今回はOVとは違って劇場公開だし、予算も潤沢とあって、フェイク番組などもお金がかかっているし、アンガールズなどそれなりに知れた有名人も顔を出している。

堀光男がしきりに「霊体ミミズ」と口にするので、いつ、触手うねうねのクトゥルフを思わせる白石ワールドが展開するのかと思ったが、この頃はまだ確立されていなかったようだ。