蔦屋のディスカスに予約したものの在庫が11本もありながら半年以上も借りられなかったんですよね。未だそんなに人気のある作品なんでしょうか。
この作品はまさに美少女の盛りだったジェニファー・コネリーの美少女っぷりを楽しむ映画です。
ダリオ・アルジェントは美女をきっちり美しく撮る監督なので、一番美しい時期に彼に撮ってもらったのは幸いだったかもしれません。ただし、きっちりグロい描写も付いてくるので、本当に幸いだったのかどうかは謎です。
しかも虫に好かれる、リアルナウシカという設定も、美しいような気味が悪いような立ち位置だったり致します。いや、虫苦手なあたくしにはいくら自分を守ってくれる存在とはいえ、アイラブユーは言えませんね。
虫が彼女に欲情までしているとは、なかなか変態な映画ですよ。
正直、ジェニファー・コネリーが美しいという以外は、アルジェントの他の作品に比べてそれほど面白いと言う気がしなかったのですが、見直してみると悪くないですね。
なんていうか、虫と猿の健気さが泣けます。
それにしても蠅とジェニファーを使って犯人の家を突き止めようとするあたりは、ルーミス先生も無茶ぶりするなーという感じです。そんな危険な役割をか弱き乙女にさせるとは。せめて警察に事情を話して護衛をつけましょうよ。
薬を飲む飲まないで、ダリア・ニコロディと言い争う場面は記憶に残るくらい強烈な場面ですが、やっぱり強烈でしたね。ダリア・ニコロディ怖すぎ。
さらにジェニファーの嘔吐演技は何度観ても凄まじいというか、これ、本当に吐いたりしてるのかしら。
犯人に関しては、昔のホラー映画にはありがちとはいえ、今はいろいろ問題視されそうな際どさがありますね。これもまた古き良き(あるいは悪しき?)時代だからこそ許される映画です。
説明がなくても大体の事情は察しがつくあたり、そのさじ加減などもこの映画に関してはよく出来ています。この後の作品になるとそれが破綻につながったりするので、ぎりぎりのバランスと言うんでしょうかね。
いくつか、伏線らしきものが回収されてない感じも致しますが、ま、いっかという感じで。
いや、ジェニファーが空き屋であんなに頑張ってとろうとしたあの丸めた白い紙には何が書いてあったんだ?って部分とかね。
改めて観て、舞台がスイスのチューリッヒ近郊であるというのが興味深いですね。スイスといえば、自然が美しく、牧歌的で、まんまアルプスの少女ハイジのイメージしかないもんで、そこをホラーの舞台に選ぶというのは異色です。
犯人の家もまがまがしさがないんですよね。普通に窓辺に花なんか飾ってるし。
wikiによるとアルジェントがここを選んだのは平和でのどかな反面ヘロインによる死亡率が高かったからということで、そんな観点から見ても面白いですね。
あと、毎度、アルジェントは「網膜に焼き付いた映像」とか「殺人DNA」とか、面白い題材を持ってくるんですが、今回も死体に付く虫による捜査というあたりが面白かったです。
この映画、一応ホラーのジャンルにしておりますが、ファンタジーとも言えるかもしれません。
余談ですが、その昔、ジェニファー・コネリーには憧れましたね。こんな風に美少女に生まれたかったって。彼女みたいに美女だったら、ポール・ベタニーみたいないい男とも結婚出来る訳ですよ。彼女、今もお美しいですからね。
この映画においてアルマーニの衣装も素敵ですよね。汚しちゃうのがもったいないくらい。アルマーニってスーツしかないのかと思っていたらこういう女性のお洋服もあるんですね。