夏ですからね。
なんか、こう、心理的にぞくっとくる怖い映画を観たいじゃないですか。
でもJホラーはダメね。あれは洒落にならないので。
でも洋ホラーなら後に引かないので、大丈夫。
ガチじゃなくてぬるい感じでひとつよろしく。
てな訳で、TSUTAYAの発掘良品コーナーで見かけたこの作品を借りてみたのでした。
しかし、観る観ないに関わらず割とマニアックなホラーのタイトルも把握している私が、この作品に関してはまったく聞いたことがないのです。
ちょっぴり地雷臭を覚えながらも「意外な掘り出し物」を期待して借りちゃった訳ですよ。
いや、期待通りなにげなくぞわっとくる映像が面白い…おもしろ…お…、た…、たい…、たいくつ…、退屈、
退屈だ!!!!
ガチじゃなくぬるい感じでよろしくとは言ったけど、ぬるすぎよ!
なんだか、地味に心理的怖さを演出しているのだろうが、さすがに地味過ぎてあまり話が展開しないし、段々飽きてくるんよねー。
途中から、後何分で終わるのかそればかりが気になってしまった。
71年の作品だしね。
この地味で低予算なトーンは、あれね、昼間にテレビ映画で観るような類の感じ。
もともと主人公のジェシカは精神病で入院していたようで、田舎に夫と友達と療養にきたってことらしいのだけど、何故か移動が霊柩車なのね。
全体的に総合失調症のジェシカが見た幻聴、幻覚の世界のようで、丁度被害妄想の人間の心理状態を垣間見る感じではあるんですが、それが面白いかと言われると別にそれほど面白くもないんですよね。
脈絡なく唐突に物事が展開していくし、あらゆる伏線も別に回収されることなく投げっぱなしなんで、殆ど夢の世界の出来事のようになんでもありな感じでした。
強いて言うなら、これって最初からジェシカは死者の町に来てしまったということなのかなーっと、彼岸の境界の話なのかなーという気は致しますが、そういう 心理的な怖さを期待したものの、そのあたりの演出もいまひとつでしたね。
そもそも洋ものはあんまり心理的な怖さを描くのが上手じゃなかったりするんだけど、そのあたりのイメージは『ジェイコブズラダー』は割と頑張っていたなーと思うのね。
この映画では唯一、柱の影で揺れる揺り椅子のシーンがちょっと怖かったわね。顔が見えそうで見えないとか、そういうのは怖いです。
あんな感じのなんとなく薄気味悪いって言う演出がもっといろいろ見たかったわ。
