注:多少ネタばれ気味
前回、お人好しの運転手だったフランクに再びルールを厳守する運び屋という初心が戻ってまいりました。
今回は若干パロディっぽくなっていて、「ルール、ルールと言う割にはおまえが率先して守ってないやないかーい!」というツッコミを牽制するように映画の中でも自他共にルールについて突っ込みまくっております。
で、さらに「わざわざフランクに運ばせる意味なくない?」って言うツッコミも悪役自らに語らせております。
途中で運転手交代とか、フランクに無理矢理運びをさせる必然が一挙に弱くなって、物語が破綻しますが、そんなの承知の上でやってるって言うベッソンの開き直りがね。もう、このミスター破綻魔が。
で、何を運ぶかと言うと、また女ですよ。ベッソンこのパターン大好きね。
その事実をフランクに教えない理由もよくわからなかったり。
それにしても、今回は
女の趣味悪過ぎ!
これまでもベッソンが描く女性はそれほど好きになれないんですが、ギリ「やりたいことはわかるよ」って気分で観てたんですよね。
でも、これはちょっと品がなさ過ぎるでしょう。
薬でラリって、店内で用足しとか、ズベっぷりが半端ない。本当にこの女首相の娘なんですか? なんでこんなにやさぐれてるんだか。
こんな女でも迫られりゃ、もうコロっといっちゃう主人公。いやいや、フランク女に弱すぎ。
そういえば、このヒロイン、フランクと初顔合わせで「誰も信用しちゃいけない」なんて言うから、最後は実はこのヒロインが事件の黒幕でしたというオチなのかなーっと思ったらそうでもない。最後まで何故「誰も信用しちゃいけない」なんて言ったのかわからず、台詞の伏線なんて丸投げですかベッソンさん。
さらに、最初は「助けてくれ」と言ってたくせに、いざ、フランクが事情を聞こうすると押し黙る。その理由が「女はミステリアスな方がいいでしょう」ってバカか。何を悠長なことを言ってるんだか、この場合協力して事態を切り抜ける方法を真剣に考えろと言いたい。
まあ、こんな脚本の穴はいつものことっちゃーいつものことですけどね。
そういえば、今回のジェイソンはストリップまでする大サービスでございましたね。
いや、そういうサービス別にいらんのですよ。
脱がなくたって十分色気のある人ですし、むしろストイックに背広着てもらった方がこちらとしてはしびれますし。
いや、見せたい! 是非俺の肉体を見せたい! まあ、そういうことならしょうがないですけど。
今回のキモは車から離れられないってことで、自転車で疾走するアクションなんかはよかったですね。
あと、ドストエフスキーがタルコーニ警部にディスられまくっているのは面白かったです。
まあ、おっしゃることはごもっともですが、でもそれでもそんな陰々滅々としたドストエフスキーの小説、私は好きです。
あと、フランス人はユーモアのセンスがあるという台詞に対して「そんなセンスあるもんか。フランス人はあのジェリー・ルイスが好きなんだぜ」の指摘は吹きました。
ベッソンをはじめ、これまで私が観てきたフランスのコメディ映画を観る限り、フランス人のユーモアセンスに関してはちょっと疑問を憶えますね。