赤いガウン! 赤いパジャマ! 赤いセーター!
うーん、うーん、うーん。

さすがマンダム! ダンディズム(死語?)炸裂だ!
いや、今となってはなかなかおりませんよ、ダンディって言葉が似合う男。

ステイサム主演のリメイクを観たら、一応オリジナルと見比べたくなりましてね。
でも、これ、リメイクとは暗殺した友人の息子を弟子にすると言うコンセプトだけが一緒で、物語はまったく別物ね。

ステイサムが比較的ライトな印象なら、こっちは最初っから不穏で重々しい雰囲気。
それもこれもチャールズ・ブロンソンの存在感がね、もう作品に重厚感を与えちゃってる訳ですよ。

映画の冒頭、無言で暗殺の為の準備を延々としているの、渋い。
あの、本にべったりと塗ったチョコレートバターみたいのはなんだったんだろう? ってそんな説明はなしね。とにかく用意周到に黙々と暗殺を遂行するクールな職人肌ってわけ。

友人を殺すのもあっさり。心情的な葛藤が殆ど描かれないのは、リメイク以上ね。
でもやっぱりストレスは抱えてるっぽくて、女性と妙なプレイを楽しんでたりするのね。女にめちゃめちゃ惚れられて、それを邪険にする男って、ある種の男の願望だったりするんかなーと思ったら、まんま本当に願望とは。
さらに心因性でぶっ倒れるほど精神科一歩手前だったりする。

友人の息子を弟子にするのもそんな屈折が伺いしれる。
そんなところが殺し屋のリアルを憶えるのね。

途中で、空手の試合でルールを破った弟子をやり込める師匠のシーンがあとのふたりの関係を暗示してるあたりが…。

全体に淡々としてるのだけど、オートバイ・チェイスはなかなか見応えあった。崖から落ちるスタントが、人形じゃなくて人間が最後までやってるあたりがすごいなーと。

映画のラストはリメイクよりこっちの方が好き。
なんか無情な感じでインパクトある。