なんて言うんですかね、主人公が終始自責の念に囚われ、なんでもかんでも「俺が悪いんだ」と罪を背負いすぎるのがなんとも奇妙でしたね。
最初の事故も彼が引き起こしたこととは言えないし、二度目の事故もタクシーの運転手の責任だし、君は何をそんなに背負いたがってるんだと若干マゾヒズムさえ覚えます。
もっとも、神出鬼没で人の秘密をなんでも知っている悪魔的友人はもしかして主人公の分身なのかもしれません。そういう意味では最初の事故を引き起こしたのは実は主人公自身だったのかもしれませんね。
吊り橋のカットがとても印象的というか、180度逆さに映すカットが格好よかったです。
ここで次々人が死ぬあたりはコントみたいで笑っちゃいました。
その後も「おいおい」ってくらい人が死ぬんで、主人公は地獄に堕ちる前から地獄にいるんじゃないかという気が致します。
地獄のシーンはなんだかシュールというか、前衛的というか、かなりヘンテコリンな映画でした。
無意味に安いストリップ小屋みたいな映像が挿入されますが、あれはなんなんでしょう。サービスカット? やっぱりグロにはエロが必需品ですか?
この映画、1979年と1999年と、二度リメイクされているようで、そういえば、1999年のはなんだかちょっと話題になっていたのがうっすら思い出されます。
実家には千葉県安房郡 延命寺秘蔵の絵巻による『地獄』という絵本がありまして、その絵本の世界を忠実に再現する的な映画をイメージしてたんですが、そういう訳ではなかったですね。
まあ、あの絵本をそのまま再現したらエグすぎますけどね。